国際法上における主権移転
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 02:29 UTC 版)
「竹島問題」の記事における「国際法上における主権移転」の解説
国際法上、一時的な占領は主権の移転を意味せず、たとえ占領等により主権が著しく毀損されていたとしても元の保有国の同意がなければ、主権の移転は発生しない。主権の移転には、戦後の処置に関して連合国が竹島の放棄を日本に要求すると共に、日本が竹島の権原や主権の放棄に同意することが重要となる。 韓国の主張の概略日本の主張の概略1952年10月、駐韓米国大使館は独島(竹島)は韓国領土であるという声明を行った。これは当時の国際法から見て、独島が韓国領であり、4月にすでに発効していたサンフランシスコ条約においても独島は韓国領という解釈がされていたことを物語っている。その後、駐韓米国大使館は米国務省の秘密文書で、竹島が日本領であるとするラスク書簡の存在を初めて知ることとなる。これはラスク書簡が米国務省の秘密文書であり、国際的に承認されておらず無効であったことを証明している。その後、戦略的に米国は独島が日本領と主張するが、独島を爆撃演習場から除外してほしいという韓国政府の要請には、日本の意見を聞かずにそれを受け入れている。この事件で、米国は「独島が日本領土というのはラスクの歴史認識が問題であったのであり、今はその主張はすでに意味がない」という秘密文書を残している。その後、在韓米国大使館は、現在まで竹島・独島問題に対して立場を明確にすることを回避している。韓国内の米軍基地内では、竹島・独島問題に関して言及することが原則的に禁止されている。1954年のヴァン・フリート特命報告書なども米国のみの見解である。拘束力は全くない。 韓国政府はサンフランシスコ平和条約後もアメリカ合衆国に対し「竹島が日本により放棄された領土である」と認めるよう要望書を提出するが、1952年11月5日、米国務省は駐韓米国大使に宛てた書簡において、SCAPIN 677に関する韓国の主張に触れ「SCAPINは日本の施政を停止したものであり、永久的な日本の主権行使を排除したものではない」と回答している。1952年11月27日の駐韓米国大使館通牒では、アメリカ合衆国はラスク書簡に基づき韓国の要望を拒否している。 また1954年のヴァン・フリート特命報告書ではサンフランシスコ平和条約に基づき竹島は日本領としているほか、この問題を国際司法裁判所によって解決するよう促している。 1960年の駐日米国大使ダグラス・マッカーサー2世による「日本の領土である竹島を日本に返還させる」といった主張(機密電文3470号)は、駐日大使の日本側に立った主張にすぎず、竹島問題においてなんら日本側に竹島領有の法的根拠を与えない。 駐日米国大使ダグラス・マッカーサー2世は、「日本の領土である竹島」を日本に返還させるよう韓国政府に圧力を加えるべきであるとしているほか、李承晩の日本漁船の大量拿捕を「野蛮な人質外交」と非難している。また国際司法裁判所への付託も提言している。(機密電文3470号を参照) 紛争を国際司法裁判所に付託するという日本政府の提案は、司法的な仮装で虚偽の主張をするまた一つの企てに過ぎない。韓国は、独島(現在の竹島)に対して始めから領土権を持っており、この権利に対する確認を国際司法裁判所に求めなければならない理由は認められない。独島にはいかなる紛争も存在しないのに擬似領土紛争を作り上げ、独島問題を国際司法裁判所に是が非でも引きずっていこうというのは、まさに日本の独島侵奪戦略に過ぎない。国際司法裁判所への付託拒否は韓国の国際法的権利である。 日本政府も国際司法裁判所による解決を韓国側に幾度も提案してきたが、韓国側は国際司法裁判所への付託を拒否し続けているばかりか、提案の親書さえ受け取らない。韓国は国際法上何ら根拠がないまま竹島を不法に軍事占拠しており、韓国のこのような不法占拠によって行ういかなる行為も法的な正当性を有しない。
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