国の登録有形文化財 「ラーハウザー記念東北学院礼拝堂」
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「東北学院大学」の記事における「国の登録有形文化財 「ラーハウザー記念東北学院礼拝堂」」の解説
もう1つは本館の右手にあり、作家の伊藤整が「日本の大学のチャペルで最も美しい。」と絶賛した[要出典]「ラーハウザー記念東北学院礼拝堂」である。 名称にある「ラーハウザー」とは、第2代院長であるD・B・シュネーダーが米国にて募金活動を行った際、それに賛同し、献金を寄せた、エラー・ラーハウザー嬢に由来する。 1932年(昭和7年)3月に完成した当礼拝堂は、地下1階地上2階建ての南北に長い鉄筋コンクリート造建築で、十字形の礼拝堂の南に玄関とホール、北に教壇を構え、両脇とホール2階も聴衆席としている。扁平尖頭アーチの縦長窓や笠付の柱形が垂直性を強調するネオ・ゴシック様式・カレッジ・ゴシック様式の外観で、外形に凝灰岩の秋保石を使った石張りにすることで、冬は暖かく夏は涼しい。外部の装飾は少なく、重厚さを感じさせる。壁が厚く、入り口や窓の上が半円形のアーチ状な特徴がある。また教会堂(礼拝堂)ではステンドグラスが採用され、明かり窓の数も多く内部の明るさを増している。城塞の建築様式に近い、これらのノルマン様式の特徴を併せもつ。本館とともに大学の核を構成している。 1932年(昭和7年)に建てられた当礼拝堂は、約900名を収容でき、正面からイエス・キリストの昇天の場面を極彩色で描いたステンドグラスが見える。高さ約4.4メートル、幅約3.5メートル。これは「ヴィクトリア朝のステンドグラス復興の指導的工房」英国のヒートン・バトラー&バインHeaton, Butler and Bayne(英語版)(以下HBB)工房で制作されたもので、同社制作のものは当時国内にはほか2ヵ所に設置されていたという。しかしその内の1つ「yokohama christchurch/横浜クライスト・チャーチ(横浜山手聖公会)J・H・モーガンが設計」の作品は1945年(昭和20年)に焼失。もう1つは神戸の邸宅に設置されたもので現存せず、今はこの作品しか遺されていない。東北学院大学が世界に誇るステンドグラスである。キリストと天使たちの衣は同じ黄色でも異なる色で表現。D・B・シュネーダーが横浜のアメリカ人建築家モルガン、HBB工房に注文を出した際の手紙では「天使の数を減らし、キリストを目立たせるように」と指示している。さらに、中央にキリスト教の聖地、エルサレムを強調して描くことで、「仙台をエルサレム(聖地)に」と思料したのである。 ステンドグラスの横には、かつて活躍し、形のみを残した米国モーラー社(en:M. P.Moller)製のパイプオルガンが、北関東以北で最も古いパイプオルガンとして現存している。現在は、ドイツ(ハンブルク)のルドルフ・フォン・ベッケラート社(de:Rudolf von Beckerath Orgelbau)による、ネオ・バロックスタイルのパイプオルガンが使用されている。この建物もまた2014年(平成26年)に国の登録有形文化財に登録された。なお、礼拝堂地下室には、「東北学院史資料センター」 がある。
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