氷点
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/03 05:42 UTC 版)
テレビドラマ
1966年
- 1月23日 - 4月17日、NETテレビで連続ドラマ化。白黒作品。全13話。放送時間(日本時間)は毎週日曜22:00 - 23:00。出演は新珠三千代、内藤洋子[注釈 2]、芦田伸介、市原悦子、田村高廣、北村和夫。特別出演で遠藤周作の出演もあった。
- 新珠三千代が養女・陽子いじめの悪女・夏枝を演じ演技派女優としての評価を高めた。徹役を務めた岸田森が、この作品でTV本格デビュー。平均30%以上の視聴率を記録し、最終回の視聴率が42.7%(ビデオリサーチ・関東地区調べ)[7]という大ヒット作となった。1960年代におけるNETテレビの最高視聴率でもある。北海道では北海道テレビ放送がまだ未開局(1966年当時の既存局は北海道放送と札幌テレビ放送の2局のみ)のため、キー局の放送時間帯とは異なる日曜日の昼過ぎの放送だったが、非常な人気を博し、その時間帯には目に見えて外出する人が少ないとさえ言われた。
キャスト
- 辻口夏枝:新珠三千代
- 辻口陽子:内藤洋子
- 辻口徹:岸田森
- 辻口啓三:芦田伸介
- 藤尾辰子:市原悦子
- 村井靖夫:田村高廣
- 高木:北村和夫
- 事務長:藤原釜足
- 北原:井上紀明
- アパート管理人:遠藤周作(特別出演)
- 宮城県では、1966年3月19日から6月11日まで東北放送で、土曜 15:00 - 16:00に放送された[8]。
- 福島県では、1966年5月7日から7月30日まで福島テレビで、土曜 14:00 - 15:00に放送された。また、同年7月19日から10月11日まで、火曜 22:00 - 23:00に再放送されている[9]。
- 石川県では、1966年4月2日から北陸放送で、土曜 15:46 - 16:46に放送された[10]。
- 静岡県では、1966年4月20日から静岡放送で、水曜 14:56 - 15:56に放送された。
- この作品は放送当時高価だった2インチVTRにて記録されていたが、全話のVTRがテレビ朝日に現存・保存されている。後にセルビデオとDVDボックスが発売された。
- テレビ朝日を代表する人気番組として幾度も再放送されている。1967年4月3日から6月までの毎週月曜13:45 - 14:45[11]を皮切りに、NETがテレビ朝日に社名変更した後の1977年10月3日から12月までの月曜 - 金曜 9:45 - 10:50にそれぞれ関東ローカル[12]、2006年11月8日を初日にCS・テレ朝チャンネルなど。特筆されるものとして、日本ルーテル・アワーの提供[13]で1970年10月3日より12月までの土曜 13:00 - 14:00にNETテレビ、北海道テレビ、福島中央テレビ[14]、中京テレビ、瀬戸内海放送にて5局同時ネットで放送された[注釈 3][注釈 4][15]。
1971年
- 1月4日 - 3月12日、TBS・「花王 愛の劇場」でドラマ化。本作以降すべてカラー作品。脚本は中井多津夫、音楽は土田啓四郎、監督は杉江敏男・野長瀬三摩地、プロデューサーは菅芳久、制作は東宝。出演は夏江:小山明子、啓造:安井昌二、陽子:西山恵子、村井:久保明、徹:池田秀一、高木:内田稔、北川陽一郎、伊藤めぐみ、渡辺澄子、小泉敦子、桶田奈保美。ナレーター:内藤武敏。映像は全話現存している。主題歌:ザ・ブルーベルシンガーズ[16]。
- 10月25日 - 1972年 1月24日、前作の続編となる『続・氷点』がNET(現テレビ朝日)系にてドラマ化(月曜22時の『ポーラ名作劇場』内)。出演は南田洋子、二谷英明、島田陽子、近藤正臣、細川俊之、田村亮、石橋正次、高橋昌也、草笛光子、音無美紀子。映像は現存していない。
1981年
