『経済学批判』と『資本論』とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > 『経済学批判』と『資本論』の意味・解説 

『経済学批判』と『資本論』

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 19:33 UTC 版)

カール・マルクス」の記事における「『経済学批判』と『資本論』」の解説

マルクス最初本格的な経済学書である『経済学批判』は、1850年9月頃から大英博物館勉強しながら少しずつ執筆進め1857年から1858年にかけて一気書きげたものである。1859年1月にこの原稿完成させたマルクスラッサール仲介ドゥンカー書店からこれ出版した。『経済学批判』は本格的な経済学研究書最初1巻として書かれた物であり、その本格的な研究書というのが1866年11月ハンブルクのオットー・マイスネル書店から出版した資本論第1巻だった。そのため経済学批判主要なテーゼ全て資本論第1巻内包されている。よってこの二つまとめて解説するマルクスは『資本論』の中で次の主旨のことを主張した。 「人間生きていくためには生産する必要があり、それは昔から行われてきた。ある場所で生産された物が別の場所で生産された物と交換される。それが成り立つのは生産物双方使用価値用途)が異なり、またその価値生産かかっている人間労働量)が同じだからだ。だが資本主義社会では生産物商品にされ、特に貨幣によって仲介されることが多い。たとえ商品化されよう貨幣によって仲介されよう使用価値異な生産物交換されている以上、人間労働交換が行われているという本質変わらないが、その意識希薄になってしまう。商品化した生産物は物として見る人がほとんどであり、商品取引は物と物の取引と見られるからである。人間創造物である神が人間の外に追いやられて人間支配したように、人間創造物である商品貨幣人間の外に追いやられて人間支配したのである商品貨幣が神となれば、それを生産したではなく所有する者が神の力支配するうになる」 「ブルジョワ市民社会発展労働者生み出した。この労働者というのは労働力自分頭脳肉体)の他には売れる物を何も所有していない人々のことである。労働者は自らの労働力商品化し、資本家にそれを売って生活している。資本家利益上げるために購入した労働力という商品を、価値以上に使用して剰余価値を生み出させ、それを搾取しようとする賃金額に相当する生産物上の物を生産することを労働者要求し、それを無償手に入れようとする)。資本家剰余価値全部消費するなら単純再生産が行われるし、剰余価値一部資本転換されれば、拡大再生産が行われる。拡大再生産が進むと機械化オートメーション化により労働者人口過剰になってくる。産業予備軍失業者)が増え産業予備軍現役労働者に取って代わるべく現役労働者より悪い条件でも働こうとしだすので、現役労働者をも危機陥れる。こうして労働者階級働けば働くほど窮乏進んでいく。」 「商品は、不変資本機械原料など生産手段投下される資本)、可変資本労働力購入のために投下される資本)、剰余価値からなる不変資本新し価値生まないが、可変資本は自らの価値上の剰余価値生むことができる。この剰余価値資本家利潤を生みだす。ところが拡大再生産進んで機械化オートメーション化してくると不変資本がどんどん巨大化し、可変資本がどんどん下がる状態になるから、資本家にとっても剰余価値減って利潤率が下がるという事態に直面する投下資本大きくすれば利潤絶対量上げ続けることはできる。だが利潤率低下生産力更なる発展には妨げとなるため、資本主義生産様式歴史的限界がここに生じる」。 そして「労働者貧困隷従退廃が強まれば強まるほど彼らの反逆増大するブルジョワプロレタリア階級という自らの墓掘り人を作り続けている。収奪者が収奪され運命の時は近づいている。共産主義への移行歴史的必然である」と結論する

※この「『経済学批判』と『資本論』」の解説は、「カール・マルクス」の解説の一部です。
「『経済学批判』と『資本論』」を含む「カール・マルクス」の記事については、「カール・マルクス」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「『経済学批判』と『資本論』」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「『経済学批判』と『資本論』」の関連用語

『経済学批判』と『資本論』のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



『経済学批判』と『資本論』のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのカール・マルクス (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS