ダーク・シャドウ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/07/11 14:16 UTC 版)
ダーク・シャドウ | |
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Dark Shadows | |
監督 | ティム・バートン |
脚本 | セス・グレアム=スミス |
原案 | ジョン・オーガスト セス・グレアム=スミス |
原作 | オリジナル脚本 ダン・カーティス |
製作 | ティム・バートン グレアム・キング クリスティ・デンブロウスキー ジョニー・デップ デヴィッド・ケネディ リチャード・D・ザナック |
製作総指揮 | ナイジェル・ゴストゥロウ クリス・レベンゾン |
出演者 | ジョニー・デップ ミシェル・ファイファー ヘレナ・ボナム=カーター エヴァ・グリーン ジャッキー・アール・ヘイリー ジョニー・リー・ミラー クロエ・グレース・モレッツ ベラ・ヒースコート ガリー・マクグラス |
音楽 | ダニー・エルフマン |
撮影 | ブリュノ・デルボネル |
編集 | クリス・レベンゾン |
製作会社 | ワーナー・ブラザース ヴィレッジ・ロードショー・ピクチャーズ GKフィルムズ インフィニタム・ニヒル ザ・ザナック・カンパニー |
配給 | ワーナー・ブラザース |
公開 | ![]() ![]() |
上映時間 | 114分 |
製作国 | ![]() |
言語 | 英語 |
製作費 | $150,000,000 |
興行収入 | ![]() ![]() |
『ダーク・シャドウ』(原題: Dark Shadows)は、1966年から1971年に放送されたゴシック・ソープオペラ『Dark Shadows』を原作としたスーパーナチュラル・ドラマ映画。監督はティム・バートンで、主演のヴァンパイアのバーナバス・コリンズはジョニー・デップが演じる。北米公開は2012年5月11日であり[3]、通常版とIMAX版が上映された[4]。PG12指定。
あらすじ
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この節にあるあらすじは作品内容に比して不十分です。
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1760年、ジョシュア・コリンズとナオミ・コリンズは幼い息子バーナバスと共に新たな生活を始めるために商機を求め、アメリカに向けてイギリスのリバプールを出航した。20年後、バーナバスはメイン州コリンズポートの町で当時のアメリカでは珍しかった、イギリス仕込みの水産業をして儲け、コリンウッド荘園の所有者となっていた。裕福でプレイボーイな彼は、使用人のアンジェリークを振ったことで恨まれてしまい、その憎しみで黒魔術を覚えた彼女に呪いで両親を殺され、恋人も自殺に見せかけて、やもめ岬の断崖から落され、自身はヴァンパイアにされ、生き埋めにされてしまう。それから2世紀後の1972年、コリンズ家の女主人エリザベスは一家が抱える問題に対処するため、住み込みの精神科医ジュリア・ホフマン博士を呼び入れる。ここには他に、エリザベスの弟ロジャー、エリザベスの娘キャロリン、そしてロジャーの息子デヴィッドがいた。家族の不可思議な謎は血縁関係にない者たち、世話人のウィリーや、暗い過去を持つ家庭教師ヴィクトリア(ヴィッキー)にも降りかかる。バーナバスは偶然、工事現場にいた人間たちに掘り起こされ、棺から脱出するが、かつての自分の土地は荒れ果て、子孫たちも落ちぶれていた。バーナバスは亡父の「唯一の財産は家族だ」という言葉を胸にコリンズ家の復興を目指す。
登場人物
- バーナバス・コリンズ
- 元は人間だったが、どうしようもない成金のプレイボーイであったことから遊びでアンジェリークを弄んだことで彼女に恨まれ、呪いでヴァンパイアに変えられる[5][注 1]。20世紀の世に目覚めた18世紀[注 2]のヴァンパイア[注 3]。自身の代で企業で成功したにもかかわらず、現代になり落ちぶれてしまった子孫を立て直すために、催眠術などを使って奮闘する。自らの呪いを解き、再び人間の身体を手に入れることを願っている。子孫からは先祖の中で一番立派だったと言われていた。20世紀ではヴァンパイアとしての自覚から尊大な態度をとることもあり(18世紀では良くも悪くも普通の言い方だった)、またヴァンパイアとして血を求めて人を殺すようにもなってしまい、日光を浴びると弱体化する羽目にもなってしまった。父の事は純粋に尊敬しており、父の一言である「家族こそが何よりの財産」という言葉が、コリンズ家復興を志した理由の一つである。
