ナシ20形
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 02:50 UTC 版)
1958年(昭和33年)から1970年(昭和45年)にかけて1 - 29・51 - 57の36両が製造された食堂車。基本構造はオシ17形に準ずるが、厨房は完全電化され、冷蔵庫や電気レンジが設置されるなど、近代化された。食堂部分は通路を挟んで4人掛けの片持ち式テーブルを10セット設置したため定員は40名である。食堂の内装デザインが製造メーカーで全く異なることも特徴である。 食堂満席時に待合室となる喫煙室は深夜の営業終了時に座布団と背ズリを引き出し従業員用寝台になる構造が採用された。当初車端部には、将来の列車電話の使用開始を見越し、準備工事を施工した電話室が設置されていた。 ナシ20形製造メーカー別内装デザイン相違部位・担当者日本車輌日立製作所照明中央・窓側にカバー付蛍光灯 間接照明・ダウンライト 冷房吹出口連続タイプ 円形タイプ 食堂・厨房仕切キノコ形貫通路類似形状 円弧 担当者髙島屋装飾部所属インテリアデザイナー 同社家電品設計を依頼されていたフリー工業デザイン事務所「KAK」 また増備中には以下の設計変更が行われた。 ナシ20形製造年次別設計変更点年次変更点該当車番日車日立1963喫煙室側入口ドアをアクリル製に変更 5 - 16 56・57 1968厨房部業務用扉を内開戸から電車と同様の外吊り式に変更食堂テーブルをサシ581形同様の跳ね上げ式化、ならび椅子をFRP化蛍光灯を中央部のみ設置に減少電話室を折りたたみ式テーブルを設置した車販準備室化車販準備室該当部分の窓を廃止 17 - 29 - 1978年(昭和53年)の「あさかぜ」編成置換えにより定期列車での運用が終了。24系などの増備により1980年(昭和55年)前後には全車が休車となった。しかし財政管理の都合上、分割民営化直前まで車籍を有していた車両もあり、1987年(昭和62年)に全車廃車となり、形式消滅した。
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