ネオ・ジオン
袖付き(ネオ・ジオン残党軍)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 07:28 UTC 版)
「機動戦士ガンダムUC」の記事における「袖付き(ネオ・ジオン残党軍)」の解説
オードリー・バーン 声 - 藤村歩 本作品のヒロイン。バナージと同い年。エメラルド色の瞳に落ち着きのある理性と高貴さを秘めた神秘的な美少女。オードリーという名前は偽名で、正体はザビ家の遺児ミネバ・ラオ・ザビ。ザビ家の末裔であるというその素性は、地球連邦軍に人質に取られた際に明かされる。 オードリーという偽名の由来は女優オードリー・ヘプバーン。ヘプバーンが映画『ローマの休日』で演じた王女に、部下の目を盗んで単独行動する自身の境遇をなぞらえていた彼女が、バナージに名前を聞かれた時にとっさに答えてしまったことによる。なお、アニメ版ではインダストリアル7で『ローマの休日』のリバイバル上映(アニメ作中では『Runaway Princess』という題名になっている)が行われており、その看板を見て彼女が偽名の由来を連想したような演出がなされている。 詳細は「ミネバ・ラオ・ザビ」を参照 フル・フロンタル 声 - 池田秀一 宇宙世紀0096時点におけるネオ・ジオン軍の首魁。階級は大佐。「赤い彗星の再来」と呼ばれる仮面をつけた謎の男。「丸裸(転じて、徹底的な、徹底する)」を意味するその名とは裏腹に、真意を窺い知れぬ謎めいた言動でバナージ達を翻弄。深紅のMSシナンジュを駆り、「赤い彗星」の名に恥じない高い技量とカリスマ性をもってネオ・ジオン残党を糾合し、地球連邦軍と「ラプラスの箱」の争奪戦を繰り広げる。 その素顔や声・口調はシャア・アズナブルに酷似しており、額にはシャアが一年戦争でアムロ・レイにつけられたものと同様の傷痕がある。またシャア同様、宇宙でのMS戦でも基本的にはノーマルスーツを着用せずに赴く。ただし、仮面で素顔を隠しているのは「ファッションのようなもので、プロパガンダと取ってもらってもいい」と語り、序盤のバナージとの対面時にあっさり外して見せている。 小説版での正体は、ネオ・ジオン残党の支援者であるジオン共和国国防大臣モナハン・バハロが差し向けた、シャアに似せて造り上げられた強化人間であった。フロンタル本人は自らを「“器”」と定義しており、「周囲が望むのなら、私は“シャア・アズナブル”であり続けよう」と発言している。またサイコフレームに吸収され、宇宙を漂っていたシャアの意思の一部分が、人類に絶望して似姿である自身に宿っているとも語っている。一方、バナージからは、空虚な個人が他人(シャア)の経験と言葉で自分を飾り立てているに過ぎないと糾弾されており、また本物のシャアを知るミネバからも「お前のような空っぽの人間ではなかった」と断じられている。現状を維持するという目的のため、「箱」を連邦との取引材料に用い、ジオン共和国の自治権放棄を延期する間に外交を駆使して「サイド共栄圏」(=「コロニー共栄圏」)構想を推し進めようと目論み、次第にその邪悪な本性を露わにしていく。眉間を銃弾で撃ち抜かれてもなお動き続けるという、異様な姿で「箱」を求めるフロンタルだったが、その計画はバナージやリディ、ロンド・ベルの活躍によって阻止される事となり、自身もまたユニコーンとの壮絶な激戦の末、巨大なビーム・トンファーで機体を貫かれ敗れる。後にその遺体は、かろうじて生き延びていたアンジェロによって発見される。 アニメ版でのキャラクターは、小説版のような“勧善懲悪ものの悪役”という描き方から“嘘偽りの無い人格者”へと意図的に変更されており、ストーリー担当の福井も、シャアと比べて遥かにしたたかな人物であると語っている。 その正体についても、古橋が「福井とは考えが違う」とした上で、明示を避ける形に変更されている。これに伴い最終決戦の内容とその結末も大幅に変更されており、シナンジュをコア・ユニットとしたネオ・ジオングを最後の乗機として出撃、ユニコーンとバンシィ・ノルンを圧倒的な火力で追い詰める。その最中にユニコーンとネオ・ジオングのサイコフレームが共鳴したことで、一年戦争時のアムロ・レイやララァ・スンのようにニュータイプとしての認識能力を拡大させバナージと共に“刻”を形象として垣間見る。