- アンジェリーク・ブシャール
- バーナバスとは幼いころからの付き合い。小さい頃にバーナバスと別れたが、成人してから再会して男女の関係になる。しかし、彼からは真剣に愛されておらず、ジョゼットとの真剣な愛を見た憎しみから黒魔術を覚え、彼の両親を事故死に見せかけて殺害、バーナバスが一番に愛していたジョゼットも自殺に見せかけて殺害する。とどめに彼をヴァンパイアに変え、地中に生き埋めにしたが、それだけでも飽き足らず、2世紀にもわたってコリンズ家を苦しめる。周囲には素性を隠したり、変えたりなどをして誤魔化しており、現在では市民から「アンジー」と慕われている名士として過ごしている。自分の会社の従業員が死んでもなんとも思わない酷薄な性格。最後はデヴィッドの守護霊となっていたローラにより吹き飛ばされ、弱体化し自分の心臓をバーナバスに渡そうとしたが、砕け散ってしまい死亡した。
- ヴィクトリア・ウィンターズ
- コリンズ家にやってきた新任の家庭教師(ガヴァネス)。本名は「マギー・エヴァンス」で愛称はヴィッキー。見えないものが見えることから両親に捨てられるという痛ましい過去を持つ。捕らわれてしまったが、脱出をして、列車で見つけた広告を機に名前を変えて町にやってきた。ジョゼットに似ていることから、バーバナスから目をかけられている。相手を立てることができる優しい性格。最後はジョゼットと同様に身投げするが、バーナバスに噛まれたことでヴァンパイアとして蘇る。
- エリザベス・コリンズ・ストッダード
- コリンズ家の女家長。当初はバーナバスを信じなかったが、彼がバーナバス・コリンズのことを真に迫って語り、自分でさえも知らなった隠し部屋の存在を見せたことから、正体を認め、コリンズ家の落ちぶれてしまった家を建て直すために、バーナバスと手を組む。射撃の腕前は高く、バーナバスが延長線上に前にいたのにもかかわらず、かすりもせずに奥にいたアンジェリークに当てる芸当を見せた(ただし、アンジェリークには効いていなかった)。
- キャロリン・ストッダード
- エリザベスの娘。15歳の反抗期。家族がデヴィッドにばかり目をかけているのが気に入らず、バーナバスに対しても奇人扱いする。実は赤ん坊の頃に、アンジェリークにより狼にかまれて、狼人間となっていた。
- デヴィッド・コリンズ
- エリザベスの10歳の甥(弟の息子)。5歳の頃に母親が溺死してしまったが、その死を受け入れられず「母が見える」と情緒不安定にあり、家族から精神的におかしいと思われているが、それでも目をかけてもらっており、キャロリンからも嫉妬されている。実は母親はアンジェリークの呪いにより殺害されていた。本当に母親が「霊として」見えており、全くの正気の持ち主であった。
- ジュリア・ホフマン博士
- エリザベスに雇われた住み込みの精神科医だが、自身もアルコール中毒という病気を持っており、二日酔いで眠っていることも少なくないとのこと。年老いていくことに恐怖心を抱いている。催眠術には天賦の才があり、バーナバスにも通用し、そして彼の正体を知ることが出来た。そして彼を救うという名目で実験に協力をしていたが実は、彼の血を使って永遠の若さを手に入れることを目論んでおり、それを見抜いたバーナバスの怒りにより噛みつかれて殺害される。死体は重しをつけて海の中に沈めたが、ラストで目を開き、ヴァンパイアとして目覚めたことが示唆される。
- ロジャー・コリンズ
- エリザベスの弟で、デヴィッドの父。粗野な性格のろくでなしで、デヴィッドに対しても愛情を抱いていない。
- ウィリー・ルーミス
- コリンズ家の使用人。酒に溺れて、ろくに仕事もしていなかったが、バーナバスの催眠術によって、彼の忠実な従者となり、職務にもやる気を出すようになる。
- ミセス・ジョンソン
- コリンズ家の老メイド。すっかり年を取ってしまい、今では大した仕事もできない。
- ジョシュア・コリンズ
- バーナバスの父。「家族が一番の財産」と考え、町を発展させた偉大な人物だったが、アンジェリークに自分を振ったバーナバスを苦しませる理由から妻とともに事故死に見せかけて殺害される。
- サイラス・クラーニー
- コリンズポートの漁師たちのボス。
- ジョゼット・デュプレ
- バーナバスが心から愛した唯一の女性。それゆえにアンジェリークによって呪いをかけられ殺害される。
キャスト
役名 | 俳優 | 日本語吹替 |
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バーナバス・コリンズ | ジョニー・デップ | 平田広明 |
アンジェリーク・ブシャール | エヴァ・グリーン | 深見梨加 |
ヴィクトリア・ウィンターズ | ベラ・ヒースコート | 本名陽子 |
ジョゼット・デュプレ | ||
