カリフォルニアにおけるワルターのステレオ録音とは? わかりやすく解説

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カリフォルニアにおけるワルターのステレオ録音

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/15 01:38 UTC 版)

コロンビア交響楽団」の記事における「カリフォルニアにおけるワルターのステレオ録音」の解説

1957年から開始されブルーノ・ワルターステレオ録音のためのアンサンブルはその性質異にしていた。コロンビア・レコード社の経営陣カリフォルニア州ビバリーヒルズにおいて半ば引退生活送っていたワルター一連のレパートリーステレオによる再録音するように売り込みをかける。コロンビアステレオ録音革命的な新技術であり、過去ワルター行ってきた活動含めこれまでのモノーラル録音市場から完全に駆逐されるであろう、そして同社ワルター芸術をこの最新技術後世に残すべく、特別編成のオーケストラ組織する用意があると説得ワルターはこの提案乗り西海岸フリーランス奏者当時ハリウッド映画全盛期で、ロサンジェルスには映画音楽演奏するための有能なミュージシャン多く集まっていた)でのオケ編成その人選から関与したという。この説得は、フルトヴェングラートスカニーニワルター自身モノラル録音半世紀以上を経てなお多数発売され続けていることからみても半ば誤っていたが、ワルターステレオ録音がかなり後年まで歴史的遺産としてではなく現役のスタンダード・チョイスとして通用していた点では半ば歴史見通していた。 ハリウッド映画音楽ミュージシャンクラシック音楽演奏するための自主的団体グレンデール交響楽団組織していたため、ワルターコロンビア交響楽団実質上はこのグレンデール交響楽団重複する部分多かった。「ワルターコロンビア交響楽団グレンデール交響楽団変名である」といわれることがあるのは、こうした事情よるものである。 グレンデールロサンジェルス郊外小都市グレンデール交響楽団指導者であり音楽監督であったのは、クラシック音楽ポピュラー名曲編曲演奏著名であったカーメン・ドラゴン。グレンデール交響楽団は、レコード会社によってRCAビクター交響楽団ハリウッド・ボウル交響楽団キャピトル交響楽団変名録音する場合多かった一方宇野功芳は、コロンビア交響楽団について「このオーケストラはロスアンジェルス・フィルの楽員中心にハリウッド在住団員五十名足らずで編成されたもので、晩年ワルター録音用に使われ小さオーケストラである。」と、上記とは異なることを述べている。 ちなみにワルター初のステレオ録音は、1957年2月18日ニューヨーク・フィルハーモニックなどとカーネギー・ホールにて録音されマーラー交響曲第2番の第4・5楽章であったが(この録音は、翌年2月に1~3楽章が同じ楽団、場所にて録音されて、同年8月頃ワルター初のステレオ・レコードとして2枚組発売された)、コロンビア交響楽団としてのステレオ録音プロジェクトは、1958年1月ベートーヴェン交響曲全曲録音からスタートした録音に於いてはワルター健康状態鑑み2日続けてレコーディング行わないこと、1日2時間超えないことなどの条件セッションが行われたという。このオーケストラによって、ベートーヴェンおよびブラームス交響曲全集モーツァルト後期交響曲序曲マーラーブルックナーなどの録音残された。 臨時編成オーケストラアンサンブルの点では難があること、特に中後期ロマン派作品では編成小ささネックとなること、また、既に第一線退いていたワルター体力気力衰えていたことなどから、全盛期モノーラル録音演奏評価する評論家等も多いが、それでもワルターの師マーラー交響曲第1番や得意としていたモーツァルトの交響曲ベートーヴェンの交響曲第6番田園」やシューベルト交響曲第8(9)番「ザ・グレート」のように高い評価得ている演奏もある。元がコロンビア首脳陣商業主義発想からとはいえ結果としてワルター貴重な遺産を残すことになったワルターコロンビア交響楽団録音は、1961年3月29日31日行われたモーツァルト歌劇フィガロの結婚序曲歌劇魔笛序曲などの4曲が最後となった

※この「カリフォルニアにおけるワルターのステレオ録音」の解説は、「コロンビア交響楽団」の解説の一部です。
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