二元的宇宙像についてとは? わかりやすく解説

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二元的宇宙像について

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/04 03:33 UTC 版)

アリストテレス」の記事における「二元的宇宙像について」の解説

アリストテレス自然学では、月下世界は土・水・空気・火の四元素より成り、それらは相互に移り変わることが可能としている。この月より下の常に転化し生成・変化消滅繰り返す世界は「地上界」と呼ばれる。それに対して月とそれより先のエーテルよりなる世界では決し転化することがなく、生成消滅見られない。この不変世界は「天上界」と呼ばれるアリストテレスそれぞれの世界別な法則に従っていると考えた。この考え方二元的宇宙像(論)と呼ばれている。 このアリストテレスによる二元的宇宙像は、バビロニアでの日食月食などの現象が「地上物体作用する」という考え方と結びついて、「地上界出来事には必然的に天上界作用している」という考え方基本となった月齢による海の干満曇りの日でも花が太陽方向を向く植物などから、当時の人々から見ればこれは当然であった。この考えは、地上界出来事原因天上界(つまり星の動き)に求め占星術(学)隆盛するもとともなったプトレマイオスはこの法則性綿密に探るために彼の著書アルマゲスト」で、将来惑星動きを(誤差大きかったが)計算して予測できる宇宙モデル初め構築した。そして著書「テトラビブロス」では、天上界が及ぼす地上界への影響法則性探ろうとした。これは実証学的な学問だった。 ところが、占星術天上界による地上界への影響はっきりしないまま、星の動きを「未来を指し示す予兆」と捉える星占いホロスコープ)として、幅広く民衆広がっていった。他方この人々に広がった星占いは、12世紀以降エフェメリス天体暦)やアルマナック生活暦)という惑星を含む天体正確な運行という強い需要喚起し、後に天文学発展する動機ともなった天上界が及ぼす地上界への影響法則性探ろうとした例として、16世紀デンマーク天文学者チコ・ブラーエがある。彼は占星学研究者でもあり、彼が精巧な天文観測装置作った動機一つとして天上界地上界への影響法則正確に捉えられないのは観測精度足らない考えたことがある。そして天上界が及ぼす地上界への影響が最も現れるものの一つとして気象取り上げた。彼は天文観測しながら1582年10月から1597年4月まで、15年間にわたってヴェーン島で気象観測記録残している。これは占星気象学検証のためと思われている。 ヨハネス・ケプラー占星術者としても有名であり、彼の著書調停者』でも1592 年から1609年までの16 年間にわたって気象観測継続してその間観測された星相と天候異常の関係の実例いくつも記している。また著書調和』の中でもひたすら天候観察しそういう天候引き起こす星相の考察をしたかからであった。すなわち、惑星が合になるか、一般に占星術師弘布した星相になると、そのたび決まって大気の状態が乱れるのを私は認めてきた。」と述べている。 この「天上界」と「地上界」という考え方終焉するのは、ニュートンによる万有引力の法則発見によってである。この法則によって天上界地上界とに同じ法則適用できることがわかった。この法則天上界地上界区別消し去り、これを彼は万有引力universal gravitation)と名付けたこのようにアリストテレス二元的宇宙像は、後世大きな影響与えた

※この「二元的宇宙像について」の解説は、「アリストテレス」の解説の一部です。
「二元的宇宙像について」を含む「アリストテレス」の記事については、「アリストテレス」の概要を参照ください。

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