エリザベス・コリンズ・ストッダード | ミシェル・ファイファー | 高島雅羅 |
キャロリン・ストッダード | クロエ・グレース・モレッツ | 白石涼子 |
デヴィッド・コリンズ | ガリヴァー・マグラス | 矢島晶子 |
ジュリア・ホフマン博士 | ヘレナ・ボナム=カーター | 高乃麗 |
ロジャー・コリンズ | ジョニー・リー・ミラー | 清水明彦 |
ウィリー・ルーミス | ジャッキー・アール・ヘイリー | 佐々木睦 |
ミセス・ジョンソン | レイ・シャーリー | 台詞なし |
ジョシュア・コリンズ | イヴァン・ケイ | 楠見尚己 |
サイラス・クラーニー | クリストファー・リー | 家弓家正 |
アリス・クーパー | 原語流用 |
2011年のコミコン・インターナショナルにて、オリジナルシリーズの俳優4名の出演が確認された。2011年6月、ジョナサン・フリッド、ララ・パーカー、デヴィッド・セルビー、キャスリン・リー・スコットがカメオ出演のためにパインウッド・スタジオズで3日間過ごした[6][7]。
製作
『ダーク・シャドウ』はティム・バートンが監督し、セス・グレアム=スミスが脚本を執筆した。2007年7月、ワーナー・ブラザースはゴシック・ソープオペラ『Dark Shadows』の映画化権を、ダン・カーティスの財産から購入した[8]。プロジェクトの開発は2007年-2008年全米脚本家組合ストライキの影響により遅れた。ストライキの解決後、ティム・バートンが監督に着任した[9]。2009年、ジョン・オーガストが脚本を執筆した[10]。2010年、オーガストに代わって小説家でもあるセス・グレアム=スミスが再度脚本を執筆した[11]。撮影は2011年5月に始まった。イングランドのパインウッド・スタジオズ内とロケ撮影の両方が行われた[12]。
撮影監督はブリュノ・デルボネル、プロダクション・デザイナーはリック・ハインリクス、衣裳デザイナーはコリーン・アトウッド、編集技師はクリス・レベンゾン、作曲はダニー・エルフマンが務める[12]。
評価
レビュー・アグリゲーターのRotten Tomatoesでは261件のレビューで支持率は35%、平均点は5.30/10となった[13]。Metacriticでは42件のレビューを基に加重平均値が55/100となった[14]。
ソフト化
日本ではワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメントよりブルーレイ、DVDが発売。
- 【初回限定生産】ダーク・シャドウ ブルーレイ&DVDセット プレミアム・エディション(3枚組、2012年10月3日発売)
- 【初回限定生産】ダーク・シャドウ ブルーレイ&DVDセット(2枚組、2012年10月3日発売)
- ダーク・シャドウ ブルーレイ(1枚組、2013年3月20日発売)
- ダーク・シャドウ DVD(1枚組、2013年3月20日発売)
地上波放送
脚注
注釈
出典
- ^ “Dark Shadows (2012)” (英語). Box Office Mojo. 2013年4月13日閲覧。
- ^ 2012年興行収入10億円以上番組 (PDF) - 日本映画製作者連盟
- ^ “Dates Set for Dark Shadows, Journey 2 and Rivals”. ComingSoon.net. (2011年5月13日)
- ^ “News on BATMAN 3, SUPERMAN, DARK SHADOWS, and THE HOBBIT (December 2012!) – IMAX and Warner Bros. Sign Up to 20 Picture Deal!”. Steve 'Frosty' Weintraub. (2010年4月28日)
- ^ 夏りょうこ (2020年9月28日). “ダークでマニアックな不思議の世界にどっぷりハマる!ティム・バートン監督のおすすめ映画18本”. FILMAGA. 株式会社つみき. 2021年7月7日閲覧。
- ^ “Alice Cooper Confirms Dark Shadows Cameo”. Dark Shadows News Page. (2011年7月3日)
- ^ “San Diego Comic-Con 2011: Dark Shadows Panel Highlights; Original Cast Cameos Confirmed for Tim Burton's Dark Shadows Film”. Dread Central. (2011年7月23日)