- 3月30日 - 6月26日、毎日放送の昼ドラマ枠「妻そして女シリーズ」で放送。出演は野際陽子、近藤洋介、荻島眞一、加賀まりこ、飯塚雅弓、高原陽子。映像は現存していない。
- 4月9日、よみうりテレビの「木曜ゴールデンドラマ」として単発ドラマ放送。出演は紺野美沙子、三田佳子、中村敦夫、長門裕之、加藤純平、野川由美子、寺田農、石田純一。
1989年
氷点 | |
---|---|
ジャンル | テレビドラマ |
原作 | 三浦綾子『氷点』『続 氷点』 |
企画 |
久野浩平 関口恭司 |
脚本 | 井沢満 |
演出 | 大野木直之 |
出演者 |
いしだあゆみ 世良公則 野村宏伸 万里洋子 泉ピン子 高橋ひとみ 上條恒彦 津川雅彦 |
ナレーター | 山本學 |
音楽 | 福井峻 |
製作 | |
プロデューサー |
北崎たか子 稲垣健司 財前定年 |
制作 |
テレビ朝日 PDS |
放送 | |
放送国・地域 | ![]() |
放送枠 | テレビ朝日開局30周年記念ドラマ |
前編 | |
出演者 | レオナルド熊 |
放送期間 | 1989年4月6日 |
放送時間 | 20:02 - 22:24 |
各話の長さ | 142 |
回数 | 1 |
放送ライブラリー | |
後編 | |
出演者 | 高嶋政宏 高木ブー 島田陽子 |
放送期間 | 1989年4月7日 |
放送時間 | 20:02-22:24 |
各話の長さ | 142 |
回数 | 1 |
放送ライブラリー |
4月6日・4月7日、テレビ朝日開局30周年記念ドラマとして、2夜連続で放送した。2023年1月26日と2月2日の2週にわたって、BS12のサスペンス傑作選として再放送した。
キャスト(1989年)
- 辻口夏枝 - いしだあゆみ
- 村井靖夫 - 世良公則
- 辻口徹 - 野村宏伸
- 辻口陽子 - 万里洋子
- 伐石土雄 - 坂口芳貞
- 新聞屋店主の妻 - 五月晴子(前編)
- 北原邦雄 - 高嶋政宏(後編)
- 藤尾辰子 - 泉ピン子【友情出演】
- 松崎由香 - 高橋ひとみ
- 新聞屋店主 - レオナルド熊(前編)
- 近所の商店主 - 高木ブー(後編)
- 邦雄の父 - 塚本信夫(後編)
- 恵子の息子 - 工藤正貴(後編)
- 高木雄一郞 - 上條恒彦
- 三井恵子 - 島田陽子(後編)【特別出演】
- 辻口啓造 - 津川雅彦
- ナレーション - 山本學
- 加賀谷純一(前編)、菊池かおり(前編)、西村淳二(前編)、中野慎(前編)、平田哲也、小川京子、井上彩、島智子(前編)、合田道人(前編)、新井量大(前編)、久保晶(前編)、北川智繪(前編)、鈴木みえ(前編)、真田栄子(前編)、尾留川郁子(前編)、甲高由紀子(前編)、新井直美(前編)、松井信子(後編)、工藤裕美(後編)、永井くみ子(後編)、谷崎尚之(後編)
スタッフ(1989年)
- 原作 - 三浦綾子『氷点』『続 氷点』
- 企画 - 久野浩平、関口恭司
- 脚本 - 井沢満
- 演出 - 大野木直之
- ナレーター - 山本學
- 音楽 - 福井峻
- プロデューサー - 北崎たか子、稲垣健司、財前定年
- 制作 - テレビ朝日、PDS
2001年
7月12日 - 9月20日、『氷点2001』としてテレビ朝日系列の木曜ドラマ枠で放送。陽子役(8代目)は末永遥をオーディションで選出。
舞台は現代の鎌倉に変更。アイテムも手紙の代わりに電子メールを使用する。
キャスト(2001年)
スタッフ(2001年)
- 脚本:中園ミホ(1・2話、3 - 10話は脚本協力)、相内美生(3・5 - 10話)、小野沢美暁(4、7話)
- 演出:阿部雄一(1・2・5・10話)、今井和久(第3・4・6・7・9話)、植田尚(8話)
- 音楽:羽毛田丈史
- 主題歌:鬼束ちひろ「infection」
- 技術協力:バル・エンタープライズ
- スタジオ:砧スタジオ
