行政 日本の行政法

行政

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/16 17:10 UTC 版)

日本の行政法

行政組織法

行政機関

行政機関とは、行政主体のために行政を実施する機関をいう。権限の帰属で捉えた機関概念である。
指揮監督権

行政の統一をはかるために、上級機関が下級機関に対して有する権限。具体的には以下のものが挙げられる[13][14]

権限の代行
  • 権限の委任(権限の所在を変更)
    事務の委任ともいう。
    法令の根拠が、必要である。
  • 権限の代理(権限の所在を変更しない)
    • 法定代理(権限の全てに及ぶ)
      • 狭義の法定代理
      • 指定代理
    • 授権代理(権限の一部について行われる)
      委任代理ともいう
国家行政組織
第2条第1項
内閣は、国会の指名に基づいて任命された首長たる内閣総理大臣及び内閣総理大臣により任命された国務大臣をもつて、これを組織する。
第4条第1項
内閣がその職権を行うのは、閣議によるものとする。

日本では、憲法第65条で、行政権は内閣に属すると定めている。これは、一般的には行政権が内閣総理大臣一人に属しているのではなく、内閣総理大臣と国務大臣の合議体からなる内閣に帰属していることを意味すると解釈されている(憲法第66条第1項・内閣法第2条第1項参照)。ただし、例えば内閣総理大臣が自己の任命式を終えた後、人事熟考のために時間をかけて組閣を行う場合、全会一致を要する閣議において閣議決定・閣議了解の採択にすべての国務大臣が反対した場合に全閣僚を罷免して自身が兼務することで閣内意思の一致を図るなどの場合において、内閣総理大臣のみをもって内閣が組織されることがありうる(いわゆる一人内閣。憲法第68条・第71条参照)。

地方行政組織

都道府県市町村がある。

公務員

行政組織の人的要素である。

公物

行政組織の物的要素である。

行政作用法

行為形式

行政立法
行政立法は、行政機関によって定立された一般規範またはその立法行為である。
  • 実質による種類
    • 法規命令
      国民の権利義務にかかわる法規たる性質を有するもの
      (例)政令、内閣府令、省令、会計検査院規則、人事院規則、地方公共団体の長や教育委員会等の規則
      • 執行命令
        憲法・法律等上級の法令を実施するための具体的細目・手続事項
        (例)政令・府令・省令・府や省の外局である委員会の規則・会計検査院規則・人事院規則などの命令。
      • 委任命令
        法律等上級の法令に基づき発せられる。
        (例)政令の委任に基づく省令、委員会規則
    • 行政規則
  • 形式による種類
    • 政令
    • 府省令
    • 外局規則
    • 独立機関規則
    • 行政規則
行政行為
  • 法律行為的行政行為
  • 準法律行為的行政行為
    • 確認、公証、通知、受理
  • 附款
行政契約

行政契約とは、行政目的を達成するための契約

行政指導

行政指導とは、指導・勧告・助言等で処分に該当しない行為。

行政計画

強制措置

行政強制

行政目的の達成のために、行政権が国民の身体・財産等に実力をくわえ、行政上必要な状態を実現させる作用といわれる[15][16][17]

行政上の強制執行
即時強制
義務違反に対する制裁
行政罰
  • 行政刑罰
    刑法上の刑罰を科す
  • 秩序罰
    制裁として過料を科す
その他の手段
  • 許認可処分の停止・取消
  • 経済的負担
  • 違反事実の公表
  • 給付拒否

行政手続

行政調査

行政調査は、行政機関が行政作用を公正に行うために、身体・財産を半強制的に調査し情報を収集すること。

行政情報

行政救済法


注釈

  1. ^ 実地視察等[13]
  2. ^ 事後的に違法・不当な行為の取消または停止を命じる[14]
  3. ^ 権限を巡る下級行政庁同士の争いの裁定[14]

出典

  1. ^ 精選版, 日本国語大辞典,デジタル大辞泉. “行政とは”. コトバンク. 2021年8月17日閲覧。
  2. ^ 塩野『行政法1 第4版 行政法総論』2頁
  3. ^ a b c 塩野『行政法1 第4版 行政法総論』6頁
  4. ^ 伊藤正己『憲法 新版』弘文堂、1990年、504頁、ISBN 4-335-30036-0 
  5. ^ 竹尾『現代行政学理論』5頁
  6. ^ 原田『行政法要論 全訂7版』14頁
  7. ^ a b 塩野『行政法1 第4版 行政法総論』328頁
  8. ^ 原田『行政法要論 全訂7版』45頁
  9. ^ 稲葉・人見・村上・前田『行政法 第4版』20頁
  10. ^ 稲葉・人見・村上・前田『行政法 第4版』21頁
  11. ^ 稲葉・人見・村上・前田『行政法 第4版』51頁
  12. ^ 原田『行政法要論 全訂7版』82頁
  13. ^ a b c d e f "指揮監督権". 日本大百科全書. コトバンクより2022年5月5日閲覧
  14. ^ a b c d e f g h "指揮監督権". ブリタニカ国際大百科事典. コトバンクより2022年5月5日閲覧
  15. ^ "行政強制". ブリタニカ国際大百科事典. コトバンクより2022年3月27日閲覧
  16. ^ 須藤陽子「「即時強制」の系譜」『立命館法學』第4号、2007年。 
  17. ^ a b c 即時強制. コトバンクより2022年3月27日閲覧


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