ちょうこくしつ座銀河とは? わかりやすく解説

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ちょうこくしつ座銀河

分類:銀河
名称:ちょうこくしつ座銀河(Sculptor system)
小分類:楕円銀河
属す銀河群:局部銀河群
属す星座:ちょうこくしつ座

局部銀河群形作る30個の銀河うちのひとつです。地球から約30万光年の距離にあります局部銀河群属する、しし座銀河I系や、こぐま座銀河りゅう座銀河などと同じく矮小楕円銀河(わいしょうだえんぎんが)に分類されています。ほかにも、発見されていない矮小な銀河多数あると考えられています。

1.見つけ方ポイントは?
秋の空、南の地平線近く見え南天星座が、ちょうこくしつ座です。みなみのうお座の東にある目立たない星座で、東京での午後9時の南中11月上旬です。この星座は、18世紀フランス天文学者、N・ラカイユ新設しました星座一角に、ちょうこくしつ座銀河があり、明るさは9等級です。

2.どのような特徴があるの?
平均的な明るさ持ち内部構造均一的です。矮小楕円銀河の中では、やや扁平な形に分類されます。

3.どれくらい大きさなの?
視直径20分×20

4.地球からはどれくらい離れているの?
30万光

参考文献:河島監修/三品隆司ほか編「スペース・アトラス」PHP研究所小平桂一ほか編「平凡社天文事典平凡社浅田英夫「MY DATA 図鑑星空フィールド日記山と溪谷社国立天文台・編「理科年表丸善


NGC 253

(ちょうこくしつ座銀河 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/03 06:26 UTC 版)

NGC 253
星座 ちょうこくしつ座
見かけの等級 (mv) 8.0[1]
視直径 27′.5 × 6′.8[1]
分類 SAB(s)c[1]
位置
元期:J2000.0
赤経 (RA, α)  00h 47m 33s[1]
赤緯 (Dec, δ) −25° 17′ 18″[1]
赤方偏移 0.000811[1]
視線速度 (Rv) 243 ± 2 km/s [1]
距離 11.4 ± 0.7 Mly
   (3.5 ± 0.2 Mpc)[2]
他のカタログでの名称
Silver Coin Galaxy,[1] Silver Dollar Galaxy,[3] NGC 253[1]、UGCA 13[1]、PGC 2789[1]、Caldwell 65[4]
Template (ノート 解説) ■Project

NGC 253Sculptor Galaxyちょうこくしつ座銀河[5]Caldwell 65)は、ちょうこくしつ座の方角にある渦巻銀河である。NGC 253はスターバースト銀河であり、急激な星形成の過程にある。

観測の歴史

この銀河は、1783年、彗星の探索中にカロライン・ハーシェルによって発見された[6][7]。その約半世紀後、ジョン・ハーシェル喜望峰で、18インチの反射望遠鏡を使って観測した[7]。彼は、とても明るく大きな(長さ24′)壮大な天体である。その光はいくらか縞状であるが、この銀河には属していなさそうな4つの大きな天体と1つの非常に小さな天体の他には恒星は見られない。と記述した[7]

シドニー郊外で働くバーナード・ミルズは、NGC 253は強い電波源でもあることを発見した[7]

ハッブル宇宙望遠鏡によるNGC 253の拡大図

1998年、ハッブル宇宙望遠鏡は、NGC 253の詳細な写真を撮影した[8]

超新星

超新星は、一般的にスターバースト銀河と関連があるが、NGC 253では、超新星は1つしか発見されていない[1]。SN 1940Eと名付けられた超新星は、銀河核から約54°南西の方角にある[9]。この超新星は、1940年11月に発見された[9]

距離の推定

近年、少なくとも2つの方法でNGC 253までの距離が推定された。

2006年には、planetary nebula luminosity function法を用いて、1089万+85万-124万光年(3.34+0.26-0.38メガパーセク)と推定された[2]

2004年には、tip of the red giant branch法を用いて、1280万 ± 120万光年(3.94 ± 0.37メガパーセク)と推定された[10][11]

最も信頼できる距離の重み付け平均は、1140万 ± 70万光年(3.5 ± 0.2メガパーセク)と推定される[2]

銀河群

NGC 253は、銀河系から最も近い銀河群の1つであるちょうこくしつ座銀河群の中心に位置する[12]。NGC253 はその中で最も明るく、NGC 247、PGC 2881、PGC 2933、UGCA 15等と重力で結びついている。ちょうこくしつ座銀河群のその他の銀河は、この銀河群の核に弱く結びついているだけである[12][13]

