スト権容認論からスト突入へとは? わかりやすく解説

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スト権容認論からスト突入へ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 20:26 UTC 版)

スト権スト」の記事における「スト権容認論からスト突入へ」の解説

1974年昭和49年12月内閣総理大臣に就任した三木武夫は「対話協調」を掲げ労働側とも対話する姿勢示した1975年昭和50年)の春闘において、国鉄総裁藤井松太郎は、「組合側の良識ある行動期待」する形で前年度闘争処分を「当分留保する」と発表こうした状況を受け、三木官房長官井出一太郎に「スト処分悪循環断ち切りたい」と述べたという。5月31日国鉄当局留保していた前年以降争議関係者の処分発表国労国鉄動力車労働組合動労)は順法闘争入り、公労協処分撤回スト権確保掲げてスト予定した。これに対して井出官房長官スト権についての政府意向国会社会労働委員会明らかにする発表6月3日国会で長谷川峻労働大臣は、スト権付与求め社会党田辺誠質問答える形で「スト処分悪循環断ち切る方向努力したい公務員制度審議会答申沿って関係閣僚協議会慎重に対処していきたい」「近く専門委員懇談会開かれるので、その席で労使双方腹蔵なく意見述べてもらいたい」と答弁した。実はこの質問答弁は、前日政府社会党・公労協組合の間で調整図って決められいたものであった答弁は「スト権問題前向きに取り組む」というものであったが、労組側は政府側が自らの姿勢賛同示したものと受け取った。この時期政府労働基本権についての意識調査実施している しかし、専門委員懇談会委員多くスト権付与に慎重もしくは反対とみられていた。上記意識調査で、国鉄スト権付与することに反対する意見55 %(賛成22 %、不明23 %)、スト権与えた場合労使関係について「激しくなる」が35 %、「変わらない」が23 %(「安定する」8 %)という結果示されたこともそうした意見後押しした一方三木は「明らかに条件付き付与であった」と委員一人三木ブレーンでもあった加藤寛証言している。その間閣僚協議会事務局長川島は対応に苦慮した川島自身はこの問題労働問題ではなく政治問題見ており、スト権付与には批判的だった川島同じく付与否定的だった自民党副総裁椎名悦三郎の意も受けて懇談会答申を「経営形態議論なしにスト権付与認めるべきではない」とする方向への誘導を図る。「条件付き付与」に賛成していた加藤寛はこの過程で「付与よりも経営形態議論が必要」という意見転じた10月経済学者小宮隆太郎が『週刊東洋経済』に発表した論文公共部門ストライキ」もそれを後押しした加藤は「スト権認めない大変なことになる」と口にした三木に、「それは無理です。今や労働組合は、国家転覆すら考えているのではないか思われる行動をしているのです。このような行動認めると、日本これから再建することができなくなります」と述べたという。 一方、公労協では「山場」とした秋に向けて闘争戦術練られていった9月には回答期限11月末として12月から大規模ストを構えるというスケジュール決定し発表されるこうした情勢の中、国鉄井上邦之副総裁10月9日専門委員懇談会において「スト権与えないなら有効な抑制措置与えるなら行使に当たって規制措置が必要で、国鉄労働条件問題自主的弾力的に解決できる能力を持つことが不可欠」と述べた。これは自民党からの圧力の中で、総裁進退にもつながるスト権への明言避け一方現状改革必要性訴えぎりぎり発言だった。しかし、この発言組合側は反発し総評側の懇談会委員であった岩井章委員辞任してストへの構え見せ各地現場で管理職突き上げる事態になった国鉄労務当局はすでに「労使関係正常化のために条件付き付与」の意向固めており、これらも踏まえて藤井総裁10月21日衆議院予算委員会において、条件つきスト権付与認め考え明らかにした。日本専売公社日本電信電話公社総裁もこれに同調した

※この「スト権容認論からスト突入へ」の解説は、「スト権スト」の解説の一部です。
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