送粉者
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送粉者(そうふんしゃ、英: pollinator)とは、植物の花粉を運んで受粉させ(送粉)、花粉の雄性配偶子と花の胚珠を受精させる動物のこと。花粉媒介者(かふんばいかいしゃ)・授粉者(じゅふんしゃ)・ポリネーターともいう[* 1]。送粉者によって媒介される受粉様式を動物媒と呼ぶ。
注釈
- ^ J-GLOBAL 科学技術総合リンクセンター,ライフサイエンス辞書,YAHOO!辞書(プログレッシブ英和中辞典) - "pollinator"を入力し検索のこと
- ^ 裸子植物のうちグネツム目 やソテツ目には虫媒と考えられる植物が含まれる(中山剛 BotanyWEB「送粉・受粉-動物媒」)。
- ^ 2015年時点の米ドル換算
出典
- ^ a b c “花粉媒介者、花粉媒介及び食料生産に関するアセスメントレポート政策決定者向け要約(抄訳)” (PDF). 公益財団法人 地球環境戦略研究機関 (2017年1月1日). 2024年2月10日閲覧。
- ^ 中山剛 BotanyWEB「動物媒」。
- ^ 田中肇『花に秘められたなぞを解くために』76-79ページ。
- ^ Fægri, K and L van der Pijl(1979). The principles of pollination ecology. Oxford: Pergamon.
- ^ Fulton, M and SA Hodges(1999). "Floral isolation between Aquilegia formosa and A. pubescens". Proceedings of the Royal Society of London, Series B 266: 2247–2252.
- ^ Hodges SA, JB Whittall, M Fulton and JY Yang(2002). "Genetics of floral traits influencing reproductive isolation between Aquilegia formosa and A. pubescens". American Naturalist 159: S51–S60.
- ^ 福原達人「さまざまな送粉様式」『植物形態学』。
- ^ “SAVE THE BEES”. the bee conservancy. 2024年2月8日閲覧。
- ^ 米国農務省森林局 Celebrating Wildflowers - Pollinators - Butterfly
- ^ Tan, KH and R Nishida(2005). "Synomone or Kairomone? - Bulbophyllum apertum (Orchidaceae) flower releases raspberry ketone to attract Bactrocera fruit flies". Journal of Chemical Ecology 31(3): 509-519.
- ^ Tan KH and R Nishida(2007). "Zingerone in the floral synomone of Bulbophyllum baileyi (Orchidaceae) attracts Bactrocera fruit flies during pollination". Biochemical Systematics & Ecology 35: 334-341.
- ^ Olesen, JM and A Valido(2003). "Lizards as pollinators and seed dispersers: an island phenomenon". Trends in Ecology and Evolution 18: 177-181.
動物媒
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詳細は「送粉者」を参照 自然界で受粉(送粉)を行う動物を送粉者と呼ぶ。動物媒花では、目につきやすい色や特有の香りの花を咲かせたり、蜜や花粉を餌として提供したりすることによって動物に自身の存在を示す。動物が餌を探すために花を見つけるため、森林や熱帯といった複雑な植物社会において動物媒による送粉をとる種が多い。 送粉者の種類は約20万種あると推定されており、その大部分は昆虫である。昆虫による送粉を虫媒 (entomophily) と呼び、虫媒花はハチとアリ(膜翅目)・コウチュウ(鞘翅目)・チョウとガ(鱗翅目)・アブとハエ(双翅目)などの昆虫を引き寄せる。そのために、目につきやすい色や特有の香りの花を咲かせたり、蜜や花粉を提供するなどの戦略をとる。また、昆虫類が知覚できる紫外線領域の色も用いて昆虫を誘引している花もある。進化的には虫媒花の原型は、送粉者に花粉を食べさせる虫媒植物であったと考えられている。 その他の動物媒"zoophily"としては、鳥類・コウモリなどの脊椎動物によるものがあり、約1,000種が送粉者であると考えられている。鳥類は昆虫に比べて体が大きく、また多量の蜜を必要とするため花間を積極的に飛び回るので、花粉の移動を考える上では貢献度が高いとされる。送粉を行う脊椎動物の例としてはハチドリ・オオコウモリ類・オーストラリアにおける有袋類がある。コウモリを送粉者とするように適応した植物は白い花弁と強い香りを持つ傾向があり、鳥類を送粉者として適応した植物は赤い花弁を発達させ香りは持たない傾向がある。 植物と送粉者の共進化 非生物的な受粉の最初の化石記録は、石炭紀後期のシダ種子植物に遡る[要出典]。キカデオイデアという中生代に繁栄した裸子植物が虫媒されていたという証拠がある。多くの花粉化石は、現代の動物媒介される花粉に類似した特徴を示している[要出典]。また、鞘翅目とハエの化石の腸内容物・翅の構造および摂食器官の形態は、彼らが初期の送粉者として働いたことを示唆している[要出典]。 白亜紀の間、昆虫類と被子植物は共進化した。原初の被子植物は蜜を分泌しなかったと思われるが、その後花に蜜腺が生じた進化は、昆虫類と被子植物の間の共進化を示唆している。
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