その末に、“刻”の終わりに訪れる虚無の世界を突きつけ、人類が過分な可能性を追うことの無意味さをバナージに説いてねじ伏せようとする。だが、その虚無を目の当たりにしても人の可能性を信じるバナージの熱意に呼応したユニコーンガンダムによる「ソフトチェストタッチ」によって“暖かな光”を注ぎ込まれる。バナージの“熱”を受け入れたフロンタルは自身の中の残留思念をネオ・ジオングごと浄化された。 アニメ版でフロンタルの結末が変わったのは、古橋の案、担当声優の池田秀一の発言を、福井が聞いたうえで考えを改めたとしている。この変更については古橋や池田もコメントを残している。 アンジェロ・ザウパー 声 - 柿原徹也 ネオ・ジオンのMSパイロット。階級は大尉。19歳。中性的な容姿を持つ。フロンタル親衛隊隊長で彼に心酔しており、ミネバからも「危険な男」と称される。シナンジュとの連携を前提にカスタムされた専用ギラ・ズールを駆る。物語中盤からはズール系のフレームにシナンジュの予備パーツを使用したローゼン・ズールに搭乗する。 幼少の頃はジンネマン一家と同じくサイド3の都市グローブに住んでおり、暴徒と化した連邦兵により父を惨殺され、母を強姦された過去を持つ。精神を打ち砕かれた母と共に辛うじて生き残り、母の再婚相手に引き取られるが、毎晩のように性的虐待を加えられる。母の療養のために耐え続けるも、母が自殺すると虚無感に陥り養家を出奔。フロンタルに助けられるまで自暴自棄から男娼として客を取っていた。フロンタルに救われて以後、彼を異常なまでに盲信するようになる。 ラプラスの箱争奪戦でバナージと対峙する度にユニコーンの攻撃で仲間を失い、バナージに執着を見せるフロンタルの態度から、彼個人に対し嫉妬も入り混じった憎悪を抱くようになる。 ローゼン・ズール搭乗後は、戦場にいる者の思惟を感じ取るようになるが、思惟が与える不快感とフロンタルへの疑念から精神的に追い詰められていく。バナージとの決戦では、サイコフレームが共振したことでバナージと精神感応を起こし、自分自身の忌まわしい過去とその内面を覗かれたと激昂。衝動のまま乗機のコックピットをクローアームで突き刺す。戦闘後も一命は取り留めており、息絶えていたフロンタルの遺体を見て涙を流す。 アニメ版では、ユニコーンガンダムとの決戦の展開が若干異なり、ユニコーンとローゼン・ズールのサイコフレームが共振、ユニコーンに手をかざされると精神感応を起こし、自身の心の奥底にあった、アンジェロを真の意味では必要としていない“真実”のフロンタルを突き付けられる。それを認めたくないアンジェロは必死に掻き消そうと、今度はアンジェロを必要としてやまない“理想”のフロンタルの幻影を見てしまう。錯乱状態の中、フロンタルの幻影が差し伸べる手と、ローゼン・ズールが射出していたクローアームを誤認し、自らその身をクローアームに差し出してしまう。結果、現実を認められず自害するような形で戦闘不能となる。これについて福井は「現実を見ることを拒絶した結果、無意識に自害するような行動を取った」という旨の解説をしている。戦闘後の描写もフロンタルの結末が異なるため若干異なり、フロンタルの亡骸と邂逅するのは同じだが、フロンタルの表情を見て、悲しみながらも満足そうな表情で宇宙を見上げる。 追補作品「戦後の戦争」では、0094年6月15日のシナンジュ・スタイン強奪作戦で紫のギラ・ドーガ重装型に搭乗して親衛隊の初陣を飾る。作戦前はフロンタルに対して懐疑的であるが、作戦でのシャアを彷彿させる戦いぶりにその認識を改める。コミカライズ版の『機動戦士ガンダムUC バンデシネ Episode:0』では作戦以前の様子も描かれており、出撃への不安で悪夢を見たり、フロンタルに対し不遜な態度をとったりしているほか、回想で過去の出来事も描かれる。 セルジ・ヘルファー 声 - 早志勇紀 ネオ・ジオンのMSパイロットで、階級は少尉。21歳。フロンタル親衛隊に所属するアンジェロの部下。ギラ・ズールに搭乗。 ネェル・アーガマへの初攻撃時にアンジェロ、キュアロンらとともにフロンタルの部隊に参加。