生殖様式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/18 00:12 UTC 版)
花粉により受粉をさせ、生殖を行う。受粉の様式は、花の構造により自家受粉と他家受粉に分けられる。通常、他家受粉が起きることが望ましいので、種類によっては自家受粉を妨げるような仕組みが見られる。例えば、雄蕊と雌蕊のどちらか先に成熟するようになっているのもそのひとつである。どちらが先かで雄性先熟または雌性先熟とよばれる。 また、花粉はそのままでは移動できないため、受粉を行うためには何らかの媒介が必要となる。おもに媒介者となるのは風と動物であり、風が媒介するものは風媒花と呼ばれる。動物が媒介するものはその媒介者によって虫媒花・鳥媒花・コウモリ媒花などに分かれる。動物媒の中では特に虫による媒介が多い。最も古い媒介方式は風媒であるが、のちにより確実性の高まる動物媒が発展した。しかしながら冷帯地域においては単一樹種による樹林が多いことや媒介者となる動物の不足から、再び風媒に戻るものが多く、かなりの樹木が風媒花となっている。逆に媒介動物の多い熱帯地域においては動物媒が圧倒的で、熱帯樹木の95%を占める。風媒と違い、虫や鳥など動物に受粉を媒介させる場合、花に動物を引き寄せる必要があるため、多くの花は蜜腺から蜜を分泌し、動物に花を訪れるようにさせる。こうした蜜食動物にとって花の蜜は重要な食料であるが、他に花粉そのものを食糧とする昆虫も多く存在する。
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