ハザード比と生存率
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/23 11:13 UTC 版)
ハザード比は、しばしば死亡確率の比として扱われれる。たとえば、ハザード比が2であれば、ある所属群が対照群よりも死亡する確率が2倍であることを意味すると考えられる。Coxモデルでは、これは所属群の生存関数の間に次のような関係があることを示すことができる。 S 1 ( t ) = S 0 ( t ) r {\displaystyle S_{1}(t)=S_{0}(t)^{r}} (ここで r はハザード比)。したがって、ハザード比が2の場合、 S 0 ( t ) = 0.2 {\displaystyle S_{0}(t)=0.2} (時間 t で20%が生存している)であれば、 S 1 ( t ) = 0.2 2 = 0.04 {\displaystyle S_{1}(t)=0.2^{2}=0.04} (時間 t で4%が生存している)となる。これに対応する死亡確率は0.8と0.96である。ハザード比は、効果の相対的な尺度であり、絶対的なリスクについては何も教えてくれないことは明らかである[要ページ番号]。 ハザード比は仮説検証を可能にするが、治療効果を解釈するための他の尺度、たとえば治療群と対照群の被験者があるエンドポイントに到達した時間の中央値の比(中央値比)と合わせて考慮すべきである。レースに例えれば、ハザード比は、ハザードが高い所属群の個人が最初にレースの終わりに到達するオッズに相当する。一番になる確率は、一番になる確率を一番でない確率で割ったオッズから導き出すことができる。 HR = P/(1 − P); P = HR/(1 + HR). 前述の例では、ハザード比2は、早期死亡の確率が67%であることに相当する。ハザード比は、どのくらいの期間で死亡するかという情報を伝えるものではない。
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