- プロデューサー:杉山登(テレビ朝日)、志村彰、次屋尚(MMJ)
- 制作:テレビ朝日、MMJ
サブタイトル(2001年)
各話 | 放送日 | サブタイトル | 脚本 | 演出 | 視聴率 |
---|---|---|---|---|---|
第1話 | 2001年7月12日 | 娘、陽子を私は憎んでいる!! | 中園ミホ | 阿部雄一 | 10.8% |
第2話 | 2001年7月19日 | 娘をいじめ始める母 | 9.5% | ||
第3話 | 2001年8月2日 | 殺意 | 相内美生 | 今井和久 | 8.5% |
第4話 | 2001年8月9日 | 15年間育ててくれてありがとう | 小野沢美暁 | 8.4% | |
第5話 | 2001年8月16日 | 母の浴衣が着たかった… | 相内美生 | 阿部雄一 | 8.2% |
第6話 | 2001年8月23日 | お兄ちゃんに抱きしめられた夜 | 今井和久 | 9.5% | |
第7話 | 2001年8月30日 | 涙をみせない怖い少女 | 相内美生 小野沢美暁 |
10.6% | |
第8話 | 2001年9月6日 | そんなにあの子が大切ですか | 相内美生 | 植田尚 | 9.7% |
第9話 | 2001年9月13日 | 涙の遺言 | 今井和久 | 10.1% | |
最終話 | 2001年9月20日 | お願い、死なないで | 阿部雄一 | 11.9% | |
平均視聴率9.7% (視聴率は関東地区・ビデオリサーチ社調べ) |
※ 7月26日は『世界水泳福岡』中継のため休止。
放送局
テレビ朝日、北海道テレビ放送、青森朝日放送、岩手朝日テレビ、東日本放送、秋田朝日放送、山形テレビ、福島放送、新潟テレビ21、北陸朝日放送、福井放送(日本テレビ系とのクロスネット・時差ネット)、長野朝日放送、山梨放送(日本テレビ系・時差ネット)、静岡朝日テレビ、名古屋テレビ放送、朝日放送、山陰放送(TBS系・時差ネット)、瀬戸内海放送、広島ホームテレビ、山口朝日放送、四国放送(日本テレビ系・時差ネット)、愛媛朝日テレビ、高知放送(日本テレビ系・時差ネット)、九州朝日放送、長崎文化放送、熊本朝日放送、大分朝日放送、鹿児島放送、琉球朝日放送、KIKU-TV(アメリカ・ハワイ州。2008年。全編英語字幕付)
2006年
テレビ朝日系列でスペシャルドラマとして11月25日・11月26日放送。主役の陽子役(9代目)に石原さとみ。徹役に手越祐也(NEWS)。前編が「氷点」、後編が「続・氷点」の内容。基本は原作に沿っているものの高木と村井が従兄弟関係ではなく、辰子が夏枝の親友ではなく従姉になっている。家政婦の次子は登場しない。洞爺丸事故のエピソードがすべてカットされていたりとほかにも改変がみられる。
キャスト(2006年)
- 辻口陽子:石原さとみ
- 辻口夏枝:飯島直子
- 島田辰子:岸本加世子
- 辻口徹:手越祐也(NEWS)
- 村井靖夫:北村一輝
- 松崎由香子:本上まなみ
- 北原壮太:窪塚俊介
- 三井達哉:中尾明慶
- 相沢順子:貫地谷しほり
- 加納由美:安田美沙子
- 三井恵子:賀来千香子
- 和田刑事:小野武彦
- 佐石土雄:吹越満
- 辻口ルリ子:永井穂花
- 辻口徹(少年期):十川史也
- 辻口陽子(少女期):森迫永依
- 辻口陽子(老年期):竹下景子
- 北原壮太(老年期):津川雅彦(1966年大映版に北原役で出演)
- 高木裕介:陣内孝則
- 辻口啓造:仲村トオル
- 北雪牛乳販売店 店主:木村祐一(前編)[17]
- 北雪牛乳販売店 店員:大島蓉子(前編)[18]
スタッフ(2006年)
- 脚本:野依美幸
- 音楽:アンドレ・ギャニオン
- 主題歌:元ちとせ「六花譚(ロッカバラード)」
- 制作統括:早河洋
- チーフプロデューサー:五十嵐文郎(テレビ朝日)
- プロデューサー:内山聖子(テレビ朝日)、梶野祐司(ホリプロ)
