政府の公式発表以外の開戦理由の仮説
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/13 21:44 UTC 版)
「イラク戦争」の記事における「政府の公式発表以外の開戦理由の仮説」の解説
イラクをサウジアラビアの軍事基地の代替地として確保し、サウジアラビアから米軍部隊を移転することでムスリム(イスラム教徒)の反米感情を和らげ、テロの発生を予防する[要出典]。ビン=ラーディンは湾岸戦争の際、イスラム教の聖地メッカのあるサウジに異教徒の軍隊(米軍)が駐留したことに激しい衝撃を受け、米軍のサウジからの撤退という要求を掲げて反米テロ闘争を開始し、ついには911テロへと至った[要出典]。しかし米国は、フセインの脅威から同盟国を守るためという名目で、湾岸戦争後も引き続きサウジに部隊を駐留していたため、テロリストの要求に屈服したという印象を与えることなく、サウジから部隊を撤退させるには、どうしてもフセインを排除する必要があった[要出典]。 イラクを民主国家にし、資本主義経済を根付かせる事で将来起こるであろう石油枯渇による中東経済の混乱を最小限に抑える[要出典]。 イラクを親米化する事で中東(イラン、シリア、その他反米の諸国)に「民主化のドミノ倒し」を起こさせる(いわゆるドミノ理論)。これがイラク戦争の最大の目的だと言う見方がある[要出典]。ブッシュ政権中枢で影響力を持ちイラク戦争を強く支持したネオコングループでは、フセインがアラブ世界で支持されることがイスラエルの危機につながると考えられていた。イスラエルは親パレスチナ、反イスラエル路線のフセイン政権を脅威と見ていたから、国民レベルでも開戦支持が反対を上回った数少ない国の一つだった。イスラエルは、イラクを穏健路線のヨルダン(ハーシム家)に統治させる戦略を打ち出していた。そのため、イスラエル・ロビーが開戦を働き掛けたと指摘されている。 石油の一大産出地域である中東に戦乱を生じさせ、石油価格を上昇させて石油市場の流れを操作する[要出典]。 アメリカ人の気質として、戦時に大統領が代わるのは好ましくない、とする風潮があり、戦争開始時点で再選を目指していたブッシュ大統領のキャンペーンの一環(報道におけるタブー#戦時大統領タブー)[要出典]。 イラクは石油輸出の決済をドル仕立てからユーロ決済への移行を決定していた。これが実行されるとアメリカドルの世界基軸通貨としての地位が揺らぐため、それを阻止するための防衛戦争として侵略を決行した。 冷戦以後、目立った戦争を経験していなかった軍需産業が衰退していたため戦争を誘発するようホワイトハウスに圧力をかけた(いわゆる軍産複合体)。 戦争により武器・兵器を消費するため。一定の周期で過剰に生産された武器・兵器を消費しなければ軍事マーケットにおける需給のバランスが崩れる[要出典]。 サウジ、ロシアに次ぐ埋蔵量(世界第三位)を持つイラク北部の油田地帯を反米のフセイン政権が握っているのは、アメリカ(特に国際石油資本)にとって好ましいことではなく、利権を押さえるため。しかし戦後、開発の権利は入札によって他国に取られてしまった。 数十年後に予想される原油枯渇によるエネルギー危機にそなえて、石油利権の確保のため。開戦当初から、イラクの石油をアメリカ資本、イスラエルが独占するための戦争であると主張する説。イスラエルの左派系新聞『ハアレツ』が主張している。
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