後方警戒の任に就くが、ユニコーンガンダムのビーム・マグナムの流れ弾に巻き込まれる形で撃墜され、戦死。 漫画『『袖付き』の機付長は詩詠う』では、第1話の主人公として登場する。また、漫画『機動戦士ガンダムUC バンデシネ Episode:0』では、アンジェロやキュアロンとともにギラ・ドーガに搭乗して親衛隊の初陣を飾る(ただし小説およびゲーム「戦後の戦争」には登場しない)。 キュアロン・マスカ ネオ・ジオンのMSパイロットで、階級は中尉。フロンタル親衛隊に所属するアンジェロの部下。ギラ・ズールに搭乗。アニメ劇中では名前と乗機しか登場しないが、「戦後の戦争」(ゲーム版)で顔と声が明かされた。 首相官邸ラプラスの残骸での戦いにおいて、アンジェロとともにユニコーンガンダムと交戦。連携攻撃で追い詰めるも、ビーム・トンファーの不意打ちを受けて戦死。 「戦後の戦争」では、アンジェロとともに(『UC バンデシネ Episode:0』ではセルジも)ギラ・ドーガに搭乗して親衛隊の初陣を飾る。 レイル、ラッカー セルジとキュアロンに代わるフロンタル親衛隊隊員たち。 ヒル・ドーソン 声 - 梅津秀行 ネオ・ジオン旗艦レウルーラ艦長。階級は大佐。43歳。物語終盤、マーサの命によって放たれたコロニーレーザーの砲撃に巻き込まれて戦死。 スベロア・ジンネマン 声 - 手塚秀彰 「袖付き」の偽装貨物船ガランシェールの船長。階級は大尉。52歳。一年戦争以前からジオン軍に所属する歴戦の勇士。部下からは「キャプテン」と呼ばれ慕われている。 一年戦争ではアフリカ戦線で終戦を迎え、捕虜生活を余儀なくされる。同時期、連邦占領軍の「ガス抜き(ストレス解消を目的とした大量殺戮、暴行、およびそれらの黙認)」によってグローブに住む妻子を殺された憎しみから収容所時代の部下たちと共にゲリラとして戦い続け、殺戮の記録であるグローブのビデオを取引する闇ルートをしらみ潰しに壊滅させていく。その過程で娼婦として働かされていたマリーダと出会い、亡くなった実娘の名マリィを与えながらも、愛する者を再び奪われることへの恐怖と悔恨から忠実な部下として扱う。グリプス戦役以後(小説ではアクシズ陥落後)はジオンの姫御子であるミネバを守る役割をシャアから与えられ、時には彼女の意向を無視してでもその身を守り続ける。 「ラプラスの箱」の受取人としてインダストリアル7に赴くが、取引きは失敗。パラオ攻略戦では捕虜となったマリーダをガエルと共に奪回しようとするが失敗し、母艦への帰還が不可能となったユニコーンガンダムとバナージを回収し、共に地球へ降下することとなる。降下後はバナージと対立や葛藤を乗り越えて感情を共有するようになり、命懸けでマリーダを救出することに成功する。 再び宇宙に上がった後は生き残ったクルーとともにネェル・アーガマに身を寄せ、一時は隙をついてネェル・アーガマを占拠してジオン共和国軍とフロンタルを受け入れる(アニメ版ではネェル・アーガマを襲撃してきたゼネラル・レビルがフロンタルとアンジェロによって撃退され、更にガランシェールがトライスター隊への陽動で失われたためにミネバやフラスト達と共に「共同戦線」という形で乗り込んでいる)。しかし、明らかになったフロンタルの真意に落胆させられると、ミネバの導きによりネェル・アーガマ搭乗員による艦の奪回を黙認。自失していたが、マリーダのメッセージを受けて再起。マリーダの死後もバナージたちと共闘し、ミネバの放送を守る際にはメガラニカの艦長を請け負う。 マリーダ・クルス 声 - 甲斐田裕子 「袖付き」ガランシェール隊所属の強化人間MSパイロット。 詳細は「マリーダ・クルス」を参照 サボア 声 - 西凜太朗 ガランシェール所属のギラ・ズールのパイロット。ガランシェールのMSパイロットの中ではルーキー扱いをされている。 インダストリアル7襲撃の際、単機で宙域の監視活動を行っていた際にロンド・ベルのMS部隊と接触し、数と機動性の差を覆すことが出来ずに撃墜され死亡する。 ギルボア・サント 声 - チョー ガランシェールの操舵手とギラ・ズールのパイロットを務める、ジンネマンの腹心的存在。30歳。妻と3人の子供がいる。