事業はメッセージ
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1986年代表取締役となり第2次CIを導入。企業の方向を「人を軸」とする定め、福武書店から「ベネッセ(bene=よく+esse=生きるというラテン語からの造語)」という社名に変更。人々の「良く生きる」を支援する為の「メッセージ」をブレークダウンしたものが商品であると説く。 ベネッセの主要なメッセージを挙げると 「自分や家族がしてもらいたいサービスを提供する」 「赤ちゃんからお年寄りまで向上意欲を支援する」 「年をとればとるほど幸せになるサービスを提供する」 「ベネッセを世界一ファンやシンパの多い会社にする」 一方、財団活動は「経済は文化の僕(しもべ)である」という考えがベースになっている。その言葉には、戦後の日本が経済優先、東京一極集中の社会となり、地方の生活や文化が次々に破壊されたことに対する憤りがある。創造と破壊を繰り返し「在るものを壊し、ないものを作る」現代文明から、「在るものを活かし、ないものを創る」をメッセージとする21世紀の新しい文明観を提唱する。高齢化と過疎化が進む瀬戸内海の島々の、芸術・文化による地域再生への活動はそれを体現化したものである。福武總一郎は「いいコミュニティに住むことで人は幸せになれる」という。「直島のお年寄りたちが、現代美術に馴染み、島を訪れる若い人々と笑顔で接してどんどん元気になっているのをみて、幸せなコミュニティとは『人生の達人であるお年寄りの笑顔があふれているところ』と断言する。この直島での実績が周辺の島々に拡大する。2010年、香川県とともに自らは総合プロデューサーとして備讃瀬戸の7つの島を舞台に「瀬戸内国際芸術祭2010」を開催、国内外からの訪問者は94万人にのぼった。2013年「瀬戸内国際芸術祭2013」も総合プロデューサーを務め、前回に5島を加えた全12島と二つの港を舞台に、春、夏、秋の3期(合計108日間)開催、107万人の来場者があった。来訪者、ボランティア(こえび隊)、アーティスト、島の人々が様々に交流する世界でも類を見ない新しいスタイルの芸術祭であると評価されている。2016年「瀬戸内国際芸術祭2016」(来場者104万人)開催。2017年世界的な旅行ガイドブックである、「LONELY PLANET’S BEST OF JAPAN TOP SIGHTS AUTHENTIC EXPERIENCES」内のPLAN YOUR TRIP JAPAN’S TOP12で直島が東京、京都などともに6番目で紹介されるなど、直島での活動は世界から注目を集める。2017年、個人資産を寄贈し、国際公益学院(CGPI:CHINA GLOBAL PHILANTHROPY INSTITUTE)に福武芸術慈善センターが設立された。福武芸術慈善センターが最初に手がける、中国過疎の農村である山東省桃花島での「アートによる地域再生桃花島プロジェクト」に最高顧問として関わり、「直島メソッド」と呼ばれる現代アートによる地域再生活動の中国展開を図っている。
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