一般的なドラムセット
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/08 06:23 UTC 版)
「ドラムセット」の記事における「一般的なドラムセット」の解説
バスドラム(写真内 1) Bass Drumと表記することから「ベースドラム」「ベードラ」「バスドラ」と呼ぶ場合もある(アメリカなどの英語圏では「ベースドラム」と呼ぶのが一般的)。いわゆる大太鼓。他に「キック」(Kick)と呼ぶこともある。右利きの場合、奏者の右足側の床に横倒し(ヘッドを地面に対して垂直)に設置し、ペダルを踏んで演奏する。 フロアタム(写真内 2) 床に直接置くので「フロア(floor) ・タム」と呼ばれる。右利きの場合、奏者の右側に設置するのが一般的。大口径のタムで代用する場合もある。並び順はタムと同様。 スネアドラム(写真内 3) ドラムは座って演奏するので、奏者の膝の高さに専用のスタンドで設置する。「サイドドラム」と呼ぶ場合もある。いわゆる小太鼓。ボトム側(スネアサイド)のヘッドにスナッピー(スナッピーは日本独自の言い方で、通常はスネア若しくはスネアワイヤーと呼ぶ)と呼ばれるスチールないしブラスなどの金属製の響線が装着されている事が最大の特徴である。胴の深さは一般的に5インチ(約13センチメートル)前後、口径は14インチ(約36センチメートル)が主流であるが、胴深6インチ以上のものや、3 - 4インチ程度のもの、口径が13インチ以下のものなど多種多様である。浅めのスネアドラムは「ピッコロスネア」とも呼ばれている。 トムトム(タムタム)(写真内 4) ドラムセットでは「タム」と呼ぶのが一般的。(クラシックの打楽器奏者は「Tam Tam=タムタム=銅鑼」とを明確に区別するため、「トム」「トムトム」と呼んでいる。)バスドラムやシンバルスタンドに取り付けたホルダーまたは専用のスタンドを使い、バスドラムの上付近に設置する。複数設置する場合は、右利きの場合主に左から右へ小さい順に並べるのが一般的である。口径の異なる2つのタムを設置する右の写真のような構成に限らず、タム1つのみを配した、いわゆる「3点キット」と呼ばれるシンプルな構成がなされることもあり、設置する個数、口径に決まりはない。高橋まこと(元BOØWY)や真矢(LUNA SEA)、テリー・ボジオ、大久保宙のように、タムだけで10個以上を配するセットを組む奏者も存在する。 ハイハットシンバル(写真内 5) 右利きの場合、奏者の左足側、スネアドラムの直近に専用のスタンドで設置する。またワイヤーを使って奏者の右側や自由な位置に設置するリモートハットもある。また、ツー・バス演奏時に左足を使用できない状態で、クローズ音が欲しい場合や、常時ハーフ・オープンの音が欲しい場合に使用するクローズド・ハットといったものもある。左側に設置している場合、腕をクロスさせて右腕で叩く「クロスハンド奏法」が一般的だが、腕をクロスさせずに左腕で叩く「オープンハンド奏法」で叩く奏者も存在する(オープンハンドの項を参照)。スティックだけでなく、バスドラムと同じようにペダルを使うことが多く大半は左足で操作する。 シンバル(写真内 6) 設置にはスタンドを用いる。ライドシンバル(トップシンバルとも)やクラッシュシンバル(サイドシンバル)、エフェクトシンバル(チャイナ、スプラッシュ、ベル、ゴング、カップチャイム、重ねシンバル)などがあり、ライドシンバルはフロアタムの上付近に設置するのが一般的。その他のシンバルの配置は奏者の好みによる。一般的にライドシンバルはリズムをキープする目的で使われ大口径(主に20インチ - 22インチだが、19インチや24インチのものまで存在する)で厚い。クラッシュシンバルは曲中でアクセントを付けるときに使用される。一般的にライドシンバルより小口径(主に16インチ - 18インチだがこちらも14インチや20インチのものもある)で薄い。 ドラムスティック ドラムは、パフォーマンスの延長として手で叩く場合もあるが、主にスティックといわれる桴(ばち)が用いられる。一般的には、ヒッコリーで出来たものが多く、メイプルやオークで出来たものもある。少数派としてアルミ製、プラスチック製、ファイバー製のものや、内部に発光体を入れたものなども存在する。木製のスティックの先端(チップ)には、木製のものが一般的であるが、ナイロン製のものも各社から販売されている。スティックに似たもので、ブラシや、ロッズと呼ばれる細い棒を束ねたもので演奏する場合もある。より優しい表現が求められた時、ブラシやロッズが用いられることが多い。逆に、より太く重い音を出したい場合、先が球状になったマレットで演奏する場合がある。その場合は、ドラムスキンを破損しないよう、大抵マリンバ用に準じた柔らかいものが用いられる。
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