パラオではジンネマンの頼みでマリーダを居候させており、捕らえられたバナージの面倒も見ることになる。一年戦争の際に連邦軍の捕虜となるも、ジンネマンによって収容所から救出された過去を持つ。 ダグザの死により暴走したバナージがガランシェールを撃とうとした際、バナージを止めるためギラ・ズールで体を張って阻止しようと試みるが果たせず、ビーム・マグナムに貫かれ死亡する。 アニメ版では、フル・フロンタルのシナンジュを庇おうとして、ユニコーンのビーム・マグナムに撃ち抜かれ死亡する。 フラスト・スコール 声 - 小山力也 ガランシェールの航行士。27歳。ジンネマンとは捕虜生活からの古い仲である。一年戦争時はグローブに両親がいたが、連邦の蹂躙で町もろとも死亡している。 バナージに対しては険を露わにした態度を取り続けるが、それでもかつての過去を話したりジンネマンとの殴り合いを止めずにいた事からそれなりに悪くは思っていない様子。 アレク 声 - 乃村健次 ガランシェールの予備の操舵手。ギルボア死亡後に操舵手を務める。 ベッソン 声 - 坂詰貴之 ガランシェールの乗組員。トリントン基地への潜入作戦時にド・ダイ改に搭乗するが撃墜され、戦死。 アニメ版には未登場。 クワニ、アイバン ガランシェールのギラ・ズールのパイロット。それぞれ「G(ゴルフ)1」か「G(ゴルフ)2」のコールサインだったが、どちらかは不明。ラプラス・プログラムの最終座標まではネェル・アーガマの直援を務める。 トムラ 声 - 小松史法 ガランシェールのMS整備士。24歳。メカの話が出来れば誰でもいいというタイプで、ガランシェールではよそ者扱いのバナージとも屈託なく接する。回収されたユニコーンの整備も行い、クシャトリヤのオプションパーツであったビーム・ガトリングガンを取り付ける。 ペペ・メンゲナン 「袖付き」の根拠地である資源衛星パラオの総督。浅黒い顔に脂肪を蓄えた巨体を持ち、トーガ風の衣装を纏っている。成金趣味でジオン信奉者。 先祖はアステロイド・ベルトの開拓に生涯を費やした。宇宙放射線病で早くに父を亡くし、母や兄弟達と貧困に窮したが、労働組合の代表に就任。劣悪な労働環境の改善に努める一方、デモやストライキを煽動し政財界に自分の存在をアピールすることに成功する。戦時中には艦艇修理で財をなしたベルガミノ一族と関係が深く、旧サイド6政府との腐れ縁もある。 アニメ版には未登場。 テニスン・バゲット テニスン艦隊司令。ルウム戦役にも参加した優秀な司令官で、階級は大佐。指揮する艦隊は長年の演習訓練により暗礁宙域での艦隊戦には絶対的な自信を持つ。 テニスン艦隊は、ムサカ級巡洋艦9隻、偽装貨物船6隻、MSがおよそ72機からなる大部隊で、テニスンは艦隊旗艦となるガロムに座乗して指揮を執る。 インダストリアル7に急ぐネェル・アーガマの前に艦隊で立ち塞がるが、フルアーマー・ユニコーンガンダムの圧倒的な戦闘力の前に敗れ去る。 アニメ版には未登場。 ガジュマル テニスン艦隊所属のムサカ級グスコーを指揮する中佐。 アニメ版には未登場。
※この「袖付き(ネオ・ジオン残党軍)」の解説は、「機動戦士ガンダムUC」の解説の一部です。
「袖付き(ネオ・ジオン残党軍)」を含む「機動戦士ガンダムUC」の記事については、「機動戦士ガンダムUC」の概要を参照ください。
袖付き(そでつき)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 07:28 UTC 版)
「機動戦士ガンダムUC」の記事における「袖付き(そでつき)」の解説
本作品におけるネオ・ジオン残党軍の通称。使用するMSに襟や袖状のエングレービングが施されているため、連邦などからは「袖付き」と呼称されている。この装飾の理由は、第二次ネオ・ジオン抗争後、雑多な勢力の寄り合い所帯となった軍をまとめるための意匠であったとされる。所属する当事者たちは、この呼称を蔑称と捉えている者が多く、基本的には用いない。
※この「袖付き(そでつき)」の解説は、「機動戦士ガンダムUC」の解説の一部です。
「袖付き(そでつき)」を含む「機動戦士ガンダムUC」の記事については、「機動戦士ガンダムUC」の概要を参照ください。
- 袖付きのページへのリンク