東武鉄道
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車両
1899年(明治32年)8月27日の北千住駅 - 久喜駅間開業時にイギリスのベイヤー・ピーコック製蒸気機関車を導入した。1910年(明治43年)7月13日には、新伊勢崎駅 - 伊勢崎駅間が開通して、伊勢崎線浅草駅(現・とうきょうスカイツリー駅) - 伊勢崎駅間が全通し国有鉄道両毛線と連絡する。 浅草駅 - 伊勢崎駅間や佐野線館林駅 - 葛生駅間の直通運転に備えて山陽鉄道から譲受した国有化された5900形と同形のボールドウィン製D1形を増備した。1922年(大正元年)には第一次世界大戦後の好況期を迎え、機関車が不足したためシャープ・スチュアート製の5650形6両が追加された。1924年(大正13年)には伊勢崎線が電化されたが、旅客列車に限られたもので、貨物列車には蒸気機関車が継続して使用された。1955年(昭和30年)には第一次5か年計画で、貨物線の電化が掲げられ、1958年(昭和33年)から電化工事や電気機関車の新造により、東上線は1959年(昭和34年)4月1日に貨物列車が電化された。1960年(昭和35年)の第二次5カ年計画では伊勢崎線系統の非電化の貨物線の電化工事が推進した。1966年(昭和41年)6月30日には蒸気機関車が全廃された。以降は路線網の縮小や貨物輸送が廃止され、2003年(平成15年)には電気機関車が全廃された。一方2017年(平成29年)からSL大樹用に蒸気機関車・ディーゼル機関車・客車を保有するようになったが、これは大手私鉄では唯一の存在である。
通勤形車両については戦後、20m4扉車の導入に積極的であり、63形電車を譲り受けた7300系を皮切りに日比谷線直通を除く各線区へ20m車を大量導入していった[注釈 5]。1963年(昭和38年)に登場した8000系は私鉄電車では最多の712両が20年間に渡って製造されたため、「私鉄の103系」の異名を持つ。
東武は関東大手私鉄の中では車両を更新・修繕して長期間使用する傾向が強い。そのため、旅客用車両の転出は他の大手私鉄と比較して極めて少ない。旧型車より台車・電装品など主要機器を流用して車体を新造した車両(機器流用車)を「更新車」と呼称し、一方、元来の車体を生かしてリニューアル工事を施工した車両を「修繕車」と呼称して区分している。前者は3000系列・5000系列・200型などが該当し、後者は8000系・9000系列・10000系列などが該当する。更新車は廃車に伴い次第に少なくなっているが、2020年(令和2年)時点でも6050系・200型が現役で、後者の機器類は新造から60年以上経過しているものがある。
多くの大手私鉄の優等列車の車両は先頭車を展望車にしたり、前面展望が可能な設計にしているが、東武鉄道の優等列車の車両はN100系「スペーシアX」以外は前面展望が不可能な構造になっている。ただし臨時特急にも運用されたことがある団体用車両「スカイツリートレイン」634型は客室側窓を拡大した展望車両となっているほか、SL大樹には2021年(令和3年)から12系客車を改造した展望車の連結を開始している。このほか、過去にはトク500形という展望客車を保有していたことがある。
他社から乗り入れてくる車両については、「JR東日本との相互直通運転列車」の節のほか、「伊勢崎線」・「日光線」・「鬼怒川線」・「東上本線」の各項目を参照のこと。
優等列車・団体列車用
- N100系(スペーシアX:日光線・鬼怒川線特急)
- 100系(スペーシア:日光線・鬼怒川線特急/JR線直通特急)
- 200系(200型)(りょうもう:伊勢崎線特急)
- 500系(リバティ:伊勢崎線・日光線・鬼怒川線特急/野岩鉄道・会津鉄道直通列車)
- 6050系(鬼怒川線/野岩鉄道直通列車)
- 634型(スカイツリートレイン:団体臨時列車)
-
特急用車両「スペーシアX」(N100系)
-
特急用車両「スペーシア」(100系)
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特急用車両「りょうもう」(200系)
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特急用車両「リバティ」(500系)
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鬼怒川線を中心に運用される6050系
-
団体専用列車や臨時列車として使われる634型
通勤列車用
- 70000系(70000型・70090型) (伊勢崎線・日光線・地下鉄日比谷線乗り入れ用)
- 60000系 (野田線用)
