国際法上の位置付け
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/20 09:38 UTC 版)
第二次世界大戦後に便宜置籍船が増加したことに対応するため、1958年の公海に関する条約第5条、1982年採択の国連海洋法条約第91条では、国籍国と船舶の間には「真正な関係が存在しなければならない」と定められた。しかし、これらの条約では「真正な関係」について具体的な要件の定義がされず、船籍を付与する国の法令に委ねられていた。 その後、1986年に採択された船舶登録要件に関する国際連合条約により、初めて「真正な関係」の具体的要件が規定された。同条約では船籍国に船舶の所有者である法人やその子会社・営業所がある場合のほか、船籍国国籍の代理人か管理担当者である法人が存在する場合にも船籍登録が許容された(同条約第10条)。船籍登録に必要な船籍国民(法人を含む)の船舶所有に関する参加の具体的水準は各国の法令に委ねられ、船籍国民の資本参加までは要求されておらず(同条約第8条)、船員の国籍についても十分な部分を船籍国民とする原則を勧告的に尊重させるに留めて、外国人船員の乗船を許容した(同条約第9条)。これらは便宜置籍船の現状を追認する内容で、国際的な海運取引に何らの影響も与えない結果となった。
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