ハザード比、治療効果、時間ベースのエンドポイント
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/23 11:13 UTC 版)
「ハザード比」の記事における「ハザード比、治療効果、時間ベースのエンドポイント」の解説
治療効果は、ハザード比だけでなく、生存関数に関連する基礎疾患に依存する。ハザード比では事象までの直接的な時間情報が得られないため、研究者はエンドポイント時間の中央値を報告し、対照群の中央値を治療群の中央値で割ってエンドポイント時間の中央値比を計算する必要がある。 エンドポイント中央値比は相対的な速度尺度であるのに対し、ハザード比はそうではない。治療効果とハザード比の関係は、 e β {\displaystyle e^{\beta }} として与えられる。統計的には重要であるが、実際には重要でない効果が、大きなハザード比を生じさせることがある。たとえば、ある集団の1年生存者の数を10,000人に1人から1,000人に1人にする治療法のハザード比は10である。このような治療法がエンドポイント時間比の中央値に大きな影響を与える可能性は低く、おそらく1に近い値になったと考えられる。言い換えると、死亡率は所属群にかかわらずほぼ同じで、臨床的意義(英語版)はない。 対照的に、感染症の50%が1週間後に治癒した治療群(対照群は25%)はハザード比が2となる。もし治療群の全症例と対照群の半数の症例が治癒するのに10週間かかる場合、10週間後のハザード比は2のままだが、エンドポイント時間比の中央値は10となり、臨床的意義(英語版)が生じる。
※この「ハザード比、治療効果、時間ベースのエンドポイント」の解説は、「ハザード比」の解説の一部です。
「ハザード比、治療効果、時間ベースのエンドポイント」を含む「ハザード比」の記事については、「ハザード比」の概要を参照ください。
- ハザード比、治療効果、時間ベースのエンドポイントのページへのリンク