- 50000系(50000型・50050型・50070型・50090型) (50000型は東上本線・一部は伊勢崎線・日光線・地下鉄半蔵門線・東急田園都市線乗り入れ用、50050型は伊勢崎線・日光線・地下鉄半蔵門線・東急田園都市線乗り入れ用、50070型は東上本線・地下鉄有楽町線・副都心線・東急東横線・横浜高速みなとみらい線乗り入れ用、50090型は東上本線の地上線用)
- 30000系 (東上本線の地上線用)
- 20000系(20410型・20420型・20430型・20440型) (日光線南栗橋 - 東武日光間および鬼怒川線、宇都宮線用)
- 10000系(10000型・10030型/50番台・10080型) (伊勢崎線・日光線・野田線・東上本線の各地上線用。10080型は伊勢崎線・日光線用)
- 20000系(20000型・20050型・20070型・20400型) (伊勢崎線・日光線・地下鉄日比谷線乗り入れ用。20400型は日光線・宇都宮線用)
- 9000系(9000型・9050型)(東上本線・地下鉄有楽町線・副都心線・東急東横線・横浜高速みなとみらい線乗り入れ用)
- 8000系(8000型・8500型・800型・850型)(東上本線ワンマン区間・越生線・野田線・亀戸線・大師線・北部ローカル線用。800型・850型は伊勢崎線ワンマン区間・佐野線用)
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日比谷線乗り入れ各停用の70000型
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THライナーにも使用される70090型
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野田線用の60000系
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東上線の地上運用(一部は地下鉄半蔵門線・東急田園都市線乗り入れ急行・準急用)に使用される50000型
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地下鉄半蔵門線・東急田園都市線乗り入れ急行・準急用の50050型
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東上線・地下鉄有楽町線・副都心線・東急東横線・横浜高速みなとみらい線乗り入れ用の50070型
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東上線で運用されるTJライナー用(一部は他の列車にも運用)の50090型
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東上線の地上運用に使用される30000系
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日光線・鬼怒川線・宇都宮線で運用される20400型
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本線系・東上線で運用される10000型
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本線系・東上線で運用される10030型
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本線系・東上線で運用される10030型50番台
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東上線で運用される9000型
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東上線・地下鉄有楽町線・副都心線・東急東横線・横浜高速みなとみらい線乗り入れ用の9050型
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東武鉄道の各線で使用される8000型
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東武博物館所有で臨時列車・団体列車に使用される8111F。8000系で唯一原型顔で残存する車両。 2023年11月から野田線で定期運用中。
蒸気機関車・ディーゼル機関車・客車・貨車
- C11形蒸気機関車
- C11 207(北海道旅客鉄道所有)[68]
- C11 325
- C11 123
- 2018年11月、静態保存されていたC111(1947年製造、江若鉄道→雄別鉄道→釧路開発埠頭)を東武博物館が譲受し、動態復元工事を開始した。なお復元後の車番は「C11 123」とすることになった。2022年7月18日から「SL大樹」3号機として運転開始と発表され[73]、同日から「SL大樹」の運行に就いている[74]。
