プラクチカBXシリーズボディー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/17 14:37 UTC 版)
「ペンタコン」の記事における「プラクチカBXシリーズボディー」の解説
製造プロセスの更なる合理化を進めると共に、ユーザーの使用価値を高める目的で導入されたシリーズである。銘の由来はバヨネット・マウントの「B」とDXコードの「X」である。前シリーズからの重要な変更点としては、作動メカニズムの最適化、調整の容易化、製造コストの引き下げ、金属膜シャッターの制御方法をハサミ型クランク駆動から並行クランク駆動に変更、現代的なデザインと人間工学に基づいた合理的な設計の導入、TTLオートフラッシュ機能とそのための接点をホットシューに追加、新型ワインダーの導入、DXコードシステムの導入であった。このシリーズは1990年12月31日をもって製造中止となったが、その当時既にオートマティック機能及び性能やデザインを国際的なスタンダードに合わせた後続モデルが計画されていた。しかしそれは統一後の経済変化の荒波の中でペンタコンの解散という抗い難い現実により幻に終わってしまった。 プラクチカBX20(PRAKTICA BX20 1988年発売) - このモデルが発売された当時は、東ドイツ国内にDXコードの付いた35mmフィルムのマーケットが存在していなかったためフィルム感度の自動設定機能は装備されていなかった。しかしながら、TTLオートフラッシュ、性能が良く1秒間に3齣の撮影が可能で接続が簡単で接続端子のあるこれまでのプラクチカBシリーズのボディにも使用できるよう設計されたワインダー、そして魅力的な外観が功を奏し好スタートを切ることができた。他にもTTL開放測光が採用され、電子的絞り値の伝達、露出オーバー及びアンダーの表示、チャージ済んていないことを示す赤色のインジケーター、システム化されたコンピュータ制御のストロボ機器によるTTLオートフラッシュ機能、毎秒3齣の電動駆動ワインダー、及び絞込みレバーを兼ねたセルフタイマー・レバーが採用装備された。ファインダー内には、14個のLEDを使用したシャッタースピードの表示、絞り値の表示、ストロボ・レディライト、LEDによる露出補正及びAEロックの使用の表示がなされるようになっていた。40/1~1/1000秒までの自動露出が可能なダブルマグネット式金属幕フォーカルプレーンシャッターを搭載し、他方TTL開放測光による1/1~1/1000までのマニュアル撮影も可能であった。軍艦部前面左側に「BX20」と表示されていた一方で、軍艦部前面右側に「electronic」の表示はなく、これはこのプラクチカBXシリーズ共通である。プラクチカBXシリーズの4機種の中で唯一1990年12月31日の生産中止の時まで製造が続けられていたモデルである。 プラクチカBX10DX(PRAKTICA BX10DX 1989年発売) - このモデルからDXコードによるフィルム感度の自動設定機能が導入された。その一方でマニュアルシャッターは省略され、露出補正及びAEロックは可能ではあったがファインダー内の表示がなくなり、システム化されたコンピューター制御のストロボ機器の使用も可能だったがTTLオートフラッシュ機能は装備されていなかった。軍艦部前面左側に「BX10DX」と表示されていた。このモデルは低廉なオートマティックモデルをユーザーに提供するという計画のもと機能を省いて製造されたのだが、結局その計画は放棄されてしまい、そのため製造台数が500に満たず事実上サンプルカメラとして扱われていたが、近年その稀少性からコレクターズアイテムとなっている。 プラクチカBX21DX(PRAKTICA BX21DX 1990年発売) - プラクチカBX20にDXコードによるフィルム感度の自動設定機能を持たせたモデルである。軍艦部前面左側に「BX21DX」と表示されていた。製造計画が早々に放棄されてしまったために製造台数が30台に満たない。 プラクチカBX20s(PRAKTICA BX20s 1990年発売、1992年発売) - プラクチカBX21DXの外観を現代的なデザインに変更し、使用方法が一目で分かる様にする工夫がなされ、製造技術も改良されたモデルである。軍艦部前面左側に「BX20s」と表示されていた。プラクチカBXシリーズ最後のモデルであり、唯一シュナイダー・クロイツナッハに買収後も引き継がれ、1997年に設立された「シュナイダー・ドレスデン」へと更に引き継がれたモデルである。ペンタコン時代は僅か37台しか製造されなかった。しかし買収後の1992年に製造が再開され、主力モデルとして3万台以上も製造された。そして2001年6月にプラクチカBX20s last series がペンタコン有限会社(1998年に社名を再び"ペンタコン"に戻している)から発売されるまで生産が続けられた。ボディのカラーリングが緑や緑と黒のモデルも僅かながら生産された。以下に挙げるモデルはシュナイダー・クロイツナッハに買収された後に製造されたモデルである。プラクチカBX20H(PRAKTICA BX20H 1993年発売) プラクチカBX20D(PRAKTICA BX20D 1994年発売) プラクチカBXED-system 1st(PRAKTICA BXED-system 1st 1996年発売) プラクチカBXED-system 2nd(PRAKTICA BXED-system 2nd 1996年発売) プラクチカBXEDH(PRAKTICA BXEDH 1996年発売) プラクチカBX20s "letzte Serie"(PRAKTICA BX20s last series 2001年発売) プラクチカBX20s green(PRAKTICA BX20s green 発売年不明 約280台生産) プラクチカBX20s black/green(PRAKTICA BX20s black/green 発売年不明 約155台生産) プラクチカRX1"Dummy"(PRAKTICA RX1 "Dummy" 製造されず) - 設計者のためのシミュレーションモデル。 "プラクチカBXシリーズボディー"には以下に記すボディも存在するが、これは正規にペンタコン・ドレスデン、もしくはシュナイダー・ドレスデン、またはペンタコン有限会社で生産されたものではない。プラクチカBX20s new young generation(PRAKTICA BX20s new young generation 発売年不明) - 発売年は不明だが、製造番号は1998年製造である事を示している。おそらくPRAKTICA BX20sの改竄品であろうと思われる
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