指宿枕崎線
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歴史
改正鉄道敷設法別表第127号「鹿児島県鹿児島附近ヨリ指宿、枕崎ヲ経テ加世田ニ至ル鉄道」の一部にあたる。なお別表第127号の枕崎 - 加世田間は1931年に南薩鉄道(のち鹿児島交通)枕崎線の一部として開業したが、1984年に廃止されている。
山川駅 - 西頴娃駅間では1960年の開業時に実キロの1.6倍の擬制キロを採用し割増運賃が適用されたが(翌1961年4月6日の運賃改定で1.2倍に軽減)[19]、翌年5月に国鉄新線建設に対し補助金が出ることになったため擬制キロによる割増運賃は廃止された[19]。また、指宿駅 - 枕崎駅間は第二次世界大戦前に鹿児島南海鉄道という会社が鉄道敷設免許を取得したが、資本金を集められずに解散し免許が失効した区間となっている。
- 1930年(昭和5年)12月7日 【開業】指宿線 西鹿児島 - 五位野 【駅新設】谷山、五位野
- 1934年(昭和9年)
- 1936年(昭和11年)3月25日 【延伸開業】指宿 - 山川 【駅新設】山川
- 1944年(昭和19年)10月1日 【駅新設】南鹿児島
- 1960年(昭和35年)3月22日 【延伸開業】山川 - 西頴娃(旅客営業のみ) 【駅新設】大山、西大山、薩摩川尻、東開聞、入野、頴娃、西頴娃
- 1963年(昭和38年)10月31日 【延伸開業】西頴娃 - 枕崎(旅客営業のみ) 【駅新設】御領、石垣、水成川、頴娃大川、松ケ浦、薩摩塩屋、白沢、薩摩板敷、枕崎 【線名改称】指宿枕崎線
- 1966年(昭和41年)10月1日 【駅新設】坂之上
- 1973年(昭和48年)3月27日 蒸気機関車運転終了[20]
- 1980年(昭和55年)10月1日 【貨物営業廃止】西鹿児島 - 山川
- 1983年(昭和58年)3月8日 西鹿児島 - 山川間CTC導入
- 1986年(昭和61年)12月1日 【臨時乗降場新設】郡元、宇宿[21]
- 1987年(昭和62年)4月1日 【承継】九州旅客鉄道 【臨時乗降場→駅】郡元、宇宿[22]
- 1988年(昭和63年)3月13日 【駅新設】慈眼寺
- 1992年(平成4年)7月15日 指宿 - 枕崎間でワンマン運転を開始[23]。
- 1994年(平成6年)3月14日 山川 - 枕崎間でタブレット閉塞式の使用を終了し、特殊自動閉塞化[24]。これによりJR九州全線が自動閉塞方式に移行[24]。
- 1997年(平成9年)11月29日 西鹿児島 - 指宿間でワンマン運転を開始[23]。
- 2004年(平成16年)3月13日 【駅名改称】西鹿児島→鹿児島中央
- 2006年(平成18年)5月1日 枕崎駅移転により営業キロ0.1 km短縮
- 2007年(平成19年)7月3日 薩摩今和泉駅構内で線路沿いの崖が幅20メートル高さ10メートルに渡って崩落、鹿児島中央発山川行き普通列車が流入した土砂に乗り上げ脱線した。死傷者はなし[25]。
- 2008年(平成20年)10月4日 谷山 - 慈眼寺間2.7 kmの高架工事着工
- 2011年(平成23年)3月12日 観光特急「指宿のたまて箱」が新設され[注釈 4]、特別快速「なのはなDX」が廃止される。
- 2012年(平成24年)12月1日 鹿児島中央 - 喜入間でICカード「SUGOCA」が利用可能となる。
- 2014年(平成26年)
- 6月21日 生見 - 薩摩今和泉間で、線路沿いの崖が高さと幅各約10メートルにわたって崩落、指宿発鹿児島中央行き特急「指宿のたまて箱2号」が線路内に流入した木及び土砂に乗り上げ、1両目のほぼ半分が脱線、乗客乗員47名中乗客13名乗員2名の計15名がけが、うち3名が入院[26]。事故後、喜入 - 指宿間が運休に。詳細は『指宿枕崎線特急「指宿のたまて箱」脱線事故』を参照。
- 6月28日 同月21日の脱線事故で運休していた喜入 - 指宿間が始発より運転を再開。同区間で実施していたバス等による代行輸送は、27日限りで終了。なお、特急「指宿のたまて箱」は車両の復元のため引き続き運休とし、特急「指宿のたまて箱」と同じ運転時刻・停車駅で全車自由席の臨時快速列車を運転[27]。
- 7月12日 特急「指宿のたまて箱」の運転を再開。同じ運転時刻・停車駅で6月28日から運転していた全車自由席の臨時快速列車は7月11日限りで運転終了[28]。
- 7月19日 JR九州が指宿枕崎線を区間によっては存廃検討対象となることを明らかにしたと南日本新聞が報じる[29]。
