ポピュリズムの定義
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政治家やマスメディアによるポピュリズムを批判するとともに、ポピュリズムとポピュリストについて以下のように定義している。 「 第1に、彼らは民衆の感情を刺激し、理性よりも情念に訴えるという形をとり、しかも、その情念は反感、あるいは嫉妬という点に絞られ、その対象として敵を必要とする。第2に、ポピュリストが勝利を収めていくとナンバーツー叩きという形をとる。そして、ポピュリズムが勝利を収めた上で、法的、制度的な改編を行って、勝利の結果を永久化するとファシズムになる。第3に、ポピュリズムはその形成過程において、その目的を実現するための手続き、過程、制度というものを無視するやり方をとり、あらゆる制度、手続きというものを、むしろ目的の敵として攻撃する。 」
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ポピュリズムの定義
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/10 15:56 UTC 版)
Will Brettがポピュリズムを「乱用と誤用によって形が崩れた、引き伸ばされた概念の典型的な例」と表現したように、ポピュリズムという概念はその定義の曖昧さを批判されることも多く、論争の的となっている概念である。 数多く存在するポピュリズムの定義の中でも「有用で、適用範囲が妥当で、広く採用されている」定義は、「最小限の」定義であるとされる。またそれは「理想的なアプローチ」と呼ばれる。 吉田徹によれば、古今のポピュリズムの事例に共通するものとして一般的に指摘されるのは、①政治・経済・文化エリートに対する異議申し立てであること、②主権者として代表されていない「人々」を顕揚すること、③カリスマ的な指導者が扇動することである。誰が「エリート」と「人々」に数えられるかは、その時代や国の文脈に応じて変化する。 Cas Muddeが提案した理想的なアプローチは、ポピュリズムとは単なるデマゴーグや日和見主義のように純粋な大衆迎合主義的思想ではなく、いくつかの核となる信念で構成される①「淡白なイデオロギー亅で、②「反エリート的であり、『腐敗したエリートに対する善良な人々』という構図に焦点を当てていること亅③「善良な人々と腐敗したエリートを敵対的な関係として区別すること(善悪の二元論)」④「政治は善良な人々による一般意志の表現である必要があると主張していること」と定義される。そしてポピュリズムは淡白なイデオロギーであるので、全体主義や自由主義といった、自立する政治的イデオロギーと結びつくことで外面化するため、政治スペクトルに左右されず、自由に存在することができるとする。 Daniele AlbertazziとDuncan McDonnellはポピュリズムを「善良で均一的(人種・宗教などが共通)な『大衆』亅と「大衆から権利、価値観、繫栄、アイデンティティーを奪うエリート層や『他者』と対決させる」イデオロギーーと定義した。 同様に、Carlos De La TorreやErnesto Laclauはポピュリズムを「政治と社会を、絶対的敵対的関係にある2つの陣営間の闘争として分割する二元論的な言説」と定義した。 またJan-Werner Mülleのようにポピュリズムの本質は、反多元主義であるとの見方がされることも多い。また彼は、ポピュリズムは常にアイデンティティ政治の一形態であると主張している。また、ポピュリストにとって実際に「人々」であるのは、ポピュリストに「賛成する人々亅だけであり、他の人々は除外されている。たとえばナイジェル・ファラージがブレグジットを「実在の人々の勝利」であると主張し、ブレグジットに反対した48%の有権者を「人々」から意図的に除外していることが例であるとしている 。 日本では、「複雑な政治的争点を単純化して、いたずらに民衆の人気取りに終始し、真の政治的解決を回避するもの」として、ポピュリズムを「大衆迎合(主義)」と訳したり、「衆愚政治」の意味で使用されることが多い。村上弘によれば、個人的な人気を備えた政治家が政党組織などを経ずに直接大衆に訴えかけることや、単純化しすぎるスローガンを掲げることを指すとする。 ノーラン・チャートによる定義では、個人的自由の拡大および経済的自由の拡大のどちらについても慎重ないし消極的な立場を採る政治理念をポピュリズムと位置づけ、権威主義や全体主義と同義としており、個人的自由の拡大および経済的自由の拡大のどちらについても積極的な立場を採るリバタリアニズム(自由至上主義)とは対極の概念としている。
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