ハザードランプの用法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 09:33 UTC 版)
全般的にハザードランプは日本では夜間や高速道路上の駐停車時を除き、法定外の用法が多い一方で、使用を明確に禁止されている(違反行為に該当する)訳ではない場合も多い。 後退時商業施設の駐車場等で、目標の駐車枠を一旦通過してからバックで入庫したい場合等、予めハザードランプを点滅させることで、後続車に対して「車庫入れの体勢に入るので接近しないように」という意志を伝える意味で使われる。 低速車の警告表示車両の故障や他車による牽引、あるいは荒天などの理由により制限速度を大幅に下回る速度で走行する場合や、道路維持作業車や除雪車などが低速走行する場合に、周囲の車両に注意を促す意味でハザードランプを点滅させる用法である。非常事態告知に準ずる用法としてアメリカのSAEスタンダードでは推奨されている。高速道路等危険な場合には後部霧灯があれば代用または併用できる。なお、日本の徐行の合図としては制動灯の点灯が法定となっている。 渋滞最後尾警告高速道路などの渋滞最後尾についた場合などに、後続車が追突しないよう注意を促すためにハザードランプを点滅させる用法がある。本用法も危険状態を周囲に通知するという意味で使用される。JAFは会員向け機関誌「JAFMATE」でこの使用法について触れており、欧州などでもこの使用法が見られる。また、ネクスコ3社では「前方の渋滞を見つけたらハザードを焚きましょう」という広報物を出し、本用法を推奨している。日本では法定外の用法である。 駐停車時(夜間および高速道路上を除く)路上に駐停車する際に、夜間や緊急時でない場合にもハザードランプを点滅させる用法である。左側が他の路上駐車車両などにより物陰になる場合には右方向指示器と区別がつかず、発進の合図と混同させるので好ましくないという意見もある。一方ヤマト運輸では、駐停車時にハザードランプを点けるよう運転手に指導している。日本では法定外用法である。 また、日本やアメリカにおいて、通学通園バス(スクールバス)は、児童、生徒または幼児の乗降のため停車しているときにハザードランプを点滅させることが法令で義務付けられている。特にアメリカでは、児童などの飛び出し事故防止のため、ハザードランプを点滅させて停車しているスクールバスの側方を一般車は通過してはならず、スクールバスが発車するまで待たなければならないことが定められている。日本の場合は、その側方を通過する際に徐行または一時停止して安全を確認することが定められているに留まるが、横断歩道直前車両側方通過時と同様に、一時停止が強く推奨される。 駐停車時(夜間および高速道路上)一般道路においては、夜間に車道の両側幅員が5.5 m以上(おおむね2車線以上の道路)に自動車が駐停車するときは、ハザードランプを点滅させるか、尾灯か車幅灯を点灯させることが法令で義務付けられている。 高速道路(高速自動車国道・自動車専用道路)においては、本線車道、加速車線、減速車線、登坂車線およびこれらの側で故障等のため、やむを得ず駐停車することになった場合には、昼夜を問わず、適宜、発炎筒を使用した上で、おおむね100 m以上後方に予告として昼夜兼用の停止表示器材を置くとともに、ハザードランプを点灯させることが強く推奨される。 濃霧走行時濃霧の中を走行する際に、前照灯等の使用と合わせてハザードランプも点滅させて周囲に自車の位置を知らせる意味で使われている例もある。日本では法定外用法。 高速道路等危険な場合には後部霧灯があれば併用が望ましい(後部霧灯の本来的な用法)。 サンキューハザード(ありがとうハザード)合流や車線変更時に進路を譲られた際、相手の運転手に感謝を表現する目的でハザードランプを2、3回点滅させる用例がある。しかし、本来の使用法とは異なる上、地域や状況によって意味合いが異なる場合があることから、会釈や手であいさつをすることを推奨する見解もある。日本では法定外用法。
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