井戸端
姓 | 読み方 |
---|---|
井戸端 | いどばた |
井戸端会議
(井戸端 から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/05 05:53 UTC 版)
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井戸端会議(いどばたかいぎ)は、かつて長屋の女たちが共同井戸に集まり、水くみや洗濯などをしながら世間話や噂話に興じたさま[1]。主婦同士などによる世間話のこと[1][2]。
概要
地域の人々が生活を共にする井戸があれば人が集い、たわいのない話、そして余計な噂話がはじまったものでありゲーテの19世紀の作品『ファウスト』にも描かれている[3]。
江戸時代までは集合住宅そのものとして、その後も長く集合住宅の様式として残った長屋では、水を供給する井戸は長屋の共同設備であり、ここでは飲料水はもちろん炊事・洗濯から行水に使う水までもを求めた。同じ長屋で住むもの同士が順番に水を桶など容器に汲んで、各戸に用意された大きな水瓶まで運んでいって満たすまで往復する作業が行われた。この作業は、その各戸に住む家庭の主婦などの重要な仕事(家事)であったため、他の者が水を汲むまでの間は雑談に興じていたであろうことは想像に難くなく、落語など当時の風俗を伝えるものにも、数多く井戸端会議の姿は描かれている。
また、長屋の構造上では利便性を求め井戸はこれを備える長屋の間を通る私設生活道路の中央付近で比較的広い場所であったため、井戸の周りは自然と人が集まるようにもなっており、『筒井筒』の話が描くように、そこに住む子供もこの周りで遊んだりもしたようだ。また、長屋内で問題というほど深刻でもない情報が共有され、その一部には回覧板のような地域同報システムとして掲示板とまではいかなくても、貼り紙などの形で情報が示され、これを元として住民間で会話が行われることもあったであろう。長屋を舞台とする時代劇などにおいてもしばしば登場するシーンである。
井戸端会議には、長屋のおかみが自身の「でこ」を棚に上げて、その場に居ないどこそこの奥さんの「あご」を批判するような側面もある[4]。1907年(明治40年)の『家庭下女読本』は、下女が米研ぎや洗濯をそっちのけにして、「奥さんの噂話」から役者にまつわる世間話までしているのは見苦しいとしている[5]。
20世紀に入り場としての象徴であった井戸は、水道へと変わり近隣社会は解体していき、隣人が何をしている人なのか分からない都市社会へと至る[6]。食堂も会議の場所となり[4]、ほかにも近隣の人々が立ち寄り世間話を楽しむような場として、喫茶店のような場所があり井戸端会議と呼ばれることがある[7]。空間の環境デザインとして、ベンチを置き、屋根を作り、屋外でも快適となるような場を構築していくと人々が集う場所が作られる[6]。
インターネットにおいて地域性を重視したサービスに、まちBBSやSNS内に設けられた地域的なコミュニティがあり、引越する者のあいさつから、美味しい飲食店の意見交換、生活上の相談が話題となる[8]。
出典
- ^ a b 『日本国語大辞典』小学館。
- ^ 『大辞泉』小学館。
- ^ ゲーテ『「フアウスト」物語』六盟館、1910年、277頁 。
- ^ a b 安倍能成『朝暮抄』岩波書店、1938年、468-469頁 。
- ^ 墨堤隠士『家庭下女読本』大学館、1907年、74頁 。
- ^ a b 栄久庵祥二「道具と対人コミュニケーション:環境デザインへの一視点」『日本デザイン学会研究発表大会概要集』第53巻第0号、2006年、51-51頁、doi:10.11247/jssd.53.0.51.0、NAID 130005022616。
- ^ 伊奈正人「西大寺井戸端会議 : ある「文化シーン」の情景」『経済と社会 : 東京女子大学社会学会紀要』第26巻、1998年2月、19-39頁、 CRID 1520572359878771200、 NAID 110006607557。
- ^ 大倉恭輔「地域メディアにおける生活情報の交換について : 井戸端としてのインターネット」『実践女子短期大学紀要』第28巻、2007年3月20日、35-54頁、 CRID 1050001201683980544、 NAID 120005552835。
関連項目
外部リンク
井戸端
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「ID:INVADED イド:インヴェイデッド」の記事における「井戸端」の解説
百貴 船太郎(ももき ふねたろう) 声 - 細谷佳正 井戸端の室長。スタッフ達の指揮を執る。秋人の元同僚であり、彼からは「百貴さん」と呼ばれている。堅物な仕事人間だが時折情の深い面を覗かせる。 2017年3月21日に病院から失踪した木記の行方を探していた。失踪の3ヶ月前に対マンから暴行を受けた木記を保護した。 物語後半においてジョン・ウォーカーの策略により、白駒二四男殺害容疑及びジョン・ウォーカー本人であるという嫌疑を受けて室長を解任され、警視庁に移送される。 イド中のイドでは入院中の木記を気にかけて度々見舞っていた。木記の失踪後は、彼女が何らかの能力を持ち「夢を介在させた無意識への侵入」という白駒の研究に関連して拉致された可能性があると秋人に相談する。現実世界では秋人が対マン殺害直後に逮捕されたために事態の推移が多少異なっており、実際の行動は不明だが、同じように木記を気にかけていたと思われる。木記がミヅハノメ開発の足がかりにされたことは推測していたものの、ミヅハノメへの不要な詮索は重大な機密違反であり、核心的な真相は掴めずにいた。 嫌疑が晴れた後、ジョン・ウォーカーの目論見通りに世界融解によって巨大なミヅハノメとなってしまった蔵の外で松岡と行動を共にし、事態を収拾する準備を整える。木記の能力に対抗するためのヘルメットと防護服を身にまとい、松岡から弾倉とともに渡された拳銃を部下たちの命を守るためにも装備するが、拳銃は木記への牽制として構えた後で自ら手放す。その拳銃は木記に拾われて自殺に使用されそうになったが、弾は最初から装填していなかった。彼女を説得して、必ずいつか他の人間と協力して苦しみから開放することを約束し、事態を収束させた。 早瀬浦局長からは自分の後継にと望まれていたが、その後も室長の地位に留まっているようである。 東郷 紗利奈(とうごう さりな) 声 - ブリドカットセーラ恵美 井戸端スタッフの一人。毅然とした女性。百貴室長の補佐的役割。全般解析を担当。 百貴とは彼の自宅の寝室に招かれるような関係。巨乳である。 白岳 仙之介(しらたけ せんのすけ) 声 - 近藤隆 井戸端スタッフの一人。眼鏡をかけた青年。主にイドの場所と時代を特定する。 羽二重 正宗(はぶたえ まさむね) 声 - 岩瀬周平 井戸端スタッフの一人。黒髪の青年。主に人物解析を行う。 若鹿 一雄(わかしか かずお) 声 - 榎木淳弥 井戸端スタッフの一人。ヘアバンドを付けたお調子者の青年。主にイド内の情報の推理を行っている。 名探偵と共に謎を追うが、特に酒井戸の推理にはついていけない時もある。 円周率の羅列を記憶している、事象から確率を割り出す等、数学的処理能力の持ち主。 国府 司郎(こくふ しろう) 声 - 加藤渉 井戸端スタッフの一人。童顔でショートボブの青年。主に東郷のサポートを行っている。 本編のエピローグにおいて、死亡した宅彦の後継として局長代理に就任し、警視庁に配属される。本編後の時系列となるコミカライズ版では局長代理として警視庁の上層部への交渉などを主とし、井戸端を外部からサポートしている。
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