2000年代~2010年代前期の展開
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/29 19:44 UTC 版)
「Megacheira」の記事における「2000年代~2010年代前期の展開」の解説
アノマロカリス科とアンプレクトベルア科のラディオドンタ類の前部付属肢 フルディア科のラディオドンタ類の前部付属肢 メガケイラ類の大付属肢 鋏角類の鋏角 真節足動物 ラディオドンタ類 前部付属肢→大付属肢 他のメガケイラ類 ハイコウカリス 大付属肢→鋏角 鋏角類 Artiopoda(三葉虫、光楯類など) 大顎類(多足類、甲殻類、六脚類) ラディオドンタ類とメガケイラ類(青枠、側系統群)を基盤的な鋏角類とし、後者の中でハイコウカリスをより鋏角類に近いとする系統仮説。なお、ラディオドンタ類とハイコウカリスのこのような位置関係は系統解析に支持されず、2010年代以降では否定的である。 鋏角類 ラディオドンタ類 Budd 2002 では、大付属肢の前大脳性/先節由来説(ほとんどの文献に否定される対応関係)を基に、メガケイラ類はラディオドンタ類に類縁の基盤的な真節足動物と考えられた。一方、Chen et al. 2004 と Cotton & Braddy 2004 をはじめとして、大付属肢と鋏角の類似点(捕獲用の前端の付属肢・柄部と鋏に分化した前後の肢節をもつなど)が注目され、Megacheira類を基盤的な鋏角類とする系統仮説が提唱された。特にメガケイラ類の中で、ハイコウカリスは爪3本の大付属肢が鋏角に最も似ているとされ、他のメガケイラ類より鋏角類に近く、メガケイラ類全体は鋏角類に至る側系統群と考えられた。 Chen et al. 2004 と Haug et al. 2012 では鋏角類の他に、ラディオドンタ類の前部付属肢と大付属肢の類似点も示されており、ラディオドンタ類はメガケイラ類に、すなわち鋏角類にも近縁と考えられた。これらの説を統合し、節足動物の中でラディオドンタ類とメガケイラ類は順番ずつ鋏角類の初期系統のみから分岐するとされ、肢節数と内突起/爪の数を減らしながら、前部付属肢(十数節以下、内突起5本以上)は大付属肢(6節以下、爪4-3本)に、大付属肢は鋏角(3節以下、爪2本)に進化すると解釈された。更に Haug et al. 2012 では、フルディア科(フルディア、ペイトイアなど)のラディオドンタ類は前部付属肢が比較的少数(10節以下)の肢節と数本の爪らしき内突起をもつことにより、他のラディオドンタ類よりメガケイラ類/鋏角類の系統に近く、ラディオドンタ類全体はメガケイラ類+鋏角類の分岐に至る側系統群という説も提唱された。 また、メガケイラ類のパラペイトイアは Budd 2002 と Chen et al. 2004 の両方においても「メガケイラ類の大付属肢をもつラディオドンタ類」と解釈され、ラディオドンタ類とメガケイラ類の中間型生物とされた。
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