指宿枕崎線 指宿枕崎線の概要

指宿枕崎線

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/04/27 07:12 UTC 版)

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指宿枕崎線
JR最南端の駅"西大山駅"と開聞岳
基本情報
日本
所在地 鹿児島県
起点 鹿児島中央駅
終点 枕崎駅
駅数 36駅
電報略号 イスセ(指宿線時代)[1]
開業 1930年12月7日
所有者 九州旅客鉄道(JR九州)
運営者 九州旅客鉄道
車両基地 鹿児島車両センター
使用車両 使用車両を参照
路線諸元
路線距離 87.8 km
軌間 1,067 mm
線路数 単線
電化方式 非電化
閉塞方式 特殊自動閉塞式(軌道回路検知式)
最高速度 85 km/h[2]
路線図
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薩摩半島の東岸と南端を廻り、県都鹿児島市と温泉地指宿市および港町の枕崎市を結ぶ観光の足となっているほか、鹿児島市への通勤・通学路線となっている。

路線データ

  • 管轄(事業種別):九州旅客鉄道(第一種鉄道事業者
  • 路線距離(営業キロ):87.8km
  • 軌間:1067mm
  • 駅数:36(起終点駅含む)
    • 指宿枕崎線所属駅に限定した場合、起点の鹿児島中央駅(鹿児島本線所属[3])が除外され、35駅となる。
  • 複線区間:なし(全線単線
  • 電化区間:なし(全線非電化
  • 閉塞方式:特殊自動閉塞式(軌道回路検知式)
  • 交換可能な駅は駅一覧を参照。
  • 最高速度:85km/h[2]
  • ロングレール区間:2か所(鹿児島中央 - 郡元間の鹿児島車両センター構内の一部、宇宿 - 坂之上間のうちの高架区間内)
  • スラブ軌道区間:なし

全線が鹿児島支社の管轄である。

鹿児島中央駅 - 喜入駅間ではIC乗車カードSUGOCA」の利用が可能である[4][5]。列車位置情報システム「どれどれ」は、鹿児島中央駅 - 西頴娃駅間のみ対応している[6]

沿線概況

鹿児島中央駅からしばらくは鹿児島市内南部の商業・住宅地帯を通り、谷山までは鹿児島市電とほぼ並行している。定期券では市電の全線定期券よりもJR定期券の方が大幅に安くなることから当線の利用も少なくない。

車内から鹿児島方面を望む。石油備蓄基地や桜島が見える。

市街地が途切れる五位野駅からは住宅地や畑の中が主な車窓である。平川駅あたりから宮ケ浜駅あたりまでは鹿児島湾の海岸線沿いを走り、対岸には桜島大隅半島が見える。

指宿駅近辺で一旦内陸に入った後、山川駅でまた海岸沿いを通る。その後、南側(枕崎方面進行左側)に開聞岳が見えるようになる。このあたりはほぼ畑の中を抜けていくが、台地状の起伏が多く高低差もあり、トンネルまたは切通しになっている箇所も多数ある。線路脇の樹木の成長が早く、低い列車頻度と相まって線路脇の樹木が列車にぶつかる箇所もある。

御領駅以西ではリアス式海岸を避けて内陸寄りの高度のある場所を走っているため渓谷を跨ぐ橋梁やトンネルも多いが、視界が開ける場所では太平洋が望める地点もある。

山川駅から枕崎駅までは、時間帯により市職員を配置している西頴娃駅を除きすべて無人駅である。

運行形態

多くの普通列車・快速列車でワンマン運転を行っているが、朝の一部の列車は車掌が乗務している。また、鹿児島本線と直通する鹿児島発着の列車も平日の朝に1往復、夕方から夜に2往復ある。

鹿児島中央駅 - 喜入駅間は15 - 40分間隔の運行である。喜入駅 - 指宿駅・山川駅間はほぼ1時間間隔となる。夕方には鹿児島中央駅 - 慈眼寺駅間、平日夜と毎日深夜時間帯は鹿児島中央駅 - 五位野駅間の区間列車も運行される。2017年3月改正においての最短運転間隔は喜入駅における6分であり、同駅での上り特急の直後に同駅で折り返す上り普通がこれに当たる。

2016年3月改正で慈眼寺発着1往復が設定されたことで平日の鹿児島中央駅基準の運転本数は特急を含めて上り49本・下り51本[注釈 1]となり、単線非電化のローカル線でありながら複線電化である鹿児島本線伊集院方面の鹿児島中央駅基準の平日上下各42本(貨物列車を除く)を大幅に上回るなど、九州新幹線を含めて鹿児島中央駅を発着する路線で最大の運転本数がある。運転本数のみでなく始発列車がローカル線では異例の4時台(2018年3月以降は下りのみ)と早いのが特色で[注釈 2]、これは国鉄時代からものであった。山川駅 - 枕崎駅間は運行本数が1日6 - 8往復と少なく、4 - 5時間ほど列車のない時間帯がある。鹿児島中央駅 - 枕崎駅間を直通する列車は1日下り3本・上り4本だけで、ほかは指宿駅または山川駅で乗り換えとなる。指宿駅または山川駅 - 西頴娃駅間の区間列車もある。