- 当初「SL大樹」2号機として2020年頃に運転開始することを目指していたが[75]、復元作業の難航と新型コロナウイルスの影響により作業が遅れていることを受け、完成目途を2021年冬に延期とした[72]。同年12月に行われた火入れ式では、2022年春に運行開始予定であることが発表された[76]が、2022年4月の試運転時には営業運転開始は同年7月の予定に変更された[77]。
- DE10形ディーゼル機関車(DE10-1099・1109)
- 14系客車(スハフ14-1・5、オハ14-1、オハフ15-1/オハ14-504・505、スハフ14-501・508)
- 12系客車(オハテ12-1・2)
- 「SL大樹」用にJR四国より譲り受けた客車。元はグリーン座席車のオロ12形であったが、座席のボックスシート化や展望スペースの設置など大規模な改造を受け、2021年より「SL大樹」で運用されている。車籍は東武鉄道だが、所有は東武博物館[70]。
- ヨ8000形貨車(ヨ8634・8709)
なお、SL大樹・DL大樹に関わる機関車・客車・貨車については、いずれもJR所属時代の付番体系を維持している。
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C11形蒸気機関車 (C11 207)
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14系客車
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DE10形ディーゼル機関車 (DE10 1099)
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下今市機関区
導入予定の車両
- 野田線用新型車両(80000系)
過去の車両
- 優等列車用電車
- 1700系・1720系「デラックスロマンスカー」(けごん:日光線特急/きぬ:鬼怒川線特急)
- モハ3210形・クハ250形(日光線・鬼怒川線準快速)
- モハ5310形・クハ350形(日光線・鬼怒川線特急→伊勢崎線急行、日光線・鬼怒川線急行・快速および団体臨時列車)
- モハ5320形・モハ5800形・クハ340形(日光線・鬼怒川線快速急行・快速および団体臨時列車)
- 5700系(日光線・鬼怒川線特急→伊勢崎線急行→日光線・鬼怒川線快速急行・快速および団体臨時列車)
- トク500形(日光線・鬼怒川線用展望車、元貴賓車)
- 6000系(日光線・鬼怒川線快速急行・快速)
- 1800系(伊勢崎線急行および団体臨時列車)
- 300系(特急および団体臨時列車)
- 200系(250型)(伊勢崎線特急)
- 通勤形電車
- 2000系・2080系(地下鉄日比谷線乗り入れ用・2080系は野田線用)
- 3000系・3050系・3070系(16 - 18m級旧形車の更新車で、種車は3000系が3200系、3050系が5400系、3070系が5310系)
- 3200系(昭和初期に製造された旧デハ4形をはじめとした東武形電車、通称デッカー)
- 5000系・5050系・5070系(7800系の更新車)
- 5400系(旧デハ7形の一部とデハ1200形以降に製造された東武形電車など、通称PR)
- 7300系(戦後の混乱期に運輸省よる国鉄63系の割当車、後に7800系と同系車体に更新)
- 7800系(7300系を基に設計された20m級4扉の通勤形電車)
- 軌道線用電車
- 電気機関車(本線系統・東上線系統用)
- ED3000形(旧総武鉄道デキ1形)
- ED4000形(旧ED10形)
- ED4010形・ED4020形
- ED5000形
- ED5010形・ED5050形
- ED5060形・ED5080形
- 電気機関車(軌道線用) ※下記の2形式については東武日光軌道線#車両を参照。
- 気動車
- キハ2000形(熊谷線用)
- 蒸気機関車
- 貨車
- ホキ1形(バラスト散布用)
- ヨ101形・ヨ201形(車掌車)
- 郵便車・荷物車
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かつての東武を代表する特急用車両1720系
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「りょうもう」に使用された1800系
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急行形から通勤形に格下げ改造された1800系
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「きりふり」に使用された300系
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東武初の高性能車であり初代日比谷線直通車両の2000系
