チョレイ

実用日本語表現辞典

チョレイ

「チョレイ」とは、キノコの名称・卓球の試合で選手が発する掛け声・甘っちょろい・のろまを意味する表現である。

「チョレイ」とは・「チョレイ」の意味

「チョレイ」とは、キノコの名称、または卓球の試合で選手が発する掛け声を意味する言葉だ。

「チョレイ」は、どこの言葉か疑問を抱くケースも多い。「チョレイ」という言葉は韓国語を思わせるが、韓国語で「チョレイ」という言葉はない。「チョレイ」と似た発音の韓国語は、条例という意味の「チョレ」、ちぎり野菜という意味の「チョレギ」などがある。また、「チョレイ」は日本語で簡単という意味がある若者言葉「ちょろい」と似ている。しかし、「チョレイ」という言葉との関連性はない。

「チョレイ」とは、中国語で猪の糞という意味があるキノコの名称だ。正式名称は「チョレイマイタケ」で、猪の糞に形状が似ていることが名称の由来である。チョレイマイタケは中国に分布している食用キノコだが、一般的には漢方で使われる生薬「猪苓（ちょれい）」として使われることが多い。漢方では利尿剤としての効能があり、近年は高い制癌作用が発見された。

「チョレイ」は、担子菌類・サルノコシカケ目サルノコシカケ科に属する。分布地は、中国・北アメリカ・ヨーロッパ、日本では東北・北陸・北海道だ。東北の一部では「オニノカナクソ」「チョレイナバ」「ハギホド」「マツマイタケ」という名称で呼ばれることもある。

「チョレイ」は、生姜のような塊状のキノコである。表面の色は黒褐色で、肉部分は黄淡色～白色だ。直径約5cm～10cmで、傘は直径2cm～3cm。ハンノキやナラ、ブナの木の根元に菌核が寄生して発生する。

「チョレイ」は卓球選手・張本智和が試合中に叫ぶ掛け声でもある。張本智和選手は両親共に中国人で、2014年に父親と妹が日本国籍を取得して日本に帰化した。張本智和選手が発する「チョレイ」という掛け声は、うるさい・うざい・気持ち悪いと批判されたこともある。

しかし、日本の福原愛選手も試合中に「サー」という掛け声を発しているように、自らを鼓舞する、または自分に対する煽りの意味があるので、掛け声は試合中に必要なものでもあるのだ。

卓球というスポーツは、他の球技と比較して球が非常に軽く、試合時には瞬発力、集中力、強靭な精神力が問われる。そのため、ほんの少し気持ちが動揺しただけでも大きなミスにつながってくるので、得点したときには大きな声を発し神経を解き放つというのが慣例なのだ。ちなみに、得点時の発声は卓球指導におけるカリキュラムの一つでもあり、できるだけ大きな声で叫ぶことが推奨されている。

1992年に開催されたバルセロナオリンピックでは、オーストリアに帰化した選手・ディン イが「サー」という掛け声を発して注目を集めた。また、2014年開催の世界選手権においては、ドイツの選手・オフチャロフが「ヨーレイ」という掛け声を出している。

日本では、元々卓球時の掛け声は、「ヨシ」が定番であった。しかし、2014年頃から日本ジュニア男子の間でも、「ヨーレイ」「ショーレイ」という掛け声が目立つようになってきた。張本智和選手が「チョレイ」という掛け声を出すようになったのは、当時の日本ジュニア男子の影響もあるといわれている。その他には、中国語で非常に快適という意味がある「超安逸（チョウアンイ）」が語源ともいわれている。

ちなみに、「チョレイ」はあくまで自分に対する掛け声であり、相手選手を威嚇するために発した場合は違反行為である。具体的には、「相手に不当な影響を与える行為」という禁止 理由に該当する。そのため、卓球選手は叫び声を発する際に相手選手を見ないのだ。

「チョレイ」は福井の方言で、大したことはない・甘っちょろいという意味がある。静岡県の方言では、愚鈍・のろま・間抜けという意味もある。

（2023年2月1日更新）

デジタル大辞泉

ちょ‐れい【^×猪^×苓】

読み方：ちょれい

サルノコシカケ科のキノコのチョレイマイタケが地中につくる菌核。漢方で利尿・解熱・止渇薬などに用いる。

難読語辞典

楮苓

読み方：チョレイ（ｃｈｏｒｅｉ）

サルノコシカケ科の担子菌類、薬用植物

植物名辞典

楮苓

読み方：チョレイ（ｃｈｏｒｅｉ）

チョレイマイタケの別称。
サルノコシカケ科の担子菌類、薬用植物

猪苓

読み方：チョレイ（ｃｈｏｒｅｉ）

チョレイマイタケの別称。
サルノコシカケ科の担子菌類、薬用植物

ウィキペディア

チョレイマイタケ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』 (2022/05/31 07:40 UTC 版)

チョレイマイタケ(猪苓舞茸、学名:Polyporus umbellatus)とは担子菌門サルノコシカケ科のきのこの一種。