冷戦以後
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/18 18:03 UTC 版)
第二次大戦当時から、火力投射手段としてあまりにも肥大化し過ぎた巨砲は、急激に発展した航空機による爆撃(空爆)により淘汰されていった。加えて、大戦末期に萌芽が現れたミサイルが大砲の領分に進出してくる。大砲が口径に比例して甚だしく増大する重量と射撃時の反動に耐える必要があるのに比べ、ミサイルを含むロケット兵器は歩兵携行あるいはトラックなど、はるかに軽便な発射母体から運用可能であること、何より射撃後に誘導修正することによる長射程と高い命中精度のメリットがある。列車砲、戦艦主砲から対艦ミサイル、対戦車砲から対戦車ミサイルのように、完全にミサイルに駆逐されて土台となる兵器ごと消滅してしまった例もある。冷戦中期までに弾道ミサイルや巡航ミサイルは大陸レベルの射程を誇り大砲の次元をはるかに超えた兵器へと進化を遂げた。戦闘機から機関砲を撤廃したり、ミサイル戦車あるいは戦車無用論が喧伝されたこともあった。しかしその後の戦訓により、地形等の理由によりミサイルは常に射程の長さを活かせるとは限らない、威力射程が同程度の砲弾に比べ高価な上に大きくかさばるため戦闘で携行可能な弾数でも兵站レベルでの補給可能量においても継戦能力が劣る、砲のように標的の性質に応じて弾種を選択できない、砲弾よりずっと初速が遅く母機から誘導し続けなければならない場合があり特に近距離戦で重要な即時性を欠く。航空爆弾も航空機の高コストと滞空時間の限界から一過性に留まり大砲の遍在性と即応性を具備し得ないことなどの問題が明らかとなり、21世紀現在に到っても砲はミサイルや航空爆弾と各々異なる価値を持つ兵器として共存し続けている。ガンランチャーや誘導砲弾など、砲とミサイルの美点を融合させる試みも実用段階に達してきている。また、中世以来の火薬力による砲から、電気的エネルギー(ローレンツ力)を利用するレールガンなど、まったく新たな射出原理に基づく砲の研究開発も続けられている。
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冷戦以後
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/02 05:29 UTC 版)
1991年のソビエト連邦の崩壊により、「東側諸国」は消滅し、それに伴い「第二世界」という言葉も適用できなくなった。
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