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2000系を組み替えた2080系
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18mの通勤形だった3000系列
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東武最後の吊り掛け駆動車であった5050系
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東武最初の電車デハ1形
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登場時の5700系
通称「猫ひげ」 -
その後、5700系は貫通型となった
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モハ63系の東武版7300系
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東武最後の気動車であるキハ2000形
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東武最初の電気機関車のひとつED10形
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東武最後の電気機関車であったED5060形
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日光軌道線の100形は岡山電気軌道で現役
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開業時に用意された蒸気機関車B1形5号
東武鉄道の車両を製造したメーカー
- ナニワ工機→アルナ工機→アルナ車両
- 阪急阪神東宝グループの企業。元々初代・嘉一郎と阪急電鉄の創業者・小林一三の間に親交があったことから、1951年(昭和26年)の5700系を皮切りに取引が始まり、以後100系(スペーシア)・1720系 (DRC)、1800系・2000系・8000系・9000型・10000型・20000型・30000系を竣工。なおかつ新形式を起こす場合、その初号編成をアルナに発注していた(9000型は最初の10両中4両を担当)。また、7800系から5050系・5070系への車体更新、6000系から6050系への車体更新、1720系から200型への更新、そして1800系から300型・350型への改造工事も同社が行った。
- バブル崩壊以降、阪急の業績不振もあり、2001年度に同社は債務超過に陥り、鉄道車両製造から撤退。新たに設立されたアルナ車両へ路面電車製造および車両更新工事の事業を引き継いだ。現在でも8000系・10000型のリニューアル工事で津覇がアルナ車両の下請けの形を取るなど細々と関係が続いている。
- 東急車輛製造[注釈 6](現事業・総合車両製作所[注釈 7])
- 東急グループの企業で、取引は1954年(昭和29年)熊谷線の気動車キハ2000形・7800系の製造より始まった。以後他の車両製造はしなかったが1973年の8000系から製造を始め、100系・200型・6050系・9000型・10000型・20000型・30000系などを竣工した。同社は早くからアメリカ・バッド社 (The Budd Company) と技術提携し、ステンレス車両製造を行っている。東武初のステンレス車9000型の製造を手掛けたのも同社である。30000系製造終了以後は新車取引がないが、総合車両製作所発足直後に6050系のうち4両が横浜事業所に入場し[80]、634型「スカイツリートレイン」に改造された。
- 宇都宮車両→富士重工業(現・SUBARU)
- 宇都宮線江曽島駅 - 南宇都宮駅間にある宇都宮製作所で気動車中心に鉄道車両を竣工していた(電車は黎明期を除き東武向けのみ)。宇都宮車両時代の1949年から1954年にかけて、国電戦災復旧車クハ450形、木造客車を鋼体化したクハ500形やクハ550形などの制御車、7800系の一部、日光軌道線の100形・200形を竣工。1965年の8000系2R車(2両編成)から取引が復活し、2000系(中間車)・6050系・9000型・10000型・30000系などの電車、ホキ1形・トキ1形・ワラ1形などの貨車を製造した。また、7800系から5070系への車体更新も行った。
- しかし生産両数の減少から、同社は自動車部門(スバル)と航空宇宙部門(米ボーイング社向け分担生産等)へ経営資源の集中を決定、2003年2月に新潟トランシスへ鉄道車両事業を譲渡した。また、同時期に撤退したバス車体部門も伊勢崎市に工場があり、東武バス向けに多数製作した。
