イオアン・ズラトウースト (戦艦)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/11 12:37 UTC 版)
イオアン・ズラトウースト(ウクライナ語:Іоан Златоуст;ロシア語:Иоанн Златоуст)は、ロシア帝国で建造された戦艦である。当初は艦隊装甲艦(Эскадренный броненосец)、のち戦列艦(Линейный корабль)に類別された。ウクライナ国家で運用された時代も同じく戦列艦(Лінійний корабель)に類別されていた[1][2]。艦名は、キリスト教の聖人ヨハネス・クリュソストモス(金口イオアン)の教会スラヴ語名に由来する[3]。なお、ウクライナ語名についてはイオアン・ゾロトウースティイ(Іоан Золотоустий)と表記されることも少なくない[4]。日本語でもいくつか表記バリエーションがあるが、このページでは由来する聖人名の正教会[5]で正式に使用されている日本語表記に準じることとする。
- ^ 日本でいうところの「戦艦」について、ロシアでは初期には「装甲艦」(Броненосец)、のち「艦隊装甲艦」(Эскадренный броненосец)、さらに「戦列艦」(Линейный корабль)と呼んでいる。いわゆる「弩級戦艦」が登場すると、これを念頭に隊列の先頭の艦だけでなく戦列を組んだ全艦が一斉に戦闘を行うよう戦術設計が変更されたことから、ロシア帝国では帆船時代の用語である「戦列艦」という用語を分類名として復活させた。そのため、古い用語を復活させなかった西欧やアメリカ合衆国の分類を参考にした日本海軍式の分類に由来する日本語の語意とはずれが生じている。艦種区分については、ウクライナでもロシアの方式に準じている。
- ^ ウクライナ時代も正式には「戦列艦」に分類されていたが、慣習的に「装甲艦」(БроненосецьまたはПанцирник)など以前の類別で書かれることがある。これについてはロシア時代も同じ。
- ^ 教会スラヴ語名とロシア語名についての詳細は、表記・呼称脚注を参照のこと。
- ^ ウクライナ語名についてはいくつかバリエーションが見られる。前半名前部分については、ІоанやЙоаннなどの表記バリエーション、また、イオアンの俗形であるイヴァン(Йван、Iван)が用いられることもある。後半部分については、ゾロトウースト(Золотоуст)、ゾロトウースティイ(Золотоустий)、あるいはズラトウーストィイ(Златоустий)などのバリエーションがある。いずれも意味するところは同じである。黒海艦隊の他の多くの艦艇はウクライナ時代に改称が行われており、ひとつの艦にいくつかの艦名が見られる場合があるが、本艦についてはそのような正式な改称が行われたというわけではなく、たんにロシア語名に対するウクライナ語名の日常的な表記・呼称バリエーションによる表記ゆれが見られるだけであると考えられる。従って、このページでは特別にロシア時代と区別する必要はないものと考え、一律イオアン・ズラトウーストで通すこととする。
- ^ 各国の正教会の内、日本語を正式に用いている代表的な教会である日本ハリストス正教会を基準とする。
- ^ Севастопольский судоремонтный завод: ИСТОРИЯ (ロシア語)
- ^ 「議会」。あるいはロシア革命史との兼ね合いで言えば「ソヴィエト」。
- ^ ウクライナ語名。以下同じ。
- ^ ピドポルコーウヌィク。のち中将相当のヘネラール=ホルーンジイに昇級。
- 1 イオアン・ズラトウースト (戦艦)とは
- 2 イオアン・ズラトウースト (戦艦)の概要
- 3 概要
- 4 ギャラリー
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