- 2016年(平成28年)
- 2018年(平成30年)3月17日 主に地方ローカル路線の減便・縮小を伴ったいわゆる減便ダイヤが実施され、鹿児島中央から山川に直通する列車の一部が指宿終着となる。
- 2019年(令和元年)7月2日 大雨の影響により全線で終日運休となる。南鹿児島駅線路横の斜面で土砂崩れが発生[31]。7月5日始発より運転再開[32]。
- 2020年(令和2年)
- 3月14日 山川駅 - 枕崎駅間の最高運転速度を従前の65 km/hから45 km/hへ見直す。
- 5月30日 郡元駅 - 喜入駅間に駅遠隔案内システム(Smart Support Station)「ANSWER」を導入[33][34]。
- 2021年(令和3年)3月13日 特急「指宿のたまて箱」が臨時列車化[35](毎日運転)。
- 2023年(令和5年)10月1日:JR九州サービスサポートへの駅業務委託を終了し、同社の業務委託駅がJR九州直営となる。
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注釈
- ^ a b 『FACT SHEETS』『九州運輸要覧』とも鹿児島中央駅 - 枕崎駅間全線の最高速度を85 km/hとしている。
- ^ 上下で本数が異なるのは、深夜時間帯の下り列車の一部が旅客扱い終了後に回送で戻っているためである。2018年3月に実施されたいわゆる減便ダイヤ改正により、上りが2本減の47本、下りは1本減の50本となった。
- ^ 2018年3月改正まで上りの始発となる山川4時42分発が最も早かったが、同改正で喜入駅始発に短縮され消滅。始発時刻が早いのは鹿児島中央駅前で戦時期から開かれている「指宿線朝市」への行商人が多く利用していたことからとされている。しかし高齢化や出店者減少によるテナント費用の負担額増加などが要因で2018年3月28日をもって市は廃止された。
- ^ a b ダイヤ改正日の3月12日は前日発生した東北地方太平洋沖地震による津波警報発表で指宿枕崎線が運休となっていたので、運転開始は翌13日から[9]。
- ^ 中吊りスペースは一般広告枠であるため、いわゆる広告ジャックとは異なる。
- ^ 他に臨時列車では指宿駅 - 西頴娃駅間で運転されていたトロッコ列車「アドベンチャー号」がある[16]。
1970年代に急行「錦江」の一部が枕崎発で運転されていたことがあるが、日本最南端区間は普通列車として運転[17]。
また、1985年3月14日改正時点では、快速「なのはな」の前身である快速「いぶすき」2往復中上り1本が枕崎発で運転されていた(指宿まで各駅に停車するが、枕崎から快速「いぶすき」として運転)[18]。 - ^ 山川駅 - 枕崎駅間では線路脇の草木が著しく繁茂しており、車体と接触して傷がつく事象が多発することから、同区間にはキハ200系が乗り入れないとされている[10]。
出典
- ^ 日本国有鉄道電気局『鉄道電報略号』1959年9月17日、24頁。
- ^ a b FACT SHEETS 2017 - JR九州
- ^ a b “令和4年度 九州運輸要覧”. 国土交通省九州運輸局. p. 68. 2023年12月2日閲覧。
- ^ 『停車場変遷大事典 国鉄・JR編』JTB 1998年
- ^ 『SUGOCAのご利用可能エリアを平成24年12月1日(土)に拡大します』(プレスリリース)九州旅客鉄道、2012年9月19日。 オリジナルの2013年7月30日時点におけるアーカイブ 。
- ^ “利用可能・発売エリア”. SUGOCA. 九州旅客鉄道. 2019年8月4日閲覧。
- ^ a b 〜 運行情報のご案内を充実 〜 「JR九州アプリ」で列車位置情報を表示します! (PDF) - 九州旅客鉄道、2016年12月20日
- ^ “鹿児島、熊本に新観光特急 JR九州計画”. 西日本新聞. (2010年10月19日). オリジナルの2010年10月20日時点におけるアーカイブ。 2019年8月4日閲覧。
- ^ “観光特急「いぶたま」第1便、1日遅れで指宿到着”. 読売新聞. (2011年3月14日). オリジナルの2011年3月17日時点におけるアーカイブ。 2019年8月4日閲覧。
- ^ 指宿枕崎線にラッピング列車「カツオ号」登場 - 鉄道ファン・railf.jp 鉄道ニュース、2009年3月23日
- ^ “キハ40形車両を国鉄復刻カラーで運行!鹿児島車両センターでお披露目会を開催します!”. 九州旅客鉄道株式会社. 2024年2月19日閲覧。
- ^ “指宿枕崎線など キハ40形 国鉄色復刻車両 運転”. 鉄道コム. 2024年2月19日閲覧。
- ^ キハ140 2066が「指宿のたまて箱」仕様になって出場 - 鉄道ファン・railf.jp 鉄道ニュース、2012年3月20日
- ^ 『JTB時刻表』2007年4月号、JTBパブリッシング、p.472
- ^ 池田光雅『鉄道総合年表1972-93』中央書院、1993年、p.119
- ^ 今尾恵介監修『日本鉄道旅行歴史地図帳』12号 九州沖縄、新潮社、2011年、p.54
- ^ 国鉄監修『時刻表』1985年3月号、日本交通公社、p.270
- ^ a b 種村直樹『時刻表の旅』中公新書、1979年、124-125頁
- ^ 『世界の鉄道』1974年版、195頁
- ^ “日本国有鉄道公示第156号”. 官報. (1986年11月7日)
- ^ 石野哲(編)『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 Ⅱ』JTB、1998年、708頁。ISBN 978-4-533-02980-6。
- ^ a b 「JRワンマン運転線区一覧表」『JR気動車客車編成表 '99年版』ジェー・アール・アール、1999年7月1日、197頁。ISBN 4-88283-120-1。
- ^ a b “さらば タブレット”. 交通新聞 (交通新聞社): p. 3. (1994年3月18日)
- ^ 鉄道事故/鉄道重大インシデントの概要 - 運輸安全委員会
- ^ “「指宿のたまて箱」土砂で脱線、15人けが”. YOMIURI ONLINE (読売新聞社). (2014年6月21日). オリジナルの2014年6月22日時点におけるアーカイブ。 2014年6月22日閲覧。
- ^ 指宿枕崎線 喜入駅〜指宿駅間の運転再開及び特急「指宿のたまて箱」号の運休について (PDF) - 九州旅客鉄道、2014年6月27日(2014年6月29日閲覧)
- ^ 7月12日より、特急「指宿のたまて箱」の運転を再開します。 (PDF) - 九州旅客鉄道、2014年7月4日(2014年7月12日閲覧)
- ^ “指宿枕崎線「存廃検討対象」 JR九州社長”. 南日本新聞. (2014年7月19日). オリジナルの2014年7月28日時点におけるアーカイブ。 2014年7月19日閲覧。
- ^ a b 『指宿枕崎線 谷山駅・慈眼寺駅が平成28年3月26日に高架開業します』(PDF)(プレスリリース)九州旅客鉄道、2015年12月24日 。2015年12月25日閲覧。
- ^ “6月下旬からの大雨による被害状況等について(第3報)”. 国土交通省 (2019年7月4日). 2019年8月4日閲覧。
- ^ “6月下旬からの大雨による被害状況等について(第4報)”. 国土交通省 (2019年7月5日). 2019年8月4日閲覧。
- ^ 『指宿枕崎線の一部駅への「スマートサポートステーション」導入日が決定しました。』(PDF)(プレスリリース)九州旅客鉄道、2020年4月27日。 オリジナルの2020年4月27日時点におけるアーカイブ 。2020年4月27日閲覧。
- ^ 『指宿枕崎線の一部駅が「スマートサポートステーション」に変わります』(PDF)(プレスリリース)九州旅客鉄道、2019年9月30日。 オリジナルの2020年4月27日時点におけるアーカイブ 。2020年4月27日閲覧。
- ^ “JR九州「有明」廃止「指宿のたまて箱」臨時列車化、特急列車見直し”. マイナビニュース. マイナビ (2020年12月19日). 2021年3月15日閲覧。
- ^ “交通・営業データ”. 九州旅客鉄道. 2017年8月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年8月4日閲覧。
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- ^ “線区別ご利用状況”. 九州旅客鉄道. 2019年8月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年8月4日閲覧。
- ^ “線区別ご利用状況”. 九州旅客鉄道. 2022年5月21日閲覧。
- ^ “線区別ご利用状況”. 九州旅客鉄道. 2022年5月21日閲覧。
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