カンパニュラの花言葉
カンパニュラの花言葉の由来
(1)教会の鐘に似ていることが由来という説カンパニュラの代表的な花言葉は、「感謝」「誠実」「節操」であるが、それは花の見た目が由来となっている。カンパニュラは花が咲くと、その重みによって頭が下がり、釣鐘状の見た目となる。その見た目を、キリスト教の教会に設置してある鐘に例え、キリスト教の教えに関する「感謝」「誠実」「節操」がカンパニュラの花言葉となった。
キリスト教では、良いことが起こった際には、神に感謝する場合が多い。そして、キリスト教徒は古くから、清貧な生活を送ることが求められてきた。そのためには、贅沢な生活への誘惑に負けず、意思を貫き通す節操が欠かせない。また、キリスト教では、神の教えを信じられる誠実さも必要である。その、キリスト教の教えを表す「感謝」「節操」「誠実」が、キリスト教のシンボルのひとつである鐘に似ている、カンパニュラの花言葉となった。
そして、「誠実」から派生する形の「誠実な愛」という表現も、カンパニュラの花言葉である。「誠実な愛」はそのまま、神に対する誠実な愛が元であり、現代では神に対してだけでなく、人に対しても使用される。また、「誠実な愛」を人に対して表現する場合、意味合いが近い「真剣な恋」が、カンパニュラの花言葉として使用されることもある。
(2)ギリシャ神話が由来となっている説
カンパニュラの名前は、ギリシャ神話に登場するカンパニュールと呼ばれる美しい精霊が元となっている。そして、カンパニュラの代表的な花言葉「感謝」「節操」「誠実」は、そのカンパニュールにまつわる物語が由来となっているという説もある。カンパニュールは、ギリシャの神々が住まうオリンポスの世界で、果樹園の守り人として黄金の林檎を守っていた。そこに1人の兵士がやって来て、黄金の林檎を盗もうとする。それを見たカンパニュールは、銀の鈴を鳴らして周囲に知らせる。しかし、助けが間に合わないまま、カンパニュールは兵士によって命を奪われてしまう。
ギリシャ神話で花を司る女神フローラは、命を落としたカンパニュールを哀れに思い、鈴と似た形をしているカンパニュラの花へと生まれ変わらせたという物語である。その物語から、命を賭して黄金の林檎を守ったカンパニュールに感謝をするという意味合いで、「感謝」がカンパニュラの花言葉となった。また、自身の命も顧みずに、黄金の林檎を守り切るという使命を果たしたカンパニュールにちなんで、「誠実」という花言葉も生まれた。さらに、カンパニュールが黄金の林檎を守るという主義を貫き通したということで、主義を貫くという意味の「節操」も、カンパニュラの花言葉となった。
(3)「節操」から派生した形の「不変」「抱負」「大望」
「節操」はカンパニュラの代表的な花言葉であり、主義や意見を貫き通すという意味がある。その「節操」と似た意味である「不変」も、カンパニュラの花言葉に含まれる。主義や意見を貫くということは、主義や意見がいつまでも変わらないという意味合いで「不変」となる形である。また、「節操」という花言葉は、西洋の花言葉である「constancy」を直訳してあるものだ。そして、「constancy」には「節操」の他に「不変」という意味もある。そのため、「constancy」の花言葉を日本語に訳す際に、「節操」ではなく「不変」となったことも考えられる。
また、カンパニュラには「抱負」や「大望」といった花言葉があるが、これらも「節操」が元になっている可能性が高い。「抱負」と「大望」はいずれも、将来の目標や計画を意味するが、節操がなければその目標や計画は達成し得ない。そうして、カンパニュラの代表的な花言葉「節操」に関係するものということで、「抱負」と「大望」も花言葉に加えられた形だ。
(4)想いを音に例えた形の「想いを告げる」
カンパニュラの花言葉である「想いを告げる」は、カンパニュラの花が鐘や鈴に似ていることが由来だとする説が有力だ。鐘の大きく響く音や、鈴の高く通る音は、遠くまで届きやすい。その音を、意中の相手への想いに例えて、「想いを告げる」がカンパニュラの花言葉となった。相手が鐘や鈴の音を聞いたということが、想いが届いたということの比喩になる形である。
(5)花が寄り添い合っている様子を心に例えた「共感」
カンパニュラにはいくつもの品種があるが、そのほとんどで、ひとつの茎に数多くの花を付ける。中には、花同士が触れ合うくらい距離が近いものもある。そのような距離が近い花を、寄り添い合う心に見立てる形で、カンパニュラの花言葉「共感」が生まれた。そして、カンパニュラの花は、重みで垂れ下がる様子から、謙虚な姿だと例えられることが多い。そのため、「共感」には気持ちの押し付け合いではなく、謙虚に敬い合うという意味合いが含まれる。
カンパニュラの英語の花言葉
カンパニュラの花言葉を英語で表現すると、「thank(感謝)」「constancy(節操、不変)」「sincerity(誠実)」「sincere love(誠実な愛)」「serious love(真剣な恋)」「ambition(大望)」「aspirations(抱負)」「sympathy(共感)」「confess one's love(想いを告げる)」となる。カンパニュラの色別の花言葉の解説
カンパニュラには、定番の紫の他に白やピンクなどの色があるが、その色によって花言葉の意味が変わることはない。カンパニュラの本数別の花言葉の解説
カンパニュラの花言葉は、本数によって意味が変わることはない。カンパニュラの怖い花言葉
カンパニュラには、代表的な花言葉「感謝」「誠実」「節操」と同じギリシャ神話が由来となっている、「後悔」という花言葉もある。兵士に命を奪われてしまった精霊カンパニュールを救うことができなかったという意味合いでの、「後悔」である。「後悔」は基本的に良い意味合いを含まない言葉であるため、使い方次第では怖いことになりかねない。カンパニュラは、精霊カンパニュールに関する物語から、「命を救うことができなかった花」としても知られる。したがって、大切な人が亡くなって間もない相手に贈るのは危険である。特に、大切な人が亡くなったことに関して、生前もっと仲良くしておけばよかった、何か命を救う術があったのではないか、といった後悔の念に苛まれている人に贈ってはいけない。カンパニュラの花言葉である「後悔」によって、相手の心の傷をえぐることになりかねないからだ。
また、カンパニュラには「うるさい」という花言葉がある。これはカンパニュラの花が、鐘や鈴の見た目をしていることが由来である。カンパニュラは、ひとつの茎に無数の花が咲く。もし、その花が本物の鐘や鈴で、一斉に鳴り出したとしたら、非常にうるさい状況になる。そのことを想像する形で、「うるさい」が花言葉になった。また、カンパニュラの花は、いくつもの数が密接している。その様子を、噂話をしている人に例える形で、「おしゃべり」という花言葉も生まれた。
「うるさい」も「おしゃべり」も、基本的には良い意味ではない。もし、いずれかの意味で人に贈った場合、その相手のやかましさや口の軽さなどを指摘する形になってしまう。特に、相手に感謝することがなかったり、相手が誠実でなかったりするなど、他の良い意味を持つ花言葉が当てはまらなければ、「うるさい」と「おしゃべり」の花言葉だけが目立ってしまう。その結果、人間関係のトラブルに発展したり、相手との関係が途絶したりする可能性が高い。おしゃべりな相手であれば、良くない噂を流されるリスクもある。したがって、カンパニュラを贈る相手は選んだ方が良い。
※ 花言葉の内容は諸説あります。
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