主な方針
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 05:46 UTC 版)
基本的な考え方はこの「サイファーパンク宣言」(エリック・ヒューズ, 1993)からの引用に表される。 プライバシーは電子時代の開かれた社会に不可欠である。……政府・企業・その他大きな顔が見えないような組織がプライバシーを与えてくれるとは期待できない。…… プライバシーを確保しようとするならば、我々は自身のプライバシーを擁護しなければならない。…… サイファーパンクはコードを書く。我々はプライバシーを擁護するためには誰かがソフトウェアを書かなければならないと確信しており、……我々はソフトウェアを書かんとする。…… サイファーパンクの一部は、主要なハイテク企業において非常に高い地位にいるか、かつていた者である。またある者は有名な研究者である(下記の#特筆すべきサイファーパンクを見よ)。しかしながら名前の「パンク」と言う部分はある種の姿勢を表している。 我々が書いたソフトウェアをあなた方が認めなくても、我々は大して気にはしない。ソフトウエアは破壊できないし、広く拡散したシステムは止められないと我々は知っているからだ。 これは意見を伴う暗号理論であり、それは「サイファーパンク」というグループの名前によく表れている。 サイファーパンクに対するマスメディアにおける最初の議論は、1993年のスティーブン・レヴィによるWIREDの記事“Crypto Rebels (暗号反逆者)”である。 この部屋の者たちは、個人の情報的足跡、つまり中絶に関する意見から実際の中絶に関する医療記録まで全て、関係する個人がそれを公開すると決めたときのみ追跡できる世界を望んでいる。明瞭なメッセージはネットワークや電波を通じて地球中でやりとりされるが、雲の中からそれらを引き抜こうとする侵入者や政府は意味不明な言葉しか得られない世界を、のぞきの道具がプライバシーの器具に変換された世界を望んでいる。 このような未来像が実現する道は1つしかなく、それは広範囲にわたる暗号の利用である。これは技術的に可能であろうか。間違いなく可能である。障害は政治的なものである。政府における最も強力な勢力の一部はこれらの道具の規制に熱心である。つまり暗号技術を自由化しようとする者とそれらを抑制しようとする者の間で争いが起きているのだ。この会議室に散らばる、一見無害に見える一団は、暗号支持軍の前衛の代表である。戦場は遠くにあるように思えるが、実際の争いは遠くのものではない。この闘争の成果は21世紀において我々の社会が我々に与える自由の量を決める。サイファーパンクにとって自由とは危険を犯す価値のあるものである。 仮面をつけてこの号のWIRED誌の表紙を飾った3人の男は有名なサイファーパンクであるティム・メイ、エリック・ヒューズ、ジョン・ギルモアである。 後にレヴィは90年代における暗号戦争を詳細に扱った書籍Crypto: How the Code Rebels Beat the Government – Saving Privacy in the Digital Age,を執筆した。 「サイファーパンク」という言葉はやや曖昧である。ほとんどの文脈では暗号技術を社会を変え、社会に影響を与え、表現するための道具として推進する者を意味する。しかし前述のサイファーパンクメーリングリストの参加者を指す場合もある。2つの意味は明らかに重複しているが、決して同義語ではない。サイファーパンクという言葉に対してはっきりとした定義が与えられたことはない。 サイファーパンクの観念を示す文書としてティモシー・C・メイによる“クリプトアナーキスト宣言” (1992)と“サイファノミコン” (1994),の他、ヒューズによる“サイファーパンク宣言”がある。
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