- ^ Fleming, Michael (2007年7月26日). “Depp lights up 'Dark Shadows'”. Variety
- ^ Kroll, Justin (2011年2月2日). “'Dark Shadows' ready for the light”. Variety
- ^ Siegel, Tatiana (2009年1月21日). “John August to pen 'Preacher' film”. Variety
- ^ McNary, Dave (2010年7月15日). “WB moves on Depp's 'Shadow'”. Variety
- ^ a b “Filming Begins on Tim Burton's Dark Shadows”. ComingSoon.net. (2011年5月18日)
- ^ “Dark Shadows”. Rotten Tomatoes. Fandango Media. 2022年6月13日閲覧。
- ^ “Dark Shadows Reviews”. Metacritic. CBS Interactive. 2022年6月13日閲覧。
- ^ “金曜ロードSHOW!で『ダーク・シャドウ』地上波初放送!ジョニー・デップ×ティム・バートン”. cinemacafe.net (イード). (2014年6月6日) 2023年7月11日閲覧。
- ^ “金ロー『バトルシップ』の放送が別作品に変更”. シネマトゥデイ (シネマトゥデイ). (2017年6月19日) 2021年7月7日閲覧。
関連項目
『Dark Shadows』を原作とした映画作品は他に以下2本が存在する。
- 血の唇 (1970)
- Night of Dark Shadows (1971)
外部リンク
- 公式サイト(日本版)
- ダーク・シャドウ - allcinema
- ダーク・シャドウ - KINENOTE
- Dark Shadows - オールムービー(英語)
- Dark Shadows - IMDb(英語)
ダークシャドウ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/09/21 07:27 UTC 版)
ダークシャドウ | |||||||||
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欧字表記 | Dark Shadow | ||||||||
香港表記 | 夜之影 | ||||||||
品種 | サラブレッド | ||||||||
性別 | 牡 | ||||||||
毛色 | 栗毛 | ||||||||
生誕 | 2007年2月17日(17歳) | ||||||||
登録日 | 2009年6月25日 | ||||||||
抹消日 | 2015年4月29日[1] | ||||||||
父 | ダンスインザダーク | ||||||||
母 | マチカネハツシマダ | ||||||||
母の父 | Private Account | ||||||||
生国 | ![]() |
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生産者 | 社台ファーム | ||||||||
馬主 | 飯塚知一 | ||||||||
調教師 | 堀宣行(美浦) | ||||||||
厩務員 | 斉藤裕[2] | ||||||||
競走成績 | |||||||||
生涯成績 | 27戦5勝 (中央)26戦5勝 (UAE)1戦0勝 |
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獲得賞金 | 3億7526万7000円 | ||||||||
WTR | 121I / 2011年[3] 121L / 2012年[4] |
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ダークシャドウ(英: Dark Shadow、香:夜之影)とは日本の競走馬である。主な勝ち鞍は2011年のエプソムカップ、毎日王冠。
経歴
デビュー前
2007年7月、「マチカネハツシマダの2007」の名でセレクトセールに出され、2500万円(消費税別)で取引される[5]。競走馬名は父・ダンスインザダークの名前から連想した“暗い”に馬主の飯塚知一が使用する冠名“シャドウ”を組み合わせて付けられた。
2010年(3歳)
