二元論哲学者の反応
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/08/02 06:31 UTC 版)
「ベンジャミン・リベット」の記事における「二元論哲学者の反応」の解説
意識とは、ニューロンの機能の副作用であり、脳状態の付帯徴候・随伴現象に過ぎないという見方が示唆されている。リベットの実験は、この理論を支持するものとして受け止められている。この見方によれば、我々自身の行為を意識的に生じさせたと我々が報告するのは、回想を誤って捉えたものである。しかし、一部の二元論者はこの結論に異論を唱えている。 要するに、(ニューロンによる)原因と、意識的経験との相関は、その存在論と混乱されるべきではない。... 意識的経験がどういうものであるかという唯一の証拠は一人称的な情報源に由来するものであり、そのことは意識とは、神経活動とは別の何か、あるいは神経活動に何かが付け加わったものであることを示唆している。 二元論-相互作用論の視点からのより一般的な批判は、アレクサンダー・バサイアニ(Alexander Batthyany)によって提唱されている。リベットは被験者に対して「(動こう)という衝動が、事前の準備や、いつそれを行うべきかに集中することなく、それ単独で出現するのに任せる」ように依頼したに過ぎない。バサイアニによれば、還元論的、あるいは非還元論的な、行為主体性(agency)理論のいずれも、それ単独で出現するような衝動が、(いわゆる)意識的に生じられた出来事の適例である、とは主張していない。なぜならば、人が受動的にある衝動が出現するのを待っている時に、同時に、意識的にそれを起こしているということはあり得ないからだ。このため、リベットの結果は行為主体性の還元論を支持する実験的証拠として解釈することは出来ない。非還元論の理論においても、二元論的相互作用論においてさえ、まったく同様の実験結果が期待されるからである。
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