報告の内容と評価
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/09 02:17 UTC 版)
アメリカは自国の情報を用いて、武器査察が有効に機能しておらず、長距離ミサイル、移動式の化学兵器製造設備などが存在している可能性を示した。 報告は約90分に渡るものだった。 軍事関係の専門家の中にはその報告の内容について、イラクの申告漏れの証拠であると高く評価する者もいたが、逆に幾つかの欠陥を指摘し、重視する声もあった。 同報告が、重要な情報源として高く評価し、言及していたイギリス政府による報告書が、実はイラクの研究を行うアメリカの大学院生の論文からのかなり長い剽窃を含んでおり、その論文が1991年当時の情報に基づいたものであること、軍事業界の専門誌「ジェーンズ・インテリジェンス・レビュー」からの剽窃も含んでいたこと、などが後に多くの報道機関によって指摘された。 また、イラクがナイジェリアから500トンのウラニウムを購入しようとした(ニジェール疑惑)証拠として提出された書類は、偽造であることが指摘された。かなり稚拙な偽造であるとの批判がなされた。アメリカ政府の意図的な工作を疑う声もあったが、政府側は、偽造であることが見破られないままに証拠として考慮されたものであるとした。 パウエル自身も後にABCニュースのインタビューでこの報告を『私の生涯の汚点であり、報告内容はひどいものだった』と反省の弁を述べている。
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