体質の弱さから[6]春のクラシックシーズンに間に合わず、2010年4月24日の東京競馬場、芝2000メートルの3歳未勝利戦がデビュー戦となった。スタートで4馬身出遅れた[7]が、上がり3ハロン33秒5を記録して差しきり勝利を収め[7][8]、続く5月末の3歳500万円以下も差しきって[9]2連勝とした。その後も間隔を開けてレースを使われた[6]が、約3か月後の8月に臨んだ札幌競馬場の支笏湖特別では単勝1番人気に推されるもスタートで出遅れ[10]、気性の若さも出して[11]4着[10][11]。続く中山競馬場のセントライト記念でも5着に敗れ[12]、クラシック最終戦となる菊花賞への出走はならなかった。
2011年(4歳)
1月、京都競馬場の許波多特別にて、短期免許制度を利用して中央競馬に遠征してきていたフランシス・ベリーが初めて騎乗。このときは最後の直線で物見をして2着に敗れた[13]が、2月の東京の調布特別では1番人気に応え、2着に3馬身差を付けて3勝目を挙げる[14]。
4月、阪神競馬場で1600万円以下条件の難波ステークスに出走予定であったが除外され[15]、同じ日に阪神で行われた重賞の大阪杯に格上挑戦した。このときから騎手が福永祐一に替わる。競馬場への輸送に際して東日本大震災の影響を受け体重を大きく減らし[16]、15頭立て8番人気の評価であったが、のちに天皇賞(春)を制することとなるヒルノダムールにハナ差の2着となった[15][17]。その後疲れが出たものの立て直し[6][18]、約2か月後に出走したエプソムカップでは5番手の好位に付け、2着に2馬身2分の1差、1番人気に応えての重賞初勝利となる[18]。
4か月の休養を経て挑んだ毎日王冠では後方3番手の位置取りから進め[19]、最後の直線で馬群をさばくのに手間取りながらも差しきり[19][20]、重賞を連勝するとともに、東京競馬場での成績を5戦5勝とした[20]。
迎えた天皇賞(秋)では2番人気に支持された[21]。馬主の飯塚は福永の騎乗を希望していた[19][20]が、福永がトゥザグローリーに騎乗する先約を優先した[22]ため、秋にふたたび短期免許で来たベリーが騎乗[23]。中団から馬群を割って伸びたがトーセンジョーダンとの叩き合いに敗れ、2分の1馬身差の2着に終わる[21]。
2012年(5歳)
緒戦の京都記念に1番人気で出走、中団追走から直線で懸命に末脚を伸ばすもののトレイルブレイザーの2着。3月31日のドバイデューティーフリーに出走、中団の外めを追走するが直線で伸びきれず9着に敗れた。帰国後8月19日の札幌記念に1番人気で出走、フミノイマージンの2着に敗れた。天皇賞(秋)は直線伸びるも4着に終わる。 続くジャパンカップは後方から猛然と追い上げ4着、有馬記念は中団追走も直線伸びを欠き6着に敗れ、国内で初めて掲示板を外した。
2013年(6歳)
この年は大阪杯から始動。果敢に2・3番手でレースを進めたが、直線伸びを欠きオルフェーヴルの5着に敗れた。 次走は自身初のマイル戦、安田記念に5番人気で出走したが、同じく別路線から参戦してきたロードカナロアらに差し切られ6着。 秋初戦の毎日王冠は末脚切れるも、前も止まらず5着、次走に天皇賞(秋)を予定していたが、調教中に側溝にはまり負傷し回避[24]、マイルチャンピオンシップに矛先を向け出走したが、スライド出走が影響したか直線全く伸びずに16着と大敗した。
2014年(7歳)〜2015年(8歳)
この年の始動戦は中山記念。稍重の馬場も影響したかまたもや11着と二桁着順に大敗。続いて大阪杯で巻き返しを狙うも体調が整わないため回避、エプソムカップにスライド出走した。59kgを背負いながら久々に馬券圏内の3着と好走した。 続いて完全復調を目指し函館記念に出走。またもトップハンデ(58kg)を背負いながら、6月下旬に初来日したばかりの豪州の名手・ナッシュ・ローウィラーを背にラブイズブーシェから3/4馬身差の2着に入った。
秋は毎日王冠から始動。3年ぶりにフランシス・ベリーとコンビを組んだが12着に敗れた。続く天皇賞(秋)でもベリーとのコンビで挑んだが、直線で失速し10着に終わった。
その後も惨敗が続き2015年4月29日付けで競走馬登録を抹消、新潟競馬場にて乗馬となる[25]。2016年に誘導馬デビューを果たした[26]。
競走成績
競走日 | 競馬場 | 競走名 | 格 | 距離(馬場) | 頭 数 |
枠 番 |
馬 番 |
オッズ (人気) |
着順 | タイム (上り3F) |
着差 | 騎手 | 斤量 | 1着馬(2着馬) |
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2010. 4.24 | 東京 | 3歳未勝利 | 芝2000m(稍) | 11 | 6 | 7 | 2.6(1人) | 1着 | 2:04.0(33.5) | -0.2 | 内田博幸 | 56kg | (ゴートゥザミラノ) | |