- 協力プロデューサー:牧義寛(シネハウス)
- 監督:藤田明二(テレビ朝日)
- 制作協力:ホリプロ、シネハウス
- 制作:テレビ朝日
サブタイトル(2006年)
各話 | 放送日 | 視聴率 |
---|---|---|
前編 | 2006年11月25日 | 12.6% |
後編 | 2006年11月26日 | 17.3% |
注釈
- ^ なお、1000万円懸賞小説でこれ以外の入賞作品は「2席・山家慕情(志田石高)」、「2席・享保長崎記(山脇悌二郎)」「2席・異郷の人(高木俊朗)」などであった。
- ^ 映画『赤ひげ』を観た新珠三千代のたっての願いで陽子役は内藤洋子に決まる。
- ^ ただし、NETのみ再放送、北海道テレビは本放送当時に北海道放送で、福島中央テレビは本放送当時に福島テレビで、中京テレビは本放送当時に名古屋放送(現在のメーテレ)でそれぞれ放送済みのため実質的な再放送扱い。それ以外のネット局では本放送扱い。
- ^ 番組の終盤で当時、北海道地区のルーテル教会の牧師であった門木文雄と原作者である三浦綾子の対談も毎回放送された。
出典
- ^ 三浦綾子「氷点あれこれ」『氷点を旅する』p. 36. 初出は警視庁『自警』1967年4月号
- ^ a b 三浦光世「小説氷点に思う」『氷点を旅する』p. 60. 2004年3月
- ^ 三浦綾子『草のうた』角川書店、1986年 ISBN 978-4048724524
- ^ 高野斗志美「愛に満ちた生涯」『氷点を旅する』p. 88. 1998年3月
- ^ 「小説氷点を終わって」『氷点を旅する』p. 164. 初出は「朝日新聞」1965年11月15日
- ^ 旭川・忠別川に建設中の橋 「氷点橋」「クリスタル橋」に - 47News・2010年10月1日
- ^ 引田惣弥『全記録 テレビ視聴率50年戦争―そのとき一億人が感動した』講談社、2004年、95頁、223頁。ISBN 4062122227
- ^ 『福島民報』1966年3月19日 - 6月11日付朝刊テレビ欄。
- ^ 『福島民報』1966年5月7日 - 7月30日、7月19日 - 10月11日付朝刊テレビ欄。
- ^ 『北國新聞』1966年4月2日付朝刊、テレビ欄。
- ^ 全国朝日放送株式会社総務局社史編纂部 編『テレビ朝日社史 : ファミリー視聴の25年』全国朝日放送、1984年2月1日、376頁。NDLJP:12276014/458。
- ^ 全国朝日放送株式会社総務局社史編纂部 編『テレビ朝日社史 : ファミリー視聴の25年』全国朝日放送、1984年2月1日、382頁。NDLJP:12276014/464。
- ^ 全国朝日放送株式会社総務局社史編纂部 編『テレビ朝日社史 : ファミリー視聴の25年』全国朝日放送、1984年2月1日、378頁。NDLJP:12276014/460。
- ^ 『福島民報』1970年10月3日付朝刊テレビ欄。
- ^ コンコーディア社「月刊福音手帖」1970年10月号巻末「日本ルーテル教団・教会だより」 6ページ。
- ^ 金城哲夫研究会公式ブログ(2010年7月23日)
- ^ オリコン|木村祐一|ドラマ出演情報
- ^ オリコン|大島蓉子|ドラマ出演情報
- ^ "빙점" KMDb. 2022年9月13日閲覧。
- ^ "빙점 81" KMDb. 2022年9月13日閲覧。
- ^ "빙점 81" Daum. 2022年9月13日閲覧。
- ^ a b c d e f g h "등장인물" MBC. 2022年9月13日閲覧。
- ^ a b c d "만드는 사람들" MBC. 2022年9月13日閲覧。
- 1 氷点とは
- 2 氷点の概要
- 3 逸話
- 4 テレビドラマ
- 5 海外でのリメイク
- 6 脚注
- >> 「氷点」を含む用語の索引
- 氷点のページへのリンク