過去の気温変化 衛星や気球による対流圏の気温

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過去の気温変化

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/17 06:45 UTC 版)

衛星や気球による対流圏の気温

地球全体をカバーできる、気球を使った観測が1950年代から始まった。1979年から衛星による対流圏温度の計測が行われている。

過去2000年の記録:氷床コア、年輪による手法

様々な手法で得られた過去2000年間の気温の復元。右が現在

温度計による計測が始まる以前の長期にわたる記録は、年輪の幅やサンゴの成長線、氷床コアの同位体など、様々な手法から得られる。これらの手法で、過去2000年間の北半球気温変化が再現されている([24][25])。

しかし、これらの方法でカバーできる精度は荒く連続的ではないものもあり、もっとも適切な手法でも、観測で得られる精度の悪い時期の記録よりも正確性には欠ける。手法(年輪の幅など)と、求めるもの値(気温)の間の関係も問題が残っている。

間接的な歴史記録

自然から得られる定量的な手法(年輪など)の他に、人類の記録した歴史文献にも気候変化を示す記録がある。間接的で非定量的な場合が多いが、テムズ川の状態、農産物の収穫具合、春の花の開花時期、雨や雪の異常降雪・降雨、洪水や旱魃についての記録等があり、これらも歴史時代の気温を検証する際に有用である。しかし、一般には自然から得られる手法に比べて定性的な面で利用される。

最近の研究では、紀元前2200年から2100年の間にチベットからアイスランドにかけて起きた急激で短期間の気候変化が、世界的な出来事であったということが示された。この出来事は、寒冷化と乾燥化を起こし、エジプト古王国の滅亡の主な原因とされている([26])。

完新世の古気候

過去1万2000年の気候変化。右が現在。横軸の単位は1000年前。

古気候学のフィールドには、太古の気候の記録が残されており、地球の過去の気温が数多く見積もられている。この項では更新世氷河の進退に焦点を当てる。

完新世の1万年の期間の記録には、北半球でのヤンガードライアス期(1000年間続いた寒冷期)の終了以降の多くのデータが得られている。完新世の気候最温暖期は20世紀一般の気温よりも暖かい。しかし、ヤンガードライアス期以降の出来事には様々な地域的な違いがある。

過去80万年の記録:氷床コアによる更に長期の記録

南極の2地点で復元された気温と、氷床体積の地球規模での変動曲線。右が現在。単位は1000年前。

南極ボストークの氷床コアからは42万年前までさかのぼったさらに長い時間の記録が得られ([27][28])、EPICAコアでは最近では80万年前まで掘削・解析が進んだ。他の多くのコアも10万年前以上までさかのぼることが出来る。ボストークコアは4つの氷期/間氷期サイクルをカバーしており、グリーンランドから得られたGRIPGISPの2つのコアは、現在より一つ前の間氷期まで得られている。コアのデータに見られる大規模な氷期間氷期のシグナルは見事に一致しているが、微細な変動の解釈にはまだ問題が残っている。また、気温と同位体変化との関係についても完全に明らかになっているわけではない。




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