「御神砂物語」とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > 「御神砂物語」の意味・解説 

「御神砂物語」

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 15:37 UTC 版)

穴守稲荷神社」の記事における「「御神砂物語」」の解説

穴守稲荷神社編『穴守稲荷神社史』より 昔、要島の穴守に老夫婦暮らしていた。老夫は漁に出かけ、日々の糧得ていた。大漁不漁繰り返しながらの暮らしぶりいつものことながら、たまたま不漁続き老夫婦の顔が曇ることが多くなった。 そんなある日近頃には珍しく多くが獲れ、老夫小舟より魚籠入れ喜んで老婦のもとへもどった。 「おばあさん今日大漁じゃ、大漁じゃ」 重い魚籠をおろし、老婦大漁見せようとした。しかし、重い思いをして運んだ魚籠には魚一匹の姿もない。老夫婦不審げに顔を見合わせ、その魚籠覘きこんだ。その中には大量湿った砂が入っているだけだったあくる日昨夜不審抱きながらも、老夫はまた小舟あやつり、漁に出た。幸い、漁は昨日変わらず大漁であった。しかし、家路につき、魚籠を覘けば、やはり大量の砂があるだけだった。そんな日が何日もつづき、あまりの不審さに驚き老夫村人にこの不思議伝えた。 その噂は村中広がりさまざまな憶測飛び交ううち、ある村人言った。 「その仕業は、穴守稲荷に住む悪さ違いない。そんな捕まえて殺してしまうのが一番じゃ」 村人は、手に手に弓や矢をもって探し遂に生け捕りにした。あわや、殺されるという瞬間老夫婦言った。 「どうかお願いじゃ。そのを殺すのだけはやめてくれないか。可哀想ではないか。それに、もし殺してしまえば後でどんな報い村人にあるか判らん。神さま罰が当たる。」 それを聞いた村人は、結局放してやることにした。 老夫は、あくる日からも、常に変わらず漁に出かけた。ところが、漁は大漁であった。しかも、魚籠中には、重い砂ではなくの姿で溢れんばかりであったその後大漁はつづき老夫婦大い喜んだ。 しかも不思議なことに、その魚籠にはなぜか濡れた砂がいつもついていた。それを聞いた村人は、穴守稲荷参詣し、砂を持ち帰り各自魚籠中にその砂を入れるようにしたところ、大漁続いたという。また、ある人は台所にその砂を撒いたところ、その日から訪れお客増え商売繫昌が続いたという。 神穴 諸人御穴と崇む本祠の右背にありて窖上に小祠立て周囲に屋を覆ひ中に数多魚介揚物供物とす其数山積して屋裏に満ち常に信徒交々穴前に額きて祈誓籠め終りに迄んで窖中の土砂を掬ひ帰るあり由来砂土店頭撒布せば顧客多く商業繁栄功徳ありと是等侠斜の巷に於ける料理店待合、絃妓、幇間其他芸人等に多し故に祭日(午の日)の如き肩摩雑沓極め殊に婦女子如きは窖前に近くだも得能はざるべく 又窖中時に霊狐の面を現すことあり之れを拝視する者正しく満願の徴なりとし欣喜雀躍他をして之れを羨ましむるにあり — 明治期の神砂について 藤井内蔵太郎編「羽田穴守稲荷由来記」より抜粋 御穴は拝殿の右に有つて、上には整然と屋根葺いて三方を囲つてある。晝も猶暗い所ではあるが、常に参詣の人が絶へないので、御の火の消えた時が無い。 (中略)御穴の砂を頂いて行つて自分見世先撒くと云ふと見世繁昌すると云ふので、信仰人々は皆砂を持つて歸る。 — 御穴について 鈴木嘉之助著「信仰美談穴守稲荷」より抜粋 この「御砂様」の逸話は、その後からへと伝わり明治期には東京はもちろん遠く府県まで達すようになった。そして、お客を呼ぶ必要のある料理屋割烹花柳界芸能界中心に酒屋店舗の人がはるばる穴守稲荷神社参詣し、その砂を袋に入れて持ち帰る習わし定着していった。 現在も古来より我々の生活には土(砂)の上より活動始まり土地生産守ってくれる大神霊験のしるしとして、奥之宮の「御神砂」を持ち帰り屋敷内または玄関撒く、あるいは身につけると、御神徳授かり諸願叶うとされるまた、御神砂が中に入った特別なお守り頒布されている。

※この「「御神砂物語」」の解説は、「穴守稲荷神社」の解説の一部です。
「「御神砂物語」」を含む「穴守稲荷神社」の記事については、「穴守稲荷神社」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「「御神砂物語」」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「「御神砂物語」」の関連用語

「御神砂物語」のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



「御神砂物語」のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの穴守稲荷神社 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS