イイダコとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > デジタル大辞泉 > イイダコの意味・解説 

いい‐だこ〔いひ‐〕【×蛸】

読み方:いいだこ

マダコ科タコ内海砂泥底にすみ、全長30センチ体表淡黄褐色で、両眼の間に金色眼状紋がある。産卵期は冬から春先で、成熟卵米粒状。食用。《 春》「—のあはれやあれで果てるげな/来山」

飯蛸の画像

望潮魚

読み方:イイダコ(iidako)

マダコ科タコ


飯蛸

読み方:イイダコ(iidako)

タコ一種


イイダコ

学名Octopus ocellatus 英名:Webfoot octopus
地方名コモチダコヒトクチダコ 
軟体動物門頭足綱八腕形目マダコ科
色 形 長崎・日本・世界 住みか

※出典:長崎県水産部ホームページ

特徴
小型タコで、産卵期の雌がご飯粒のような卵を体内もっているころからこの名がついた。体形はほぼマダコ変わらないが、眼の近く金色の丸い紋があるのが特徴。海底落ちている貝殻、びん、空き缶などを巣にして、その中に長径6mmほどの卵を産む習性がある。 日本では瀬戸内海主産地で、旬は秋から冬である。

分布:北海道南部以南朝鮮半島東シナ海 大きさ:25cm
漁法:小型たこつぼ 食べ方:煮付け

望潮魚

読み方:イイダコ(iidako)

マダコ科タコ

学名 Octopus ocellatus


飯蛸

読み方:イイダコ(iidako)

マダコ科タコ

学名 Octopus ocellatus


望潮魚

読み方:イイダコ(iidako)

タコ科に属す小型タコ。卵が米粒のような形をしているためこの名がある

季節

分類 動物


飯蛸

読み方:イイダコ(iidako)

タコ科に属す小型タコ。卵が米粒のような形をしているためこの名がある

季節

分類 動物


イイダコ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/08/20 15:45 UTC 版)

イイダコ

上 :貝殻に収まっているイイダコ
日本神戸市立須磨海浜水族園にて)
下 :イイダコ(タイ産、生物遺体)
分類
: 動物界 Animalia
: 軟体動物門 Mollusca
: 頭足綱 Cephalopoda
亜綱 : 鞘形亜綱 Coleoidea
上目 : 八腕形上目 Octopodiformes
: タコ目(八腕目) Octopoda
亜目 : マダコ亜目 Incirrina
: マダコ科 Octopodidae
亜科 : マダコ亜科 Octopodinae
: マダコ属 Octopus
: イイダコ O. ocellatus
学名
Octopus ocellatus
Gray1849
和名
イイダコ
英名
Webfoot octopus

イイダコ(飯蛸、望潮魚、学名Octopus ocellatus もしくは Octopus fangsiao)は、マダコ科 マダコ属に分類されるタコの1である。東アジアの浅海に生息する小型のタコであり、沿岸域では古代から食用として漁獲されている。

呼称

種小名 ocellatus は、ラテン語で「目(のような模様)のついた」の意味で、足の付け根あたりに目立つ眼状紋のある[1]ことを指しての命名。

和名のイイダコは「飯蛸」で、その由来は産卵直前の雌の胴部(頭にみえる部位)にぎっしり詰まった卵胞が米飯のようだからとされている[2]方言として「コモチダコ(子持ち蛸)」や「イシダコ」「カイダコ」などがある。

生物的特徴

形態

体長は最大でも30cmほどで、タコとしては小型である。体表は低い疣(いぼ)状突起が多い。体色は周囲の環境により変化するが、腕の間の襞(ひだ)に金色の環状紋が2つあることと、両眼の間に長方形の模様があることで他種と区別できる。また、興奮すると胴(俗に「タコの頭」と呼ばれる部位)や腕に黒い縦帯模様が現れる。

生態・分布

北海道南部以南の日本沿岸域から朝鮮半島南部、黄海、および、中国の沿岸域に至る、東アジアの浅海に分布する。なお、沖縄で「シガヤー」と呼ばれるものはイイダコに似ているが、正しくはウデナガカクレダコである。

波打ち際から水深10mほどまでの、岩礁や転石が点在する砂泥底に生息する。外洋性のマダコに対して波の穏やかな内湾に多く、日本本土ではテナガダコ(Octopus minor minor)と生息域が重複する。昼間は石の隙間やアマモ場に潜むが、大きな二枚貝貝殻や捨てられた空き、空きなども隠れ家として利用する。夜になると海底を移動しながら餌を探し、海岸性の甲殻類多毛類貝類などさまざまな底生生物(ベントス)捕食する。天敵としては、人間のほか、マゴチエソ類などの大型肉食魚が挙げられる。

産卵期は冬から春にかけてで、石の間や貝殻の中に長径4mm程度の半透明の卵を産む。この卵はマダコよりも大粒で、ちょうど米粒くらいの大きさがある。産卵後はメスが卵のそばに留まって卵を保護し、卵が孵化するとほとんどのメスは死んでしまう。

系統分類

ITIS(統合分類学情報システム)およびNCBI(国立生物工学情報センター)による本種 Octopus ocellatus の分類上の位置は、未確定である。Octopus fangsiao と同物異名の関係にあり、系統分類学的にはまだ議論の一致を見ていない。 なお、最下段で示したウィキスピーシーズでは Octopus fangsiao に分類されている。

また、Octopus fangsiao には下位分類として次の2亜種がある。

  • Octopus fangsiao fangsiao (Sasaki, 1929) :模式亜種
  • Octopus fangsiao etchuanus D'Orbigny, 1839-1841 in Férussac and D'Orbigny, 1834-1848

同物異名

  • Octopus fangsiao D'Orbigny, 1839-1841 in Férussac and D'Orbigny, 1834-1848
  • Polypus fangsiao
  • Polypus ocellatus

利用

漁撈

漁具 二枚貝を用いたイイダコ漁の仕掛け網(日本、明石市二見港)

漁撈の対象としては主に蛸壺漁で獲られ、イイダコ用の蛸壺は大きな二枚貝貝殻、または、それを模したプラスチック製の貝殻が用いられる。

日本では、イイダコ漁専用と思われる小型の蛸壺が古く弥生時代古墳時代地層から発見されている。現代におけるイイダコの蛸壺漁は、瀬戸内海沿岸および九州西部のものがよく知られている。

なお、瀬戸内海の香川県の漁獲量は、2002年に199トンを記録していたが2009年から激減。2022年には1.6トンまでの落ち込みを見せた。香川県は漁期を9月1日から10月15日の午前中と定め、テンヤと呼ばれる仕掛けを用いる釣り人に対して資源保護を呼びかけている[3]

遊漁

海岸からの釣りでわりと手軽に獲ることができる。イイダコは白いものに飛びつく習性があるが、これはイイダコが獲物である二枚貝の白さと見誤って襲いかかるためといわれており、その錯覚を利用した「テンヤ」という釣りが知られている。釣具店などでもイイダコ釣りのためのテンヤが市販されており、白色のほか、ピンク、赤など海中でも目立つような鮮やかな着色がなされている。そのほか、スイセンラッキョウ球根、肉の脂身などを(かぎ)に取り付けて釣る技法がある。また、キスクロダイ釣りの外道(本来の釣る目的魚とは違う魚)として上がることもある。

一般に、墨袋カラストンビの除去、ぬめり取り、下茹でなどの下ごしらえが推奨されている[要出典]煮るときにを少量入れると柔らかく煮えるとされる。歯応えのある身と、濃厚な旨味のある卵は美味である。

日本

卵胞が充分成長した産卵直前のメスが珍重される。市場には主に10cm前後のものが出回る。 塩で揉み洗いしてから塩茹でし、丸ごとおでん種など鍋物に、もしくは、ぶつ切りにして刺身酢味噌和えなどで食べられる。他に煮物炊き込みご飯たこめし)、から揚げなど。オスは「スボ」、「スボケ」などの名でよばれ、卵を持たないため市場での価格もメスより安くあまり流通していない。近年ではまるごと一匹をたこ焼きに入れるという利用法もみられる。

韓国

チュクミの名で呼ばれる。炒め物(ポックム)として野菜と調理される。

ギリシャ、トルコ

メゼと呼ばれる様々な前菜の盛り合わせの一つとして用いられる。主にグリルで焼き香ばしく焦げ目のついた足を食べる。

脚注

  1. ^ イイダコの金の腕章 / マイ・アウトドア@新潟 - 眼状紋(金冠)がよくわかる写真が掲載されている。
  2. ^ vol8.タコ - 南三陸味わい開発室”. 海の自然史研究所. 2019年10月18日閲覧。
  3. ^ 瀬戸内の特産イイダコ、20年間で漁獲量99%減…香川県が釣り人に自粛要請”. 読売新聞 (2023年8月27日). 2023年8月27日閲覧。

参考文献

外部リンク


「イイダコ」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「イイダコ」の関連用語

イイダコのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



イイダコのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
長崎県水産部長崎県水産部
Copyright © Nagasaki Pref. Japan.
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのイイダコ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS