公権力横領取締室
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/02 13:48 UTC 版)
「公権力横領捜査官 中坊林太郎」の記事における「公権力横領取締室」の解説
時限立法「公権力横領罪法」により設立された、内閣官房直属の汚職取締機関。捜査官は公務員身分ではなく、職務で回収した裏金の1/10を報酬として与えられる、いわば現代の賞金稼ぎ。司法取引、証人保護プログラム、銃発砲、SATや自衛隊の動員等の様々な特権を与えられている。 中坊 林太郎(なかぼう りんたろう) 本作の主人公。公権力横領取締室の捜査官。東西銀行とその周辺の調査を担当しており、支店からの転勤を装って東西銀行本店に潜入する。その際には林 太郎(はやし たろう)と名乗り、髪を撫でつけ、黒ブチ眼鏡をかけた腰の低いサラリーマンとして振舞う。素性は不明で、内閣情報調査室や各国諜報機関でも、生まれた痕跡すら掴めない。 人を食ったような言動で、どんな時でも余裕のある態度を崩さない。他の原哲夫作品の主人公の様な「超人的な身体能力」は無いが、体格には恵まれ、外国語にも堪能で、図抜けた度胸、圧倒的な情報力・権力・策略で敵を弄び、強引な手段で不良債権を回収する。 詳しい経緯は描かれていないが、父親が目の前で射殺されている。これに言及されると癪に障るらしく、「林 太郎」としての温厚な顔は鳴りを潜め、豪快に葉巻を吸い散らかす尊大な態度へと急変し、決め台詞「親は関係ねえだろ、親は!」が飛び出す。 苗字と仕事内容から分かるように、中坊公平をモデルとしているが、原哲夫の奔放な味付けによって、更に過激な人物として描かれている。 作者もこの人物がかなり気に入ったようで、後の『蒼天の拳』は「中坊林太郎が北斗神拳を使えたら?」という発想から企画がスタートしたとの事。その主人公である霞拳志郎も変装中は髪を撫でつけ、黒ブチ眼鏡をかけている。 虹野 誠一(にじの せいいち) 東西銀行総務部二課の元課長。裏の汚い仕事をこなすエリートバンカーだったが、検察に嗅ぎつけられ、悪事がばれて経歴に傷が付く事を恐れて飛び込み自殺する。銀行はそれを奇貨として彼に全ての責任を押し付けてしまった。 しかし、中坊の計らいにより生き延びており、家族の安全を保障してもらう代わりに、彼に協力することになる。 一度覚えた事は忘れられないという能力の持ち主であり(一種の記憶障害らしい)、裏金の帳簿を全て記憶させられ、「歩く裏帳簿」という異名をとっていた。 銀行に人生の全てを捧げてきた、いわゆる社畜であり、銀行に裏切られた後もなかなかその癖が抜けず、たびたび中坊に揶揄される。 ちなみに『蒼天の拳』の霞拳志郎も「一度覚えた事を忘れない」能力を持っており、同作には他にも同じ能力を持つ人物が登場している。 業田 竜彦(ごうだ たつひこ) 業田開発の2代目若社長。ニューマリアンカントリークラブを経営。武闘派の談合屋として知られ、筋骨逞しい肉体の持ち主。大河原代議士と癒着し、公共事業をわざとポシャらせ、金を巻き上げていた。 民自党元副総裁・松丸稲次郎の隠し子。中坊により逮捕され、隠し子である事がバレそうになったために、側近に殺害されるところを、証人保護プログラムで保護された。以降は中坊に協力するようになる。 元は本格派左腕として東京六大学野球で活躍するスター選手だったが、ドラフト直前に仕組まれた暴力事件に巻き込まれ、殺し屋に左腕の腱を切られプロへの道を断念する。後遺症は現在も重く、左腕ではそっと投げられたコーヒー缶を上手くキャッチすることすらできない。その事件も、実の父親である松丸が仕組んだことだったと中坊に気づかされ、復讐の念を燃やす。 江戸川 仁(えどがわ じん) 公権力横領取締室の室長。元東京地検特捜部の検事。特捜部時代から大河原の不正を調査しているが、政界の圧力で起訴にこぎ着けられなかった。 中坊からは「とっつぁん」と呼ばれている。
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