一本うどんとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 固有名詞の種類 > 製品 > 食べ物 > 料理 > うどん > 一本うどんの意味・解説 

一本うどん

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/22 17:44 UTC 版)

一本うどん

一本うどん(いっぽんうどん)は、通常のものと比べて、極めて太く作られたうどん

やほきの一本うどん

藪忠(東京滝野川区中里町(現・北区)、日月庵・やぶ忠)の村瀬忠太郎(『蕎麦通』四六書院 1930 の著者)によれば、江戸深川浄心寺のうどん専門店「やほき」で売り出された。 その製法が難しかったために、模倣する者が無く、やほきが無くなるとともに、行われなくなった。

ふつうのうどんと同じものであるが、親指ほどの太さで、かつ長くて丼鉢にただ1本のみ盛り入れた。 口当たりはきわめてやわらかく、適当な長さに箸で切り、汁につけて食した。 飯のかわりに、また酒のさかなにもよろこばれた。 村瀬によれば、そのすばらしさは切り口が鮮やかな四角形で、芯までやわらかく火が通っていることで、打ち方、茹で方にも技量を要した。 前日の夕方に打って、ある程度まで茹でたら火を引いて、蓋をしたままひとばん置いて、余熱で煮込んだらしいという。

京都の一本うどん

村瀬は同書の中で京都および名古屋にも類似したものがあるが、詳細は知らないと記述している。

京都のうどん店「たわらや」は北野天満宮の付近に店を構え、一本うどんを名物として出していた。たわらやのものはあらかじめうどんつゆにつけられており、享保年間といわれる創業当時から出されていたと言われている[1]戦後の食糧難の時代に一時閉店したため、一本うどんの伝統は一時絶えた。1996年(平成8年)になって復刻され、現在も店の名物となっている。ただし喉に詰まらせると危険であるため、現在では2~3本に切られている。

文芸の中の一本うどん

江戸時代の食事がしばしば取り上げられる池波正太郎の小説でも、一本うどんはたびたび登場する。鬼平犯科帳の短編「掻堀のおけい」では、豊島屋という一本うどんで有名な店が登場し、「男色一本饂飩」では表題にもなっている。知名度も高く、各地のうどん店や製麺業者によって類似品が販売されている。

脚注

参考文献

  • 村瀬忠太郎『蕎麦通』(『蕎麦通・天麩羅通』坪内祐三・監修、解説 廣済堂文庫 2011 所収)
  • 片山虎之介「虎視眈々--そばの散歩道 人生は太く、長く縁起の良い「一本うどん」」




固有名詞の分類

このページでは「ウィキペディア」から一本うどんを検索した結果を表示しています。
Weblioに収録されているすべての辞書から一本うどんを検索する場合は、下記のリンクをクリックしてください。
 全ての辞書から一本うどん を検索

英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「一本うどん」の関連用語

一本うどんのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



一本うどんのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの一本うどん (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS