カランコエの花言葉
カランコエはベンケイソウ科カランコエ属の多肉植物の総称であり、一般的に「カランコエ」として扱われている品種はベニベンケイ(紅弁慶)、学名カランコエ・ブロスフェルディアナである。紅弁慶の名の通り赤く鮮やかな花を咲かせる。近年では品種改良によって紅・赤だけでなく黄色・オレンジ色・ピンク・白など幅広い花色が実現されている。
「カランコエ」という名前は同属を表す中国名の「加籃菜」の発音から来ている。カランコエという名前の由来には諸説あるが、名前そのものには花言葉の起源になるような意味合いはない。
カランコエ属の和名を「リュウキュウベンケイ属」という。このことから、リュウキュウベンケイ属の花言葉にもカランコエ全般の花言葉があてはめられる。しかし、なかには特有の花言葉をもつものもある。例えば、コタカラベンケイソウ(子宝弁慶草)はその名の通り「子だくさん、子孫繁栄」という意味があり、キンチョウ(錦蝶)には「片思い」という意味があり、花言葉としてはカランコエとは別物として扱われている。
また、一般的に知られるカランコエは、ベニベンケイであることは既に述べたが、よく似た名前の植物にフチベニベンケイというものがある。これは同じベンケイソウ科の仲間で、カネノナルキという植物の別名だ。「縁紅弁慶」と書き、葉の縁が赤いことに由来する。同じ科であるため葉の形などが似ているが、クラッスラ属でありカランコエとは別物である。花言葉も異なるため心にとめておきたい。
カランコエの花言葉の由来
#(1)キリスト教に由来する説カランコエの花は4枚の花びらを十字型に開くものが多い。しかし、なかにはつり下がった鐘のような形に花を咲かせるものもある。西欧には教会が多く存在し、古くから祈りの時を知らせるために鐘が使われてきた。婚礼や葬儀の際に鐘が鳴らされるなど、その音にはさまざまな意味が込められていて、幸せの合図や魔除けになるともいわれている。そのような背景から、たくさん集まってベル型の花を咲かせる姿に「幸福を告げる」という花言葉がつけられたとする説がある。またその他の花言葉がみなポジティブであるのも、幸福を象徴するベルがたくさん集まっていることに由来するという意見もある。
#(2)集まって咲く様子から由来する説
カランコエはその品種にかかわらず、小さな花を密集させて咲かせる。可憐な花が集まっている様子から「たくさんの小さな思い出」という花言葉が生まれたという説だ。またカランコエは小さな花を次々と咲かせるため、長いあいだ花を楽しむことができる。もしかしたら、その次々と花が開いていく様子を、たくさんの思い出がよみがえってくる様子になぞらえたのかもしれない。
#(3)厳しい環境でも元気に育つ姿に由来する説
カランコエには100以上の種類があるが、原産地は主にマダガスカル島である。乾燥した土壌と日光を好むため、少ない水やりでもきちんと育つ。さらに挿し木によって簡単に増やすことも可能だ。世話の手間がかからない性質から「おおらかな愛」という意味が生まれたとする説がある。また、花を咲かせるのは11月から5月にかけて。つまり日が短く気温の低い時期である。冬に開花する植物は多くないため、寒いなかで鮮やかに花をさかせる姿に力強さや頼もしさを感じる人もいるだろう。このように、人からすれば厳しいと思われるような環境でもしっかり生きていけることから「あなたを守る」という花言葉が生まれたという説がある。
カランコエの英語の花言葉
カランコエの花言葉は英語で「popularity(人気、人望)」「persistence(根気のよさ、持続性)」「eternal love(永遠の恋、不滅の愛)」など。カランコエの色鮮やかさや、小さな花が集まるように咲く様は人目を引く。このことから人気を集めるという花言葉が生まれたという。また、先述のようにカランコエは冬の時期に長く花を咲かせる。寒さに耐え忍ぶ姿から、根気のよさ・粘り強さを象徴するようになった。そして長いあいだ途切れることなく鮮やかに花を咲かせることが、永遠に続くゆるぎない愛を連想させたようだ。日本語の花言葉は西欧のものを核としていることも多いが、カランコエにおいては少し違っているらしい。カランコエの色別の花言葉の解説
#赤いカランコエの花言葉代表的なカランコエであるベニベンケイははっきりとした赤い色をしている。その他にも赤に近い鮮明なオレンジ色のものも多い。その色合いからエネルギッシュな印象を受けるが、花言葉としては全般的な意味と変わらない。
#黄色のカランコエの花言葉
薄い黄色から濃い黄色のものまでさまざまなものがある。カランコエには小さい釣鐘型の花をぶら下げるように咲かせる品種もある。その姿がまるで天使が持つランプのように見えることから「エンゼルランプ」とも呼ばれている。エンゼルランプにもさまざまな色があるが、黄色のものは特に「明かりを灯している」イメージが連想されるだろう。しかし、黄色のカランコエでも基本的に全般的な花言葉と同じである。
#白いカランコエの花言葉
純白または緑がかった白い花を咲かせるものもある。清潔感があり、洗練されたイメージを与える。赤や黄色などに比べれば落ち着いた印象であるが、八重咲きなどの花びらが多い品種では豪華で華やかな姿となる。花言葉は全般的な意味と変わらない。
#葉の色別の花言葉
カランコエの仲間には、花よりも多肉植物の特徴である肉厚な葉を主に楽しむ品種もある。例えば、葉の表面が細かい白い毛で覆われているツキトジ(月兎耳/白系)がある。名前は葉が兎の耳に似ていることに由来する。色合いによってクロトジ(黒兎耳/黒系)、フクトジ(福兎耳/淡茶系)などの種類がある。その他にも、カランコエ・プミラという白っぽくツヤのない葉を持つ品種もある。葉を楽しむタイプは一見するとカランコエとは別種に思われるが、花言葉はカランコエの全般的なものと同じである。花言葉が葉の色によって変わることはない。
カランコエの本数別の花言葉の解説
花の数や本数、鉢の大きさなどによって花言葉が変わることはなく、どんな形でも「幸福を告げる」「たくさんの小さな思い出」「あなたを守る」「おおらかな愛」などのポジティブな意味が込められる。カランコエは鮮やかな花が集まって咲く姿が魅力の一つである。そのため、プレゼントとして鉢植えで贈られることも多い。もちろん切り花として楽しむことも可能であり、その際も本数によって意味が変わることはない。また、一重咲きでは先のとがった4枚の花びらをやや反り気味に開かせる。そのほか何枚もの花びらをもつ八重咲き、バラ咲きなどの品種もある。代表的なものはカランコエ・カランディーバ、カランコエ・クイーンローズなどだ。花びらの枚数で花言葉が変わることはないが、八重咲き、バラ咲きなどのカランコエはどんな色でもよりゴージャスな印象となる。
カランコエの怖い花言葉
カランコエには、ネガティブな意味の花言葉は一切ない。品種によって多少の差はあれど、カランコエは寒い時期に鮮やかな花をたくさん、しかも長期間にわたり咲かせる。そして明るい場所を好み、じめじめした環境は苦手である。そのような性質や花の形や色合いから、ポジティブな印象が強いのかもしれない。また、短日性植物であるため、温度や光の当て方を調整すれば一年を通して花を楽しむことができる。だからこそ、生活になじむような心が落ち着く花言葉が合っているともいえるだろう。※ 花言葉の内容は諸説あります。
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