ケルゲレン諸島から南太平洋へ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/02 01:22 UTC 版)
「アトランティス (仮装巡洋艦)」の記事における「ケルゲレン諸島から南太平洋へ」の解説
11月末ごろには「アトランティス」では真水が欠乏してきた。加えてエンジンのオーバーホールも必要であった。そこで、「アトランティス」はケルゲレン諸島へ向かうこととなった。12月14日、ケルゲレン諸島に到着。同地のガゼル湾で「アトランティス」は暗礁に乗り上げ、12月16日に何度かの試みの末に離礁に成功した。座礁による損傷の修理や水の補給、ノルウェー船「タメシス (Tamesis)」への偽装を終えた「アトランティス」は1941年1月10日にケルゲレン諸島を離れた。その間に作業中の転落事故が発生し死者1名が出た。 1月23日、「アトランティス」はブロックバンク社のイギリス貨物船「マンダソール (Mandasor)」(5144トン)とすれ違った。相手が水平線のかなたに消えたところで「アトランティス」反転。ローゲは夜間に拿捕を試みようとしたものの、相手を見失って失敗。そこで朝になって飛行機を飛ばし、相手を発見。飛行機による攻撃でSOSを発進させないように試みたが、結局「マンダソール」は「アトランティス」が接近して命中弾を与えるまで無電を発し続けた。その後、「マンダソール」は爆薬によって沈められた。また、飛行機は着水後に転覆し、失われた。「マンダソール」からの信号を受けて巡洋艦「シドニー」、「キャンベラ」、「リアンダー」、「コロンボ」による捜索が実施されている。 「アトランティス」はペルシャ湾方面へ向かい、1月31日バンクスラインのイギリス貨物船「スペイバンク (Speybank)」(5144トン、または5154トン)を発見。「スペイバンク」は停船し、無傷で拿捕された。「スペイバンク」はマンガン鉱石、チタン鉱石など貴重な物資を積んでいた。拿捕後、「スペイバンク」は会合場所へ向かわされた。 2月1日、客船「Troilus」と遭遇。相手を捕捉できず、また通報されたため「アトランティス」はその場から全速で逃れた。この時、近くには空母「フォーミダブル」や巡洋艦「ホーキンス」がいた。 2月2日(または1日)、ノルウェーのタンカー「ケティ・ボルビク (Ketty Brovig)」(7031トン)を拿捕。「ケティ・ボルビク」は非武装で抵抗もなく無電も発しなかった。「ケティ・ボルビク」は砲撃で損傷した蒸気管の修理後、会合場所へ向かわされた。 この後、「アトランティス」はドイツの補給船「タンネンフェルス (Tannnenfels)」およびイタリア潜水艦「ペルラ」との会合を命じられた。2月8日、「スペイバンク」と合流し、物資の移送を行った。2月10日、「タンネンフェルス」と合流。同船には「ダーミター」に乗り組んでいた者たちが乗っていた。翌日には「ケティ・ボルビク」も合流。各船間で人の移動や物のやり取りが行われた。2月14日、「アドミラル・シェーア (装甲艦)」が合流。「アドミラル・シェーア」には「ケティ・ボルビク」から給油が行われた。また、捕虜を乗せた「タンネンフェルス」はフランスへ向かい、無事に到着している。 「アドミラル・シェーア」と別れた後は「スペイバンク」も使って敵船を捜索したが、発見したのが日本船であったりで戦果はなかった。その後、「アドミラル・シェーア」が拿捕した船である「ブリティッシュ・アドボケイト (British Advocate)」と合流し、同船は補給後フランスへ向かわされた。また、3月21日には「スペイバンク」と合流し、同船もヨーロッパへ向かい、無事にボルドーに到着した。続いてイタリア潜水艦「ペルラ」と合流し、燃料や食料などを補給した。 4月、「アトランティス」は南大西洋へ向かった。生鮮食料品の補給を受けることになっていたロイド社の「ドレスデン」と合流したが、別の船向けだとして「アトランティス」は受け取れなかった。4月17日、「アトランティス」はエジプトの貨客船「ザムザム (ZimzamまたはZamzam)」を沈めた。この船には多数のアメリカ人が乗っており、ローゲは「ルシタニア」撃沈の時のようにならないように努めた。「ザムザム」の乗客はその後「ドレスデン」に移され、同船は無事にフランスに着いた。 「アトランティス」は補給船「アルスターウーファー」から飛行機を含む補給品を受け取り、またオランダ船「ブラスタギ」への偽装を行った。5月4日、「アトランティス」支援のため派遣された船「バビトンガ」と会合。5月14日、ケープタウン・フリータウン間の航路でイギリス船「ラバウル (Rabaul)」(5618トン)を発見。逃走しようとしたため砲撃し沈めた。5月17日から18日の夜にはイギリス戦艦「ネルソン」、空母「イーグル」と遭遇した。また、数日後にはギリシャ船「マスター・エリアス・クルクンディス」を臨検した。 5月24日、グレン社のイギリス貨物船「トラファルガー (Trafalgar)」(4530トン)を発見。「アトランティス」の砲撃で炎上し、魚雷で沈めようとしたが不具合のせいか2発外れ、3発目で沈めることができた。6月17日、イギリス船「トテンハム (Tottenham)」(4640トン)を撃沈。6月22日イギリス船「バルザック (Balzac)」(5372トン)を沈めた。「バルザック」が停止するまでに「アトランティス」は192発を発射したが、命中は4発であった。 7月、仮装巡洋艦「オリオン」と会合し、「オリオン」への燃料補給を行った。
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