パガニーニの主題による変奏曲とは? わかりやすく解説

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パガニーニのしゅだいによるへんそうきょく【パガニーニの主題による変奏曲】

読み方:ぱがにーにのしゅだいによるへんそうきょく

原題、(ドイツ)Variationen über ein Thema von Paganiniブラームスピアノ曲14曲ずつ全2部からなる1862年から1863年にかけて作曲パガニーニ無伴奏バイオリン曲「二十四の奇想曲」第24番主題とする。


ローゼンブラット:パガニーニの主題による変奏曲

英語表記/番号出版情報
ローゼンブラット:パガニーニの主題による変奏曲Variations on a theme of Paganini作曲年1987年 

作品解説

執筆者: 加藤 麗子

 ローゼンブラットソロ作品の中では現時点において最高の充実度を持っているこの曲について作曲者は「現代ピアノ演奏において最も効果的なメソード取り入れ、更に極めて典型的なジャズ特徴スイングジャズ)を組み合わせている。」と述べている。歴史的な芸術家たちはこのパガニーニの主題魅力感じ作品取り入れてきた。リストブラームスラフマニノフルトスワフスキー近年ではファジル・サイ、そしてローゼンブラットがそこに加わる。本作品では、第1変奏冒頭爆発的なリズム野性的なベースライン右手奏される4度和音などが強烈な印象与える。各変奏は高度な構築性を持っており、最後にフーガ置かれている。フーガは常に疾走感帯びており、破壊的なフィナーレとなっている。世界初演はDmitri Ratser。

なお、作品中幾つかの変奏音楽家などの「肖像」であるという。第1変奏は「Gino Vannelli」、第2変奏は「Modern Brahms」、第4変奏は「Modern boogie」、第6変奏は「Swing」、第7変奏は「Thelonius Monk +Oscar Peterson」、第9変奏は「Bill Evans」、第10変奏は「Oscar Peterson」をイメージしているそうである。これらは作曲家自身による説明だが、楽譜には記されていない

==(筆者コメント)====================================

超絶技巧である上に、拍子リズムの表現も非常に難易度の高い作品だが、ローゼンブラット魅力満載である。ローゼンブラット自身のこの曲の生演奏間近見学したことがあるが、大変ユニークな弾きっぷりで、まるでピアノ漫才をしているようだった。そしてベース鳴らし方が絶妙だったのが強く印象残っている。


ブラームス:パガニーニの主題による変奏曲

英語表記/番号出版情報
ブラームス:パガニーニの主題による変奏曲Variationen über ein Thema von Paganini Op.35作曲年: 1862-1863年  出版年1866年  初版出版地/出版社: Rieter-Biedermann 

作品概要

楽章・曲名 演奏時間 譜例
1 第1部14曲) Book 11330秒 No Image
2 第2部14曲) Book 21100 No Image

作品解説

2007年7月 執筆者: 和田 真由子

1862年ブラームスは生活の本拠ウィーン移した。彼は、ここで出会ったピアニストカール・タウジヒ(1841~1871)の技巧に、完全に魅了された。彼はブラームス正反対と言えるくらいに性格違っていたが、二人はすぐに意気投合し一緒に演奏議論楽しんだ
ブラームスシューマン作品3と作品10リストの〈パガニーニの主題による練習曲〉の先例をみるにつけ、自分そういう練習曲つくってみようとも考えていた。そこに、このタウジヒが、パガニーニの主題による華やかな変奏曲かかないか、とブラームス提案したことが、作曲の動機となった
この作品35変奏曲は、各14変奏からなる2冊のものとなっており、合計28変奏がある。各変奏ごとに演奏技巧上の問題つぎつぎと提示しており、技巧的に至難ともいえる練習曲である。ブラームスは、この曲に、「精巧な指のためのピアノ練習曲」と記した主題は2冊ともパガニーニ無伴奏ヴァイオリンのためのカプリス第24番イ短調からとられている。
リスト弟子ローゼンタールがこの曲を演奏するようになったとき、リストは、「このブラームスの曲は、自分よりよいと言った。しかし、さらにつづけて、「だが自分のはこれよりも10年以上も前につくられているのだ」と付け加えることも忘れなかった。
また、ローゼンタールが、これら28曲は続けて演奏されるべきものかどうかブラームスに問うたところ、ブラームスは「第一冊のあと休みをとればよい。しかしそれでも聴衆満足してないようであれば次の第二冊に移ればよい」と冗談言ったということである。
初演は、チューリヒ1865年11月ブラームス自身によって行われまた、1867年3月ベルリンタウジヒ演奏行ったまた、作品は、ブラームス弟子、エリーザベト・シュトックハウゼンに献呈されている。


パガニーニの主題による変奏曲

英語表記/番号出版情報
ルトスワフスキ:パガニーニの主題による変奏曲Wariacje na temat Paganiniego作曲年1941年 
チェルニーツェルニー):パガニーニの主題による変奏曲Variations sur un thème de Paganini Op.273
ベルコヴィッチ(ベルコヴィチ):パガニーニの主題による変奏曲Variations on a theme of Paganini

パガニーニの主題による変奏曲

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/26 05:17 UTC 版)

パガニーニの主題による変奏曲(パガニーニのしゅだいによるへんそうきょく)は、ニコロ・パガニーニの『24の奇想曲』の主に第24番の旋律を主題とする変奏曲。多くの作品がある。




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