位置
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/07/11 21:11 UTC 版)
概要
原点Oから物体の位置Pへのベクトル(位置ベクトル (position vector))で表される。
通常は x, r, s で表され、O から P までの各軸に沿った直線距離に対応する[1]。
3次元の空間曲線。位置ベクトル r はスカラー量 t によってパラメータ化される。r = a では、赤い線は曲線の接線であり、青い面は曲線の法線である。 3次元では、任意の3次元座標とそれに対応する基底ベクトルを使用して、空間内の点の位置を定義することができる。位置の座標の表し方を座標系という。よく使われるのは直交座標系であり、ほかに球面座標系や円柱座標系が使用されることもある。
ここで t は媒介変数である。
これらの異なる座標および対応する基底ベクトルは、同じ位置ベクトルを表す。より一般化した曲線座標を代わりに使用することができ、連続体力学や一般相対性理論で使われる(後者の場合、追加の時間座標を必要とする)。
n 次元
線形代数では、n 次元の位置ベクトルの抽象化が可能である。位置ベクトルは、基底ベクトルの線形結合として表すことができる[3][4]。
全ての位置ベクトルの集合は、位置空間(要素が位置ベクトルであるベクトル空間)を形成する。空間内の別の位置ベクトルを得るために、位置を加算(ベクトル加算)し、長さを計測(スカラー乗算)することができる。それぞれの xi (i = 1, 2, …, n) は任意の値であり、値の集合は空間内の点を定義するので、「空間」の概念は直感的である。
位置空間の次元は n である(dim(R) = n とも示される)。基底ベクトル ei に対するベクトル r の座標は xi である。座標のベクトルは、座標ベクトルまたは n-タプル (x1, x2, …, xn)を形成する。
各座標 xi は、媒介変数 t でパラメータ化することができる。1つのパラメータ xi(t) は湾曲1次元経路を記述し、2つのパラメータ xi(t1, t2) は湾曲2次元表面を表し、3つのパラメータ xi(t1, t2, t3) は3次元空間を表す。
基底集合 B = {e1, e2, …, en} の線型包は、span(B) = R と表される位置空間 R に等しい。
応用
微分幾何学
詳細は「微分幾何学」を参照位置ベクトルフィールドは、連続した微分可能な空間曲線を記述するために使用される。この場合、独立パラメータは時間でなくても、曲線の円弧長などでもかまわない。
力学
位置ベクトル r(t) は、ある時間 t における点粒子の位置を表す。
- ^ H.D. Young, R.A. Freedman (2008). University Physics (12th ed.). Addison-Wesley (Pearson International). ISBN 0-321-50130-6
- ^ Keller, F. J, Gettys, W. E. et al. (1993), p 28–29
- ^ Riley, K.F.; Hobson, M.P.; Bence, S.J. (2010). Mathematical methods for physics and engineering. Cambridge University Press. ISBN 978-0-521-86153-3
- ^ Lipschutz, S.; Lipson, M. (2009). Linear Algebra. McGraw Hill. ISBN 978-0-07-154352-1
- ^ Stewart, James (2001). “§2.8 - The Derivative As A Function”. Calculus (2nd ed.). Brooks/Cole. ISBN 0-534-37718-1
「位置」の続きの解説一覧- 1 位置とは
- 2 位置の概要
- 3 位置の派生
- 4 変位ベクトルとの関係
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