報告の広まりとは? わかりやすく解説

報告の広まり

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/31 23:30 UTC 版)

スターリン批判」の記事における「報告の広まり」の解説

第20回党大会決められたようにフルシチョフ報告公表されず、ソ連共産党内部伝えられるものであった。公式発表としては、党機関紙プラウダ2月27日付の論説レーニン主義の旗のもとに」において、中央委員会報告基づいて個人崇拝批判問題を特に重要であるとした。大会参加した外国共産党幹部のうち13に対して秘密報告決議見せることを決定し3月1日付で演説内容印刷したソ連共産党外国共産党労働者党連絡部が作成した13名のリストによると、序列第1位中国共産党朱徳、以下、フランス共産党モーリス・トレーズイタリア共産党パルミーロ・トリアッティチェコスロバキア共産党アントニーン・ノヴォトニーブルガリア共産党ヴルコ・チェルヴェンコフ、さらにアルバニア労働党ハンガリー勤労者党ルーマニア共産党ポーランド統一労働者党ボレスワフ・ビェルトドイツ社会主義統一党朝鮮労働党崔庸健モンゴル人民革命党ヴェトナム労働党チュオン・チン並んでいる。また、特に重要な朱徳トレーズには事前に見せた可能性がある。これ以外のに対しても、重要度に応じて順次閲覧をさせたが、ノルウェー共産党スウェーデン共産党日本共産党などには閲覧行われていない。 フルシチョフ報告は、各国の共産党において内容広められた。大会後最初外国訪問先であるポーランドでは、スターリン批判衝撃のあまりモスクワ心臓発作起こして死亡したポーランド統一労働者党第一書記ボレスワフ・ビェルト後継者を選ぶ会議フルシチョフ参加しスターリン批判意義説明する演説3月20日行った。同党はフルシチョフ報告ポーランド語訳を作成配布し東欧諸国でもっともスターリン批判知られることとなったまた、ソ連による国際共産主義運動見直し一貫として、4月17日コミンフォルム解散機関紙恒久平和のために、人民民主主義のために!(英語版)』の発行停止を関係8党中央委員会共同声明した。6月に入るとユーゴスラヴィアヨシップ・ブロズ・チトーモスクワ入りし、スターリン批判踏まえてソ連ユーゴの両政府および両党の関係回復について6月20日合意したソ連国内では、フルシチョフ報告広く知られるような措置取られた。3月5日開かれた党幹部会は、秘密報告を「印刷禁止」として党州委員会地方委員会共和国党中央委員会送り、「すべての党員コムソモール員、また非党員労働者職員コルホーズ農民活動分子知らせる」ことが決定され3月7日付で印刷回された。パンフレットには通し番号振られ返却義務付けられた。こうした措置もあって、一様ではないにせよフルシチョフ報告ソ連国民広く知られることとなった会合の場でパンフレット読み上げられたり、党幹部講演派遣されたりした。知識人なかには自主的な動き試みた者もいたが、共産党はその統制図った10月23日ハンガリー動乱が起こると統制強化決定的となり、公式発表上のスターリン批判封じ込められることとなったスターリン批判世界中知られるきっかけとなったのは、6月4日アメリカ国務省フルシチョフ秘密報告英文訳を発表したことである。これは3月1日付のパンフレットに基づくものであった中央情報局CIA長官アレン・ダレスはこの演説内容入手するために、金に糸目をつけなかったという。『ニューヨーク・タイムス6月5日付はこの全文紙面掲載し大きな反響与えたソ連以外の多く共産党労働者党幹部フルシチョフ報告存在知っていたため、党員国民への説明苦慮したイタリア共産党書記長トリアッティアメリカ共産党書記長のユージン・デニスはスターリン批判発表しフランス共産党アメリカ国務省秘密報告発表したことを遺憾とした。日本共産党秘密報告公表黙殺した。こうした事態に対してソ連共産党も対応を余儀なくされ、6月30日中央委員会決定個人崇拝とその諸結果克服について」(О преодолении культе личности и его последствий)が7月2日発表された。この文書では、個人崇拝起こった理由ソ連建設客観的歴史的条件スターリン個人的資質求めスターリン独裁的支配にもかかわらず党内には「レーニン的中」が存在していたこと、「個人崇拝非難ソビエト社会制度本質求めようとするのは、たいへんな間違い」であるとし、共産党ソビエト政権擁護した

※この「報告の広まり」の解説は、「スターリン批判」の解説の一部です。
「報告の広まり」を含む「スターリン批判」の記事については、「スターリン批判」の概要を参照ください。

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