他のラディオドンタ類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/16 00:33 UTC 版)
「アノマロカリス」の記事における「他のラディオドンタ類」の解説
かつてもしくは一時期的にアノマロカリスと考えられ、後にそれ以外の種とされるようになったラディオドンタ類は次の通り。 Peytoia nathorsti Walcott, 1911a ペイトイア・ナトルスティ シノニム(無効の異名):Laggania cambria Walcott, 1911a ラガニア・カンブリア Walcott (1911a) に命名され、Whittington & Briggs (1985) に本属の種 Anomalocaris nathorsti として再分類され、Collins (1996) 以降では元の独立属(当時ではラガニア、Daley & Bergström (2012) 以降ではペイトイア)の種として再び区別されるようになった。フルディア科に分類される。 カナダブリティッシュコロンビア州のバージェス頁岩(バージェス動物群)、およびアメリカユタ州の Wheeler Shale と Marjum Formation から発見される。 詳細は「ラガニア」を参照 Lenisicaris pennsylvanica (Resser, 1929) レニシカリス・ペンシルウァニカ Resser (1929) に本属の種 Anomalocaris pennsylvanica(アノマロカリス・ペンシルウァニカ)として命名され、Wu et al. (2021a) にレニシカリス(Lenisiaris)の種として再分類されるようになった。アノマロカリス科に分類される。 アメリカペンシルベニア州の Kinzers Formation から発見される。前部付属肢のみによって知られる。前部付属肢は14節(柄部1節と残り13節)からなり、内突起は単純な長い針状で分岐はない。 種小名「pennsylvanica」は発見地であるアメリカのペンシルベニア州(Pennsylvania)による。 "Anomalocaris" briggsi Nedin, 1995 "アノマロカリス"・ブリッグシ Nedin (1995) に本属の種として命名された属未定の未改名種。タミシオカリス科に分類される。 オーストラリアカンガルー島の Emu Bay Shale から発見される。前部付属肢と同種に由来と思われる複眼のみによって知られる。前部付属肢は14節(柄部1節と残り13節)からなり、内突起は同規的で細長い。柄部以降のほとんどの内突起は前後と後方の基部にたくさんの分岐をもつ。複眼は腎臓型で眼柄はなく、縁が甲皮に覆われる。懸濁物食性であったと考えられる。体長33.2 cm(A. canadensis の比率)から49 cm(ELRC 20001 の比率)と推測される。 Ramskoeldia consimilis Cong et al., 2018 ラムスコルディア・コンシミリス Hou & Bergström (1991) に Anomalocaris canadensis、Hou et al. (1995)、Luo et al. (1999) と Zeng et al. (2017) に Anomalocaris saron に同種とされたが、Cong et al. (2018) にラムスコルディア(Ramskoeldia)の種として命名されるようになった。 中国雲南省の Maotianshan Shale(澄江動物群)から発見される。 Houcaris saron の前部付属肢 Anomalocaris sp. ELRC 20001(水色部分)を Houcaris saron(ピンク色部分)に同種とする誤解釈に基づいた旧復元図 Houcaris saron (Hou, Bergström et Ahlberg, 1995) ホウカリス・サロン Hou et al. (1995) に本属の種 Anomalocaris saron(アノマロカリス・サロン / アノマロカリス・サーロン)として命名され、Wu et al. (2021b) にホウカリス(Houcaris)の種として再分類されるようになった。アノマロカリス科、アンプレクトベルア科とタミシオカリス科のいずれかに分類される。 中国雲南省の Maotianshan Shale(澄江動物群)から発見される。前部付属肢のみによって知られる(ELRC 20001 は長らく本種の全身化石標本とされたが、2020年以降では本種とは別のアノマロカリス由来とされるようになった。上述参照)。前部付属肢は細長く、15節以上(柄部2節以上と残り13節)からなり、柄部とその直後の肢節の境目は上向きに屈曲する。柄部直後の内突起はやや強大で、それ以降の内突起は細長く、そのほとんどが前方に5本と後方に2本の細い分岐をもつ。柄部以降の肢節は、それぞれの内突起の基部前方に更に2本の細い分岐をもつ。 たくさんの細い分岐をもつ内突起に因んで、種小名はギリシャ語の「σάρον」(saron、箒)による。 Houcaris magnabasis (Pates et al., 2019b) ホウカリス・マグナベシス Lieberman (2003) に Anomalocaris cf. saron として記載され、Pates et al. (2019b) に本属の種 Anomalocaris magnabasis(アノマロカリス・マグナベシス)として命名され、Wu et al. (2021b) にホウカリス(Houcaris)の種として再分類されるようになった。アノマロカリス科、アンプレクトベルア科とタミシオカリス科のいずれかに分類される。 アメリカネバダ州の Pioche Shale と Pyramid shale から発見される。鰭と歯の断片、および前部付属肢のみによって知られる。前部付属肢は15節(柄部2節と残り13節)からなり、基部3節は太く、柄部先端と直後の内突起はわずかに強大で、柄部直後の9本の内突起はそれぞれの前方に5本と後方に1本の細い分岐をもつ。 前部付属肢の大きな基部に因んで、種小名「magnabasis」はラテン語の「magna」(大きいな、偉大な)と「basis」(基部)の合成語である。 Laminacaris chimera Guo et al., 2018 ラミナカリス・キメラ Hou et al. (2004) に Anomalocaris aff. saron として記載され、Guo et al. (2018) にラミナカリス(Laminacaris)の種として命名されるようになった。 中国雲南省の Maotianshan Shale(澄江動物群)から発見される。 詳細は「ラミナカリス」を参照 KUMIP 314037 Briggs et al. (2008) に Anomalocaris sp. として記載され、Pates et al. (2019b) に本属から除外されるようになった未命名種。 胴部の前半と左側の鰭のみを保存した1つの化石標本 KUMIP 314037 のみによって知られる。胴部は少なくとも9対の細長い鰭をもつ。 Anomalocarididae gen. et sp. nov. アノマロカリス科新属新種 Halgedahl et al. (2009) に Anomalocaris (?) として記載され、Pates et al. (2019b) に本属から除外され、Pates et al. (2021) にアノマロカリス科新属新種(Anomalocarididae gen. et sp. nov.)とされるようになった。 アメリカユタ州の Wheeler Shale から発見される。先端が不明の1つの前部付属肢の化石標本(番号なし、Halgedahl et al. 2009 の Fig. 10L)のみによって知られる。前部付属肢は10節以上からなり、各肢節は前後短縮する。 "Anomalocaris" kunmingensis の前部付属肢と歯 "Anomalocaris" kunmingensis Wang, Huang & Hu, 2013 "アノマロカリス"・クンミンゲンシス Wang et al. (2013) に本属の種として命名された属未定の未改名種。アンプレクトベルア科に含まれ、アンプレクトベルアの1種(Amplectobelua kunmingensis)として扱われる場合もある。 中国雲南省の Wulongqing Formation (Guanshan biota) から発見される。柄部が不完全な前部付属肢と歯のみによって知られる。前部付属肢は前後の太さがさほど変わらず、15節(柄部2節と残り13節)からなる。柄部とその直後の肢節の境目は上向きに屈曲する。柄部直後の内突起は明らかに強大で、前方に1-2本と後方に1本の分岐をもち、それ以降の肢節の内突起はやや単純で、分岐が見られる場合は少ない。最終数節の背側の棘は対になる。歯は十字放射状で、32枚の歯のうち発達した十字方向の4枚は内側に5本以上の棘をもつ。表面はたくさんの隆起と溝があり、発達した歯のうち後方の1枚は最も小さい。体長22.2 cm(A. canadensis の比率)から32.8 cm(ELRC 20001 の比率)と推測される。 種小名「kunmingensis」は発見地である中国の昆明市(ピンイン:Kūnmíng)による。
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