- 日立製作所
- 電気機関車のED5010形やED5050形・7800系を竣工後、長い間取引がなかった。ただし、制御装置など電装品での取引は長らくあった。アルナ工機の鉄道車両事業の事実上の受け皿になったことをきっかけに、2004年の50000型から取引再開。50000系列と60000系の全車が同社笠戸事業所で竣工したほか、N100系(スペーシアX)も日立に発注されている。また、9000型・9050型の副都心線乗り入れに伴う改造工事を日本電装と、20000系列の栃木地区転用に伴う改造工事を津覇とともに行った(後述)。施工車両には日立と日本電装、または津覇の連名のプレートが取り付けられている。
- 日本車輌製造
- 愛知県名古屋市に本社を置くJR東海グループの会社。1971年(昭和46年)まで埼玉県蕨市に東京支店工場(蕨工場)があり、短距離の甲種輸送で済むため東武鉄道との取引が多かった。本線は北千住、東上本線は下板橋(赤羽線板橋駅を介していた)と川越(国鉄川越線は当時非電化で大宮 - 川越間は蒸気機関車9600形やディーゼル機関車DE10形などで牽引していた)で引き渡していた。黎明期の客車を始め、東武最初の電車デハ1形、東武形電車デハ4形 - 6形・デハ10系・運輸省規格形モハ5300形やクハ330形、戦後に木造客車を鋼体化したクハ500形・63系割当車7300系・5700系・7800系・1720系・1800系・6000系・8000系ほか、総武鉄道からの編入車モハニ1101形やクハ1201形などを竣工したが、東京支店工場閉鎖後はアルナや富士重工・東急車輛に注文が流れ、取引が無くなった。
- 汽車製造(汽車会社)
- 東京都江東区に東京支店(工場)があった関係上、日車同様甲種輸送には短距離で済むため取引が多かった。デハ2形・ デハ4形 - 6形・デハ10系・戦時規格統制形クハ1200形・運輸省規格形モハ5300形・5700系・7800系と吊り掛け車を中心に竣工し、1963年の8000系2編成(8104F・8105F)をもって取引が終了した。なお、同社は1972年に川崎重工業に吸収合併された。
- 川崎重工業→川崎車両(旧:川崎造船所、川崎車輛)
- 兵庫県神戸市に本社を置く。1927年から翌年にかけてデハ4形 - 6形の一部のほか、下野電気鉄道からの編入車デハニ101形や、63系割当車7300系を製造した。他社向けとは違いいわゆる“川造型”の納入はなかった。2016年度から、久々の川重での東武向け新造車両となる500系を製造している[81]。
- 近畿車輛
- 大阪府東大阪市にある近鉄グループの企業。日比谷線直通用車両70000系を東京メトロ13000系と一括で受注し全車製造した[82](東京メトロ13000系電車#概要も参照)。
- 東芝(旧:東京芝浦電気)
- いずれも電気機関車で、東芝戦時形のED4010形やED4020形、箱型機のED5000形・ED5060形・ED5080形を竣工した。電装品では車両空調装置や30000系の運転台製作を担当している。
- 東洋電機製造
- 日光軌道線の電気機関車ED610形を竣工した(車体は東洋工機が担当)。主に電装品を担当し、パンタグラフや、7800系・20000型・9050型では制御装置やモーターなどを総合的に関与、8000系など日立製制御装置搭載車ではモーターを担当。
- 大栄車輌
- 運輸省規格形クハ330形の一部および3000系を竣工した。そのほか東武に譲受された国電の戦災車や事故車の復旧を行った。
- 津覇車輌工業
- 旧西新井工場で東武車両の改造や更新作業を行ってきた特殊車両製造会社だが、東武系の企業ではない。7300系の更新、16 - 18m級旧形電車の3000系への更新、7800系の5000系への更新、8000系の冷房化改造や車体修繕工事などを手掛けた。
- 2004年に西新井工場を閉鎖し、館林へ移転後は8000系・10000型・20000型の車体修繕工事を行っている。なお、車体修繕工事は前述のアルナ車両あるいは日立と合同で受注しているため、車内製造銘板は2社の企業名が表記される。
車両について付記
- 台車は、メーカー形式とは別に東武社内形式を付与している。例えば「TRS-81M」(メーカー形式FS-511)の場合、TRが台車を示し、Sは製造会社(S:住友金属工業→新日鐵住金→日本製鉄、F:扶桑金属工業=住友金属工業の前身、K:汽車会社、T:東芝、H:日立)、数字は設計年の西暦の下2桁(81は1981年を示す)、Mは電動台車を示し、同型の付随台車はMをTに置き換える。なお数字の部分は同じ年に違うメーカー形式の台車が登場した場合には数字の末尾にさらに1、2を加えて3桁にする[83]。社内形式を台車に付与する事例は東京都交通局にも見られる。
- 古い車両形式を中心に、5700系を「57系」、7800系を「78系」など上2桁で表記・呼称することが、鉄道趣味誌および趣味者においてなされる例がある。