5.29 | 東京 | 3歳500万下 | 芝2000m(良) | 15 | 3 | 4 | 1.5(1人) | 1着 | 2:01.3(33.9) | -0.2 | 内田博幸 | 56kg | (シルクスチュアート) | |
8.15 | 札幌 | 支笏湖特別 | 1000万下 | 芝2600m(良) | 11 | 3 | 3 | 2.5(1人) | 4着 | 2:40.4(36.3) | 0.8 | D.ホワイト | 54kg | ゴールデンハインド |
9.19 | 中山 | セントライト記念 | GII | 芝2200m(良) | 17 | 6 | 12 | 10.5(6人) | 5着 | 2:11.2(35.0) | 0.3 | 四位洋文 | 56kg | クォークスター |
2011. 1. 8 | 京都 | 許波多特別 | 1000万下 | 芝2200m(良) | 11 | 7 | 9 | 3.1(2人) | 2着 | 2:13.4(34.7) | 0.1 | F.ベリー | 56kg | マイネルゴルト |
2.12 | 東京 | 調布特別 | 1000万下 | 芝2000m(稍) | 14 | 6 | 10 | 2.0(1人) | 1着 | 2:01.8(33.9) | -0.5 | F.ベリー | 56kg | (サイレントメロディ) |
4. 3 | 阪神 | 大阪杯 | GII | 芝2000m(良) | 15 | 7 | 13 | 40.2(8人) | 2着 | 1:57.8(33.9) | 0.0 | 福永祐一 | 57kg | ヒルノダムール |
6.12 | 東京 | エプソムC | GIII | 芝1800m(良) | 18 | 2 | 3 | 2.4(1人) | 1着 | 1:47.3(35.0) | -0.4 | 福永祐一 | 56kg | (エーブチェアマン) |
10. 9 | 東京 | 毎日王冠 | GII | 芝1800m(良) | 11 | 7 | 8 | 2.0(1人) | 1着 | 1:46.7(32.7) | -0.0 | 福永祐一 | 57kg | (リアルインパクト) |
10.30 | 東京 | 天皇賞(秋) | GI | 芝2000m(良) | 18 | 4 | 7 | 5.7(2人) | 2着 | 1:56.2(34.7) | 0.1 | F.ベリー | 58kg | トーセンジョーダン |
2012. 2.12 | 京都 | 京都記念 | GII | 芝2200m(良) | 9 | 1 | 1 | 2.4(1人) | 2着 | 2:12.7(35.1) | 0.3 | 福永祐一 | 57kg | トレイルブレイザー |
3.31 | UAE | ドバイDF | G1 | 芝1800m(Gd) | 15 | - | 7 | 発売なし | 9着 | 計測不可 | 福永祐一 | 57kg | Cityscape | |
8.19 | 札幌 | 札幌記念 | GII | 芝2000m(良) | 14 | 3 | 4 | 1.7(1人) | 2着 | 1:58.8(35.3) | 0.1 | 福永祐一 | 57kg | フミノイマージン |
10.28 | 東京 | 天皇賞(秋) | GI | 芝2000m(良) | 18 | 7 | 13 | 5.3(4人) | 4着 | 1:57.7(33.6) | 0.4 | 福永祐一 | 58kg | エイシンフラッシュ |
11.25 | 東京 | ジャパンC | GI | 芝2400m(良) | 17 | 5 | 10 | 18.6(6人) | 4着 | 2:23.5(32.8) | 0.4 | M.デムーロ | 57kg | ジェンティルドンナ |
12.23 | 中山 | 有馬記念 | GI | 芝2500m(良) | 16 | 5 | 10 | 10.8(4人) | 6着 | 2:32.5(35.9) | 0.6 | R.ムーア | 57kg | ゴールドシップ |
2013. 3.31 | 阪神 | 大阪杯 | GII | 芝2000m(良) | 14 | 3 | 4 | 10.2(3人) | 5着 | 1:59.5(33.9) | 0.5 | 戸崎圭太 | 56kg | オルフェーヴル |
6. 2 | 東京 | 安田記念 | GI | 芝1600m(良) | 18 | 6 | 12 | 7.7(5人) | 6着 | 1:31.9(33.9) | 0.4 | 戸崎圭太 | 58kg | ロードカナロア |
10. 6 | 東京 | 毎日王冠 | GII | 芝1800m(良) | 11 | 1 | 1 | 6.7(3人) | 5着 | 1:47.1(32.8) | 0.4 | 戸崎圭太 | 56kg | エイシンフラッシュ |
