国際法の解釈
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/08 15:39 UTC 版)
国際法が専門の東京大学 名誉教授 大沼保昭は、請求権協定2条の解釈について、これまでの国際法の一般的解釈からすると個々の国民の権利や利益に関わるものを含めて全ての問題が包括的に解決されたと解釈でき、日本政府だけでなく、かつての韓国政府や、米国の政府及び裁判所も同じ立場だったとする。また、徴用工に関する2010年代の一連の韓国裁判所の判断については、人権への考慮が他の価値とそれに関わる判断への考慮に優越して扱われるという流れに沿ったものではあるが、このような流れが拡大していくとそもそも国家間で条約を締結して問題を解決する意義が揺らいでしまうと指摘している。 国際法学者で立命館大名誉教授の山手治之は、外交上の保護権が失われた場合の司法救済の可否について、かつての日本政府の見解を前提とすれば韓国における司法的救済の可否は韓国の国内法の問題となるとしている。 神戸大学大学院教授でアジア学術総合センター長の木村幹は「韓国で請求権協定が無視される事態が続けば、両国間の戦後処理が全般的に崩壊するだろう。政府間の対話で解決できる段階は過ぎた。協定は解釈上の問題が生じた場合に仲裁機関を設置すると定めており、これを韓国側に提案し解決にあたるべきだ。国際法の専門家が精査すれば、今回の判決に問題が多いことは十分に理解されるはず。韓国内での政治情勢などに絡んで解決がさらに先延ばしにされる恐れもあり、日本側からの積極的な働きかけが必要だ」と述べた。
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