二元数の分類定理
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/31 14:29 UTC 版)
定理:14,15 同型を除いて、実数体上二次元の単位的多元環は通常の複素数体、分解型複素数環、二重数環のちょうど3種類しかない。 証明 — 実数体上二次元の単位的多元環を A とし、実数体上の基底 {1, u} をとれば、適当な実数 a, b を用いて u 2 = a + b u {\displaystyle u^{2}=a+bu} となる。平方完成を施して u ~ 2 = a + b 2 4 ( u ~ := u − b 2 ) {\displaystyle {\tilde {u}}^{2}=a+{\frac {b^{2}}{4}}\quad \left({\tilde {u}}:=u-{\tfrac {b}{2}}\right)} と書くことができるから、右辺が実数値であることに注意すれば、その値に従って以下の三分律が成り立つ: 4a = −b2 のとき、従って ũ2 = 0。このとき、ũ ↦ ε は A と二重数環との同型を与える。 4a > −b2 のとき、正の実数 c := √a + b2⁄4 が取れて、v := 1/cũ は v2 = +1 を満たす。このとき、v ↦ j は A と分解型複素数環との同型である。 4a < −b2 のとき、正の実数 d := √b2⁄4 − a が取れて、w = 1/dũ は w2 = −1。このとき、A と複素数体との同型は w ↦ i によって定まる。
※この「二元数の分類定理」の解説は、「二元数」の解説の一部です。
「二元数の分類定理」を含む「二元数」の記事については、「二元数」の概要を参照ください。
- 二元数の分類定理のページへのリンク