11.17 | 京都 | マイルCS | GI | 芝1600m(良) | 18 | 7 | 15 | 19.7(9人) | 16着 | 1:34.0(35.0) | 1.6 | R.ムーア | 57kg | トーセンラー |
2014. 3. 2 | 中山 | 中山記念 | GII | 芝1800m(稍) | 15 | 2 | 3 | 55.8(12人) | 11着 | 1:51.1(36.7) | 1.3 | 内田博幸 | 56kg | ジャスタウェイ |
6.15 | 東京 | エプソムC | GIII | 芝1800m(良) | 17 | 2 | 4 | 17.7(8人) | 3着 | 1:46.4(33.7) | 0.4 | 戸崎圭太 | 59kg | ディサイファ |
7.20 | 函館 | 函館記念 | GIII | 芝2000m(良) | 16 | 5 | 9 | 13.7(8人) | 2着 | 2:00.2(36.3) | 0.1 | N.ローウィラー | 58kg | ラブイズブーシェ |
10.12 | 東京 | 毎日王冠 | GII | 芝1800m(良) | 15 | 7 | 12 | 8.2(4人) | 12着 | 1:45.8(33.9) | 0.6 | F.ベリー | 56kg | エアソミュール |
11. 2 | 東京 | 天皇賞(秋) | GI | 芝2000m(良) | 18 | 3 | 6 | 88.1(12人) | 10着 | 2:00.2(34.4) | 0.5 | F.ベリー | 58kg | スピルバーグ |
12. 6 | 中京 | 金鯱賞 | GII | 芝2000m(良) | 17 | 8 | 17 | 24.4(8人) | 6着 | 1:59.4(34.7) | 0.6 | R.ムーア | 56kg | ラストインパクト |
2015. 1.25 | 中山 | AJCC | GII | 芝2200m(良) | 17 | 1 | 1 | 49.3(9人) | 10着 | 2:14.2(34.5) | 0.6 | F.ベリー | 56kg | クリールカイザー |
血統表
ダークシャドウの血統 | (血統表の出典)[§ 1] | |||
父系 | サンデーサイレンス系 |
[§ 2] | ||
父
ダンスインザダーク 1993 鹿毛 |
父の父
*サンデーサイレンス1986 青鹿毛 |
Halo | Hail to Reason | |
Cosmah | ||||
Wishing Well | Understanding | |||
Mountain Flower | ||||
父の母
*ダンシングキイ1983 鹿毛 |
Nijinsky II | Northern Dancer | ||
Flaming Page | ||||
Key Partner | Key to the Mint | |||
Native Partner | ||||
母
*マチカネハツシマダ 1995 鹿毛 |
Private Account 1976 鹿毛 |
Damascus | Sword Dancer | |
Kerala | ||||
Numbered Account | Buckpasser | |||
Intriguing | ||||
母の母
Yousefia1989 鹿毛 |
Danzig | Northern Dancer | ||
Pas de Nom | ||||
Foreign Courier | Sir Ivor | |||
Courtly Dee | ||||
母系(F-No.) | コートリーディー系(FN:A4) | [§ 3] | ||
5代内の近親交配 | Northern Dancer 4×4=12.50% | [§ 4] | ||
出典 |
- 半兄に中央競馬で5勝を挙げオープン馬となったユノナゲット(父:フォーティナイナー)、シリウスステークス3着のチョイワルグランパ(父:マンハッタンカフェ)がいる[30]。いずれもダートに実績が偏っていた。また、半弟に絆カップ・北上川大賞典勝ち馬のナリタポセイドン(父:ハーツクライ)がいる[31]。
- 近親には以下の競走馬がいる。
参考文献
脚注
- ^ “ダークシャドウ引退、新潟競馬場で乗馬に”. ラジオNIKKEI. 2022年6月19日閲覧。
- ^ “【マイルCS】(15)ダークシャドウ外傷の影響なし”. スポーツニッポン. 2022年6月19日閲覧。
- ^ “2011 World Thoroughbred Rankings” (PDF). 日本中央競馬会. 2013年5月3日閲覧。
- ^ “2012 World Thoroughbred Rankings” (PDF). 日本中央競馬会. 2013年5月3日閲覧。