アマチュアによる観測

双眼鏡

NGC 253は、全天で最も明るい銀河の1つであり、双眼鏡でも観測できる。アンドロメダ銀河さんかく座銀河に次いで観測しやすい銀河であると考えられている[7][14]

望遠鏡

NGC 253は、口径300mmかそれ以上の望遠鏡で良い観測のターゲットとなる[14]。このような望遠鏡では、まだらの円盤を持った長い楕円の銀河バルジとして観測される[14]。バルジは周りの部分よりも若干明るいが、円盤よりも拡がって見える[14]。口径400mmかそれ以上の望遠鏡では、銀河核の北西側に暗い塵の吸収帯とバルジに重なった10数個の恒星が観測できる[14]

フィクション

出典

  1. ^ a b c d e f g h i j k l NASA/IPAC Extragalactic Database”. Results for NGC 253. 2006年11月25日閲覧。
  2. ^ a b c Rekola, R.; Richer, M. G.; McCall, Marshall L.; Valtonen, M. J.; Kotilainen, J. K.; Flynn, Chris (2005). “Distance to NGC 253 based on the planetary nebula luminosity function”. Monthly Notices of the Royal Astronomical Society 361 (1): 330-336. Bibcode2005MNRAS.361..330R. doi:10.1111/j.1365-2966.2005.09166.x. 
  3. ^ NGC 253: Dusty Island Universe”. NASA Astro Pic of the Day (2006年4月21日). 2010年12月4日閲覧。
  4. ^ O'Meara, Stephen James (2002). The Caldwell Objects. Cambridge University Press. ISBN 0-521-82796-5 
  5. ^ 主な銀河の表(位置・明るさ・大きさ)美星天文台
  6. ^ Dreyer, J. L. E. (1888). “A New General Catalogue of Nebulae and Clusters of Stars,being the Catalogue of the late Sir John F.W. Herschel, Bart., revised, corrected, and enlarged”. Memoirs of the Royal Astronomical Society 49: 1-237. Bibcode1888MmRAS..49....1D. 
  7. ^ a b c d e Burnham, Robert (1978). Burnham's Celestial Handbook; An Observers Guide to the Universe Beyond the Solar System; Volume Three, Pavo Through Vulpecula. Dover Publications, Inc.. p. 1736. ISBN 0-486-24065-7 
  8. ^ HubbleSite NewsCenter”. Results for NGC 253. 2007年4月5日閲覧。
  9. ^ a b R. Barbon, E. Cappellaro, F. Ciatti, M. Turatto, C. T. Kowal; Cappellaro; Ciatti; Turatto; Kowal (1984). “A revised supernova catalogue”. Astronomy & Astrophysics Supplement Series 58: 735-750. Bibcode1984A&AS...58..735B. 
  10. ^ I. D. Karachentsev, V. E. Karachentseva, W. K. Hutchmeier, D. I. Makarov (2004). “A Catalog of Neighboring Galaxies”. Astronomical Journal 127 (4): 2031-2068. Bibcode2004AJ....127.2031K. doi:10.1086/382905. 
  11. ^ Karachentsev, I. D.; Kashibadze, O. G. (2006). “Masses of the local group and of the M81 group estimated from distortions in the local velocity field”. Astrophysics 49 (1): 3-18. Bibcode2006Ap.....49....3K. doi:10.1007/s10511-006-0002-6. 
  12. ^ a b I. D. Karachentsev (2005). “The Local Group and Other Neighboring Galaxy Groups”. Astronomical Journal 129 (1): 178-188. arXiv:astro-ph/0410065. Bibcode2005AJ....129..178K. doi:10.1086/426368. 
  13. ^ I. D. Karachentsev, E. K. Grebel, M. E. Sharina, A. E. Dolphin, D. Geisler, P. Guhathakrta, P. W. Hodge, V. E. Karachentseva, A. Sarajedini, P. Seitzer (2003). “Distances to nearby galaxies in Sculptor”. Astronomy and Astrophysics 404 (1): 93-111. arXiv:astro-ph/0302045. Bibcode2003A&A...404...93K. doi:10.1051/0004-6361:20030170. 
  14. ^ a b c d e Kepple, George Robert; Glen W. Sanner (1998). The Night Sky Observer's Guide, Volume 2. Willmann-Bell, Inc.. pp. 365, 371. ISBN 0-943396-60-3 

外部リンク

座標: 00h 47m 33s, −25° 17′ 18″



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