木葉蝦
コノハエビ(1890~1980年代)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/16 00:33 UTC 版)
「アノマロカリス」の記事における「コノハエビ(1890~1980年代)」の解説
現生のコノハエビ類の1種。アノマロカリスの前部付属肢は、記載当初ではこのような甲殻類の胴部と解釈された。 ツゾイアの背甲化石標本。アノマロカリスの前部付属肢は一時では本属の腹部と解釈された。 アノマロカリスはバージェス動物群に属する代表的な動物として知られているが、最初に発見されるのは単離した前部付属肢の化石である。その化石は、当初は甲殻類のコノハエビ類の胴部と考えられたことから、1892年にカナダの古生物学者ジョセフ・フレデリック・ホワイティーブス(Joseph Frederick Whiteaves)の記載(Whiteaves 1892)によって「アノマロカリス・カナデンシス」(Anomalocaris canadensis)という学名を与えられた。アノマロカリスや他のラディオドンタ類の完全な化石が発見される前に、放射状の円盤らしき化石と縦長い動物の体らしき化石が先に発見され、前者はクラゲである「ペイトイア・ナトルスティ」(Peytoia nathorsti)、後者はナマコである「ラガニア・カンブリア」(Laggania cambria)と、それぞれアメリカの古生物学者チャールズ・ウォルコット(Charles Walcott)の記載(Walcott 1911a)に個別の動物として命名された。 しかし、これらの化石については、次のような疑問があった。 「アノマロカリス」は甲殻類の胴部と考えられていたが、内側の突起は外骨格の突出部であって、付属肢ではない。先端は尾節の構造がない。消化管の痕跡も見当たらない。 「ペイトイア」は中央に穴が開いていて、棘が並んでおり、クラゲとしては異様である。 「ラガニア」の口と考えられる部分は「ペイトイア」であり、この化石全体は Conway Morris (1978) に「カイメン(ラガニア)に付属したクラゲ(ペイトイア)」とも解釈された。 特に前部付属肢の部分である「アノマロカリス」に関しては、別の解釈が提唱されており、例えば Henriksen (1928) にツゾイア(Tuzoia)という背甲によって知られる節足動物の単離した腹部と思われ、Briggs (1979) に未発見の1 m以上の巨大節足動物の脚と考えられた。
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