ワンマン運転の普通列車・快速列車(1・2両編成)の乗車方法は、交通系ICカードの通用エリアの鹿児島中央駅 - 喜入駅間では列車のホーム側のすべてのドアから乗り降りできるが、喜入駅 - 枕崎駅間においては無人駅および有人駅での営業時間外の停車時に関しては、前の車両のドアのみ開き(中扉は開かず・後ろ乗り前降り)、乗車時に整理券を取り、降車時に運賃等とともに運転士に渡す必要がある。2006年平成18年)3月17日までは鹿児島中央駅 - 喜入駅間でも同様の扱いであった。

指宿枕崎線を走る列車(大山駅より鹿児島中央駅方面。キハ47形

特急「指宿のたまて箱」・快速「なのはな」

鹿児島中央駅 - 指宿駅間に特急「指宿のたまて箱」が3往復、鹿児島中央駅 - 山川駅間に快速「なのはな」が下り4本・上り3本運転されている。

指宿枕崎線の快速はキハ200系気動車が投入される1992年7月15日のダイヤ改正まで「いぶすき」の愛称で運行されていた。2004年3月13日のダイヤ改正には観光利用を念頭に置いた指定席連結の特別快速「なのはなDX」が登場した。

使用されるキハ200系気動車のうち、キハ200-9および1009は「なのはなDX」専用塗装であったが、現在はほかの車両と同じ側面に大きく「NANOHANA」と書かれた塗装に戻されている。「なのはなDX」の指定席に使われるキハ220形は1102の1両しかないため、検査や故障時は指定席車なしの「なのはな」として運転されていた。なお、キハ220形1102は「なのはなDX」廃止後、もといた熊本車両センターへ返却の後に元の赤い塗装に戻され、肥薩線の普通列車として運行している。

「なのはなDX」は、2011年3月12日のダイヤ改正で新設された観光特急「指宿のたまて箱」によって置き換えられた[7][注釈 3]




注釈

  1. ^ 上下で本数が異なるのは、深夜時間帯の下り列車の一部が到着後に客扱いせず回送で戻っているためである。2018年3月に実施されたいわゆる減便ダイヤ改正により、上りが2本減の47本、下りは1本減の50本となった。
  2. ^ 2018年3月改正まで上りの始発となる山川4時42分発が最も早かったが、同改正で区間短縮化され消滅。始発時刻が早いのは鹿児島中央駅前で戦時期から開かれている「指宿線朝市」への行商人が多く利用していたことからとされている。しかし高齢化や出店者減少によるテナント費用の負担額増加などが要因で2018年3月28日をもって市は廃止された。
  3. ^ a b ダイヤ改正日の3月12日は前日発生した東北地方太平洋沖地震による津波警報発表で指宿枕崎線が運休となっていたので、運転開始は翌13日から[8]
  4. ^ 中吊りスペースは一般広告枠であるため、いわゆる広告ジャックとは異なる。
  5. ^ 他に臨時列車では指宿駅 - 西頴娃駅間で運転されていたトロッコ列車「アドベンチャー号」がある[12]
    1970年代に急行「錦江」の一部が枕崎発で運転されていたことがあるが、日本最南端区間は普通列車として運転[13]
    また、1985年3月14日改正時点では、快速「なのはな」の前身である快速「いぶすき」2往復中上り1本が枕崎発で運転されていた(指宿まで各駅に停車するが、枕崎から快速「いぶすき」として運転)[14]