付番方法について
本節では、100系以降の特急用車両と10000型以降の通勤形車両の付番方法について記述する。
特急形車両・800型・850型
モハ | 1 | 01 | - | 1 |
↑ | ↑ | ↑ | ↑ | |
A | B | C | D |
- A:車種を表す。制御車は「クハ」、付随車は「サハ」と区別されるが、動力車は運転席の有無にかかわらず「モハ」としている。
- B:系列を表わす。2019年10月現在、1から3と5・8が存在する。
- 800型・850型は通勤形であるが、例外的に特急形と同じ付番法則が適用されている。
- C:編成番号を表わす。通常は「01」から始まるが、仕様の違いで50番台などに区分されることがある。
- D:連結位置を表す。浅草方の先頭車を「1」とする。
通勤形車両
モハ | 3 | 2 | 6 | 01 |
↑ | ↑ | ↑ | ↑ | ↑ |
A | B | C | D | E |
- A:特急形と同じく車種を表す。
- B:特急形と同じく系列を表わす。2019年10月現在、1から3と5から7が存在する。
- C:連結位置を表す。浅草・池袋・柏方の先頭車を「1」とする。10両固定編成の伊勢崎・寄居方の先頭車は「0」とする。
- D:編成の長さを表す。10両固定編成は「0」とする。
- なお、東上線に転属した30000系は10両固定編成化がなされているが、C・Dの番号は変更されていない。
- E:編成番号を表わす。通常は「01」から始まるが、仕様の違いで30番台・50番台などに区分される場合がある。
- 10080型は試作的要素が強かったため、「81」ではなく「80」が付けられた。
注釈
- ^ 路線開通年という観点で見れば1885年に一部が開通した南海本線を有する南海電気鉄道の方が先行しているが、法人としての南海電気鉄道の創立日は1925年3月28日と東武鉄道よりも遅くなっている。これは同線を開通させた阪堺鉄道は事業を南海鉄道に譲渡して解散し、同線を全通させたその南海鉄道も戦時企業統合政策(陸上交通事業調整法)により関西急行電鉄と合併して近畿日本鉄道となった事で法人消滅となり、後に旧南海鉄道の路線を高野山電気鉄道(法人格上の南海電気鉄道の前身)に譲渡する形で分離したことによる。
- ^ 第3位は名古屋鉄道。詳細は「路線」節を参照。
- ^ 【東武】ホームページ上での遅延証明書発行サービスを開始します 東武鉄道・グループの総合情報サイトをリニューアル(鉄道フォーラム掲示板)によると2月19日
- ^ 内外装をリニューアルした際にロゴを挿入したスペーシアを除き、かつての円形の社紋の部分を順次CIロゴに置き換えている。
- ^ 日比谷線直通は2017年より20m車を導入し、2020年までに統一を図っている。一方、支線区では日比谷線直通から捻出された18m車による20m車の置き換えを実施している。
- ^ 東急車輛製造は2014年に横浜金沢プロパティーズに商号変更し、2016年10月1日に東京急行電鉄(現・東急)に吸収合併。
- ^ 旧・新東急車輛
- ^ 運賃が同一であれば、違う区間でも構わない
出典
- ^ コーポレート・ガバナンスについて - 東武鉄道株式会社
- ^ a b c “会社概要”. 東武鉄道. 2021年7月30日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l 東武鉄道株式会社 (23 June 2022). 第203期(2022年4月1日 - 2023年3月31日)有価証券報告書 (PDF) (Report). 2023年9月24日閲覧。
- ^ a b 『鉄道まるわかり004 東武鉄道のすべて』(天夢人、2019年)「旅と鉄道」編集部
- ^ グループ会社一覧 東武鉄道(2021年8月15日閲覧)
- ^ 『近鉄グループホールディングス株式会社第106期有価証券報告書』
- ^ 【鉄道トリビア】大手私鉄第2位の路線網、東武鉄道の山岳トンネルは1カ所だけ マイナビニュース(2018年9月15日)2021年8月15日閲覧
- ^ a b 赤羽隆直 (2014年11月). “東武鉄道・東武グループのロゴについて” (PDF). 『SUBWAY 日本地下鉄協会報』第203号. 日本地下鉄協会. pp. 43-44. 2018年10月3日閲覧。
- ^ “東武鉄道株式会社様 グループブランディング プロジェクト”. 主なブランディング実績. トッパン ブランド コンサルティング. 2012年6月23日閲覧。
- ^ a b 東武鉄道株式会社 1964, p. 886.
- ^ 「私設鉄道仮免状及免許状下付」『官報』第3903号、内閣官報局、1896年7月3日、7頁、NDLJP:2947183。
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