- ^ “セレクトセール2007 セール結果 [上場No順全取引結果]”. 日本競走馬協会. 2011年11月3日閲覧。 “338 マチカネハツシマダの2007”
- ^ a b c “【エプソムC】ダークシャドウ鋭伸!一頓挫も「態勢整った」”. スポーツニッポン (2011年6月10日). 2011年11月3日閲覧。
- ^ a b 和田美保 (2011年10月30日). “最後の大物ダークがブエナ超える/天皇賞”. 日刊スポーツ. 2011年11月3日閲覧。
- ^ “次走狙い馬 ダークシャドウ(2010/04/24東京6R・3歳未勝利・1着)”. コラム. 馬三郎 (2010年4月27日). 2011年11月3日閲覧。
- ^ “次走狙い馬 ダークシャドウ(2010/05/29東京7R・3歳500万下・1着)”. コラム. 馬三郎 (2010年6月1日). 2011年11月3日閲覧。
- ^ a b “「減った体も戻った」素質馬ダークシャドウ/エプソムC”. 週刊Gallop (2011年6月11日). 2011年11月3日閲覧。
- ^ a b “【支笏湖特別】(札幌)?ゴールデンハインド 逃げ切りV”. ラジオNIKKEI (2010年8月15日). 2011年11月3日閲覧。
- ^ “【セントライト記念(GII)】(中山)?末脚爆発、クォークスターが制す”. ラジオNIKKEI (2010年9月19日). 2011年11月3日閲覧。
- ^ “【許波多特別】(京都)?マイネルゴルトが通算3勝目”. ラジオNIKKEI (2011年1月8日). 2011年11月3日閲覧。
- ^ “【調布特別】(東京)?ダークシャドウが3馬身差の快勝”. ラジオNIKKEI (2011年2月12日). 2011年11月3日閲覧。
- ^ a b “【大阪杯】ダークシャドウ末恐ろし!格上挑戦で2着”. スポーツニッポン (2011年4月4日). 2011年11月3日閲覧。
- ^ “【エプソムC】ダークシャドウ、得意コースだ”. スポーツニッポン (2011年6月8日). 2011年11月3日閲覧。
- ^ “【産経大阪杯】(阪神)?ヒルノダムールが念願の初重賞V”. ラジオNIKKEI (2011年4月3日). 2011年11月3日閲覧。
- ^ a b “【エプソムC】ダークシャドウ圧巻V!秋の主役だ!”. スポーツニッポン (2011年6月13日). 2011年11月3日閲覧。
- ^ a b c “【毎日王冠】ダークシャドウ盾へ“こじ開けた””. スポーツニッポン (2011年10月10日). 2011年11月3日閲覧。
- ^ a b c 森田実 (2011年10月9日). “【毎日王冠】ダークシャドウ重賞連勝!盾制覇へ大きく前進”. 週刊Gallop. 2011年11月3日閲覧。
- ^ a b “【天皇賞・秋】力示したダーク2着”. サンケイスポーツ (2011年10月31日). 2011年11月3日閲覧。
- ^ 田中恵一 (2011年10月13日). “【最新リポート】福永騎手「2度目はキッチリ乗りたい」/秋華賞”. 週刊Gallop. 2011年11月3日閲覧。
- ^ “ダークシャドウはフランシス・ベリー騎手で天皇賞・秋出走”. 週刊Gallop (2011年10月14日). 2011年11月3日閲覧。
- ^ “【天皇賞・秋】ダークシャドウは回避 調教中に内柵越えて外傷”. スポーツニッポン. 2021年11月13日閲覧。
- ^ “ダークシャドウ号が競走馬登録抹消”. 日本中央競馬会 (2015年4月29日). 2015年4月29日閲覧。
- ^ “誘導馬紹介:新潟競馬場”. 日本中央競馬会. 2017年8月4日閲覧。
- ^ a b c “血統情報:5代血統表|ダークシャドウ”. 日本軽種馬協会. 2017年8月4日閲覧。
- ^ “ダークシャドウの血統データ”. 競馬ラボ. Do Innovation. 2017年8月4日閲覧。
- ^ 平出貴昭 著、競馬道OnLine編集部(企画・編集) 編『覚えておきたい 日本の牝系100』スタンダードマガジン〈競馬道OnLine新書〉、2014年、144-145頁。ISBN 978-4-938280-64-2。
- ^ “373 マチカネハツシマダの2011” (PDF). 日本競走馬協会 (2011年). 2011年11月3日閲覧。
- ^ “ナリタポセイドン”. 日本軽種馬協会. 2017年8月4日閲覧。
外部リンク
- 競走馬成績と情報 netkeiba、スポーツナビ、JBISサーチ、Racing Post
- ダーク・シャドウのページへのリンク