出典

  1. ^ 日本国有鉄道電気局『鉄道電報略号』、1959年9月17日、24頁。
  2. ^ a b FACt SHEETS 2017 - JR九州
  3. ^ 『停車場変遷大事典 国鉄・JR編』JTB 1998年
  4. ^ “SUGOCAのご利用可能エリアを平成24年12月1日(土)に拡大します” (プレスリリース), 九州旅客鉄道, (2012年9月19日), オリジナルの2013年7月30日時点におけるアーカイブ。, https://web.archive.org/web/20130730214153/http://www13.jrkyushu.co.jp/newsreleaseweb.nsf/9dd28b8cb8f46cee49256a7d0030d2e6/850ea6201a3798d949257a7e00384307?OpenDocument 
  5. ^ 利用可能・発売エリア”. SUGOCA. 九州旅客鉄道. 2019年8月4日閲覧。
  6. ^ a b 〜 運行情報のご案内を充実 〜 「JR九州アプリ」で列車位置情報を表示します! (PDF) - 九州旅客鉄道、2016年12月20日
  7. ^ “鹿児島、熊本に新観光特急 JR九州計画”. 西日本新聞. (2010年10月19日). オリジナルの2010年10月20日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20101020024455/http://nishinippon.co.jp/nnp/item/204515 
  8. ^ “観光特急「いぶたま」第1便、1日遅れで指宿到着”. 読売新聞. (2011年3月14日). オリジナルの2011年3月17日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20110317152925/http://kyushu.yomiuri.co.jp/entame/railway/news/20110314-OYS8T00271.htm 
  9. ^ 指宿枕崎線にラッピング列車「カツオ号」登場 - 鉄道ファン・railf.jp 鉄道ニュース、2009年3月23日
  10. ^ キハ140 2066が「指宿のたまて箱」仕様になって出場 - 鉄道ファン・railf.jp 鉄道ニュース、2012年3月20日
  11. ^ 『JTB時刻表』2007年4月号、JTBパブリッシング、p.472
  12. ^ 池田光雅『鉄道総合年表1972-93』中央書院、1993年、p.119
  13. ^ 今尾恵介監修『日本鉄道旅行歴史地図帳』12号 九州沖縄、新潮社、2011年、p.54
  14. ^ 国鉄監修『時刻表』1985年3月号、日本交通公社、p.270
  15. ^ 『世界の鉄道』1974年版、195頁
  16. ^ 鉄道事故/鉄道重大インシデントの概要 - 運輸安全委員会
  17. ^ “「指宿のたまて箱」土砂で脱線、15人けが”. YOMIURI ONLINE (読売新聞社). (2014年6月21日). オリジナルの2014年6月22日時点におけるアーカイブ。. https://archive.is/20140622063105/http://www.yomiuri.co.jp/national/20140621-OYT1T50050.html 2014年6月22日閲覧。 
  18. ^ 指宿枕崎線 喜入駅〜指宿駅間の運転再開及び特急「指宿のたまて箱」号の運休について (PDF) - 九州旅客鉄道、2014年6月27日(2014年6月29日閲覧)
  19. ^ 7月12日より、特急「指宿のたまて箱」の運転を再開します。 (PDF) - 九州旅客鉄道、2014年7月4日(2014年7月12日閲覧)
  20. ^ “指宿枕崎線「存廃検討対象」 JR九州社長”. 南日本新聞. (2014年7月19日). オリジナルの2014年7月28日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20140728120341/http://373news.com/modules/pickup/index.php?storyid=58350 2014年7月19日閲覧。 
  21. ^ a b “指宿枕崎線 谷山駅・慈眼寺駅が平成28年3月26日に高架開業します” (PDF) (プレスリリース), 九州旅客鉄道, (2015年12月24日), http://www.jrkyushu.co.jp/top_info/pdf/691/taniyamajigennjiekikoukakaigyou1.pdf 2015年12月25日閲覧。 
  22. ^ 6月下旬からの大雨による被害状況等について(第3報)”. 国土交通省 (2019年7月4日). 2019年8月4日閲覧。
  23. ^ 6月下旬からの大雨による被害状況等について(第4報)”. 国土交通省 (2019年7月5日). 2019年8月4日閲覧。
  24. ^ “指宿枕崎線の一部駅への「スマートサポートステーション」導入日が決定しました。” (日本語) (PDF) (プレスリリース), 九州旅客鉄道, (2020年4月27日), オリジナルの2020年4月27日時点におけるアーカイブ。, https://web.archive.org/web/20200427064026/https://www.jrkyushu.co.jp/common/inc/news/newtopics/__icsFiles/afieldfile/2020/04/27/200427kagosimasss.pdf 2020年4月27日閲覧。 
  25. ^ “指宿枕崎線の一部駅が「スマートサポートステーション」に変わります” (日本語) (PDF) (プレスリリース), 九州旅客鉄道, (2019年9月30日), オリジナルの2020年4月27日時点におけるアーカイブ。, https://web.archive.org/web/20200427064513/https://www.jrkyushu.co.jp/news/__icsFiles/afieldfile/2019/09/30/20190930kagoshimasss.pdf 2020年4月27日閲覧。 
  26. ^ 交通・営業データ”. 九州旅客鉄道. 2017年8月8日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2019年8月4日閲覧。
  27. ^ 交通・営業データ”. 九州旅客鉄道. 2019年7月12日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2019年8月4日閲覧。
  28. ^ 線区別ご利用状況”. 九州旅客鉄道. 2019年8月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年8月4日閲覧。


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