大英博物館
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/21 00:16 UTC 版)
歴史
大英博物館の起源は、アイザック・ニュートンの後を継いで王立協会会長を務め、古美術収集家として知られたハンス・スローンの収集品にさかのぼる[9]。
スローンは遺言で、政府が博物館を建設するとの条件の下で、自身が収集した蔵書・手稿・版画・硬貨・印章など8万点をイギリス政府に有償で寄贈することを指示した[10][9]。管財人達はイギリス議会に働きかけ、議会はすでに国に所有されていたコットン蔵書と、売りに出されていたハーレー蔵書を合わせて収容する博物館を設立することを決定した。博物館の設立には宝くじ売り上げが充てられることになり、1753年に博物館法によって設立され、一般向けには1759年1月15日に開館した。初代館長は著名な医師で発明家でもあったゴーウィン・ナイト(Gowin Knight)。
当初はモンタギュー・ハウスで開設していたが展示品が増えるにつれて手狭になり、1823年にジョージ4世が父親から相続した蔵書を寄贈したことが契機となってキングズライブラリーが増設された。1857年には6代目館長(主任司書)アントニオ・パニッツィの下で、現在も大英博物館を象徴する建造物となっている円形閲覧室が中庭の中央部に建設された。
しかし収蔵品の増加に追いつかないため、1881年に自然史関係の収集物を独立させた自然史博物館がサウス・ケンジントンに分館として設立された。
図書館機能の改組
1973年には図書部門がロンドン国立中央図書館等と機能的に統合されて大英図書館となり、1997年に書庫と図書館機能は完全に独立しセント・パンクラスの大英図書館新館に移った。旧大英博物館図書館は書庫を取り払って円形閲覧室のみを残し、現在は博物館の各室を繋ぐ自由通路でありミュージアムショップや料理店を附設する屋根付きの中庭(グレート・コート:ノーマン・フォスター設計[11])とされている。
また、館に収蔵されている美術品や書籍などのうち展示されていないものも事前予約をすれば実際に見ることができる、スチューデント・ルームと呼ばれる部屋が館内に数か所ある。
盗難
1970年代に多数の歴史的なコインやメダルが盗まれた[12]。
1993年、屋根から侵入した泥棒によって、コインと宝飾品が盗まれた[12]。
2002年、古代ギリシアの像が盗まれた[12]。
2004年、歴史的に重要な中国の工芸品が盗まれた[12]。
2017年、カルティエのダイヤモンドが以前からなくなっていたことが判明した[12]。
2021年2月に、古美術商のイタイ・グラデル博士から収蔵品がインターネット上で販売されていたと指摘したが、うまく対応ができていなかった。その後、2023年8月16日に、盗難されていた事実と関与していた職員一人を解雇したと発表した[13][14]。2023年8月26日、大英博物館のジョージ・オズボーン理事長が主に学術・研究目的で保管されていた紀元前15世紀から紀元後19世紀の宝飾品や宝石など約2,000点が盗難され、一部は回収できたことを認めた。2023年8月25日に館長のハートウィグ・フィッシャーが辞任を表明した[